蛇口のハンドルが固くて回らない!4つの原因と対処法

蛇口のハンドルが固いと使うたびにストレスが溜まりますし、蛇口がしっかり閉まらなくなり、水が出っぱなしになることもあるのでとても困ります。どうして蛇口のハンドルが固くなってしまうのでしょうか。今回は、蛇口のハンドルが固くなる原因と対処法について紹介します。


この記事は約9分で読み終わります。

「蛇口が固い!」まずは蛇口の種類を確認!

蛇口には複数の種類があります。種類ごとで特徴や使い勝手が異なるため、機能や設置場所に応じた蛇口を選ぶようにしましょう。ここでは、それぞれの種類を解説します。

単水栓

蛇口の中でもっともシンプルな構造で、水もしくはお湯の出し止めのみを行う蛇口です。構造上、水とお湯の両方を使うことはできません。

学校や公衆トイレなどで、ひねって水を出すタイプの蛇口が単水栓に該当します。単水栓には、主に次の種類があります。

・横水栓(吐水口が動かない)
・万能ホーム水栓(学校などで多く見られるタイプで、吐水口を上向きに変えられる)
・自在水栓(蛇口が可動型になっている)
・立水栓(洗面台などで使われ、台付きで使用する)

ハンドル混合水栓

吐水口はひとつで、ハンドルが水とお湯のふたつに分かれているタイプです。それぞれのハンドルを回して、吐水口から出るお湯の温度や水量を調節します。ひと昔前の住宅で多く使われたタイプであり、すっきりとしたデザインが特徴です。

取り付け場所は、壁のほかに洗面台やキッチンシンクも選択でき、希望の水回りデザインに応じたタイプを選べます。浴室用の2ハンドル混合水栓には、シャワーがついています。

シングルレバー混合水栓

一般的な住居で主流となっている水栓であり、ひとつのハンドルでお湯の温度と水量の両方を調節できるタイプです。多くの水栓は、左右に動かすと温度調節ができ、上下に動かすと吐水と止水が調節できます。

見た目のシンプルさに加え、簡単に操作できるよう、ユニバーサルデザインを取り入れた、誰でも使いやすい設計です。水とお湯がひとつのハンドルで操作できるのは、カートリッジという調節部品が内蔵されているためです。

目次へ

蛇口のハンドルが固くなってしまっている原因

「蛇口のハンドルが固い」といっても、その原因はさまざまです。蛇口のハンドルが固くなってしまっているときの、主な原因について見ていきましょう。

部品のグリス切れ

蛇口のハンドルが固い理由のひとつが、「部品のグリス切れ」です。蛇口のハンドルの内部には、水をせき止めるためのパッキンが設置してあるのですが、パッキンには動きをスムーズにするためのグリス(潤滑油)が塗られています。

何度も蛇口を使用していると、パッキンが擦れることで徐々にグリスが減っていくので、ハンドルが固くなってしまうのです。ハンドルの隙間などから侵入した水や洗剤によってグリスが流されてしまい、動きが悪くなることもあります。

サビ付き

ハンドル内の部品の錆びつきも、ハンドルが固くなる原因になります。蛇口は常に水分に晒されるため、素材には錆びにくいステンレスが使用されるのが一般的です。

しかし、あくまで錆びにくいだけであり、絶対に錆びないわけではありません。長く使っていれば部品が劣化し、錆びることもあります。部品が錆びると表面に凸凹ができるので、摩擦が起きてハンドルがスムーズに動かなくなるのです。

蛇口を分解して錆びを落とすことはできますが、完全に落とすのは難しく、一度錆びた箇所はまたすぐに錆びてしまうこともあります。費用や手間を考えると、蛇口を交換してしまったほうが早いでしょう。

なお、蛇口の錆びを落とすときに、適当に選んだ錆び落としの薬品を使うのはおすすめできません。人体に有害な場合があるので、重曹や水栓専用の錆び落としなどを使いましょう。

ミネラルの結晶化

水道水にはカルシウムやマグネシウムといった、微量のミネラルが含まれているのですが、これもハンドルを固くする原因になります。

シンクなどにかかった水道水が蒸発して、白い跡が残っているのを見たことがないでしょうか。これは、水道水に含まれるミネラルが結晶化したものです。

蛇口の内部を見ることはほとんどないので気づかない方も多いのですが、蛇口の内部でも同じように水道水が蒸発して、ミネラルが結晶化することがあります。

定期的に掃除して結晶を取り除けば問題はないのですが、蛇口の内部まで掃除するのは難しいので、放置している方が多いでしょう。するとどんどん結晶が溜まって大きくなっていき、レバーが固くなってしまうのです。

部品の劣化

部品の劣化が原因で、蛇口のハンドルが固くなっていることもあります。前述のとおり、ハンドルの内部にはパッキンが設置されていますが、パッキンは蛇口のハンドルを動かすたびに部品とこすれ合うので、摩擦で劣化してしまうのです。

パッキンが劣化すると、通常より強く蛇口を閉めないと水が止まらなくなるので、固くなったと感じることがあります。

また、蛇口のハンドルに使われているネジが、何度も使っているうちに摩耗して形が変わったり、シングルレバー混合水栓の場合はバルブカートリッジ(水量や水温を調整する部品)が劣化したりすることによって、ハンドルが固くなることもあります。

パッキンやネジが劣化して、水を止めるために強い力で蛇口を閉めるようになると、それが原因でほかの箇所が故障することもあるので、早めに対処することが重要です。

目次へ

蛇口が固くて回らないときの対処法

蛇口が固くしまっていると、素手で開けようとしてもケガをしてしまうおそれがあります。この場合、タオルなどの布を蛇口に巻いて回すのがおすすめです。

タオルを使えば、素手で回すよりも蛇口との接地面積が広がるため、蛇口に力が伝わりやすくなります。軽く固着した程度であれば、この方法で回せる可能性があります。

ただし一度蛇口を開いたら、閉め過ぎないように気をつけましょう。次に開けるとき、もう一度力を入れないといけなくなります。

部品のサビや劣化により、蛇口が固まっている場合は、タオルを使っても開けられないことも考えられます。この状態であれば、蛇口の修理や交換などが必要です。

目次へ

自分で修理をする前に必ず止水栓か元栓を閉める

蛇口の修理を自分で行う場合は、修理中に蛇口から水が出ないように、止水栓または元栓を止める必要があります。それぞれの栓が設置されている場所や閉め方を見てみましょう。

止水栓の閉め方

止水栓は、キッチンや洗面所など水回り設備の近くに設置されています。水回りの修理や工事を行うときは、一時的に給水をストップできます。たとえば、キッチンの蛇口を修理するときにキッチンの水だけを止めるといった使い方です。

止水栓は、ハンドルタイプと内ネジタイプに分かれています。

ハンドルタイプは、蛇口と同じように回すだけで開け閉めが可能です。一方、内ネジタイプの止水栓を回すには、マイナスドライバーが必要です。右回り(時計回り)に回すと栓が閉まり、左回り(反時計回り)に回すと栓が開きます。開け具合によって、水圧の調整も可能です。

元栓の閉め方

元栓を閉めると、家全体の給水を止めることができ、止水栓を操作する必要はありません。元栓の設置場所は、戸建て・アパートとマンションで次のとおり異なります。

・戸建てやアパート…敷地内の地面
・マンション…玄関の隣にある扉の中

一部のアパートでは、マンションと同じように玄関の隣に設置されている場合もあります。設置場所にある元栓レバーを回すと、栓の開け閉めが可能です。ただし、止水栓のように開き具合で水圧を調整することはできません。

元栓を閉めると、家の中すべての水が出なくなります。そのため、元栓を閉める際には、ほかの箇所で水を使う必要性がないかどうかを確かめるようにしましょう。

目次へ

蛇口のハンドルが固いときの修理方法

蛇口のハンドルが固いとストレスが溜まりますし、蛇口のほかの箇所の故障につながることもあるので、早めに修理することが大切です。蛇口が固くなったときの修理方法について、原因別に紹介します。

グリスを補充

グリス切れで蛇口のハンドルが固くなっている場合は、グリスを補充することでハンドルがスムーズに動くようになります。補充の手順は以下のとおりです。

1.水道の元栓、もしくは止水栓を閉める
2.ハンドルのキャップを外す
3.キャップを外したところにあるネジをゆるめる
4.ハンドル、カバーナット、バルブカートリッジを外す
5.スパウトを引き抜いて、2個ついているパッキンの両方にグリスを塗る
6.分解したときと逆の順に、水栓を組み立てる
7.元栓・止水栓を開けて水を流してみて、水漏れしないかをチェックする

このように、グリスを補充するには水栓を分解する必要があり、その際にはさまざまな工具が必要です。むずかしいと思った場合は無理をせず、業者に依頼するようにしましょう。

なお、グリスにはいろいろ種類がありますが、なかには人体に有害な工業用グリスも存在します。水栓にグリスを補充するときには、必ず水栓用のグリスを使うようにしましょう。

パッキンの交換

パッキンが劣化・破損して蛇口のハンドルが固くなっている場合は、パッキンの交換が必要です。パッキンの交換は、以下の手順で行いましょう。

1.水道の元栓、もしくは止水栓を閉める
2.ハンドルのキャップを外す
3.キャップを外したところにあるネジをゆるめる
4.ハンドル、カバーナット、バルブカートリッジを外し、スパウトを引き抜く
5.古いパッキンを取り外し、新しいパッキンを取り付ける
6.分解したときと逆の順に、水栓を組み立てる
7.元栓・止水栓を開けて水を流してみて、水漏れしないかをチェックする

水栓を分解する必要があるため、難しいと思った場合は無理をせずに、業者に依頼することが大切です。

バルブカートリッジを交換

バルブカートリッジが劣化している場合は、バルブカートリッジを新しいものに交換しましょう。バルブカートリッジの交換手順は、以下のとおりです。

1.水道の元栓、もしくは止水栓を閉める
2.ハンドルのキャップを外す
3.キャップを外したところにあるネジをゆるめる
4.ハンドルとカバーナットを外す
5.古いバルブカートリッジを取り外し、新しいバルブカートリッジを取り付ける
6.分解したときと逆の順に、水栓を組み立てる
7.元栓・止水栓を開けて水を流してみて、水漏れしないかをチェックする

バルブカートリッジは、ホームセンターやネットショップなどで手軽に入手できます。ただし、使用している水栓の種類によってバルブカートリッジのメーカーや型番が異なるため、間違えないようによく確認しましょう。

蛇口を交換

蛇口の耐用年数は7~10年程度です。耐用年数を超えて使用している蛇口で不調が出た場合は、部品を交換するよりも、蛇口自体を交換したほうが良いでしょう。

新しい蛇口を購入する際は、レバー式のものを選ぶのがおすすめです。レバー式であれば、蛇口が回らないというトラブルが起こりません。

業者に蛇口の修理を依頼

蛇口のハンドルは、不調の原因に合った方法で修理しなくてはなりません。また、修理の際に水栓を分解する必要があるケースが多いので、それなりの知識が必要になります。無理に自分で修理しようとして壊れると大変なので、修理業者に任せたほうが良いでしょう。

おうちの御用聞き家工房では、蛇口の交換をはじめとしたお家のトラブルを解決いたします。電話一本で依頼ができ、最短即日で対応可能です。

専門知識をもつスタッフが症状に合わせて修理しますので、蛇口のハンドルが固いとお困りの際には、ぜひおうちの御用聞き家工房にご相談ください。

目次へ

まとめ

蛇口のハンドルが固い原因は、部品の劣化や錆び付きなどさまざまです。放置するとほかの箇所の故障につながることもあるので、自分で修理できないというときは、早めに専門の修理業者に相談しましょう。