サッチングは芝生の管理に必要!方法やおすすめの時期は?

芝生のメンテナンスのひとつにサッチングというものがあります。良い状態の芝生をキープするためには定期的なサッチングが必要です。この記事ではサッチングの意味や必要性、サッチングの方法と適したタイミングについて解説いたします。


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サッチングとはサッチを取り除く作業のこと

芝生の上に枯れた草のようなものが積もっているのを目にしたことはないでしょうか。これはサッチといわれるもので、芝生にたまった堆積物のことです。

サッチになるのは芝生を刈ったときに残る古い根や、枯れてしまった葉っぱなどです。芝生の表面に薄くたまっていき、徐々にサッチの量が増えます。

芝生を張った1年目には、あまりサッチがたまりません。しかし、2年目以降はサッチが徐々に目立つようになります。芝生の葉は繊維質を多く含むことで、ほかの植物のように分解が進まないためです。分解されない枯れた葉などが残ってサッチを形成します。

サッチングとは、芝生の上に堆積してしまったサッチを取り除く作業のことです。分解されにくいサッチはたまっていくため、定期的にサッチングをする必要があります。

サッチングの必要性

サッチは、芝生の古い根や葉がたまったものだと上記で説明しました。自然に蓄積したものであれば、分解されるまで待てば良いはずです。なぜサッチングの必要があるのでしょうか。

サッチングが必要なのは、サッチが堆積するとさまざまな問題が生じるためです。まず、サッチがたまると水はけが悪くなります。乾燥したサッチは水を弾くことから、水が土壌まで行き届かなくなってしまうためです。

また、サッチが芝生の表面を覆うことにより通気性も悪くなります。通気性が悪いと酸素が芝生に行き渡りにくくなるので芝生の発育にも問題が生じるでしょう。微生物も育ちにくくなるため、サッチの分解もあまり進まなくなります。

さらに、サッチがたまった状態だと、病原菌の発生原因となるほか、害虫も発生しやすくなります。微生物が育ちにくくなり土壌の多様性が失われることが原因です。病原菌が増えると、芝生が病気になってしまうこともあります。

以上のようなトラブルを防止するために、定期的なサッチングが必要なのです。

サッチングの方法と必要な道具

サッチングの方法はさまざまです。

どのような方法があるのか、必要な道具や各方法の手順、メリットやデメリットをみていきましょう。

レーキでサッチングする方法

レーキ、または熊手といわれる用具を使って物理的にサッチを取り除く方法です。レーキには、金属製、竹製、プラスチック製のものがあります。素材で芝生の傷みにくさなどが変わってくるため、機能やコストをみて選択すると良いでしょう。

レーキを使った方法では、爪の部分を下にして、奥から手前に引くようなイメージで、サッチをかき出して集めます。サッチが見えない部分にもたまっていることがあるので、全体的にレーキをつかってかき出していきましょう。

レーキは入手しやすく、コストもあまりかからないほか、何度も使用できます。手軽にサッチングしたい人に向いているでしょう。

ただし、深く掘ると芝生を傷つけてしまったり、密度の高い場所はサッチングがしにくかったりするデメリットもあります。労力がかかるため広い芝生には向いていないのも注意したいポイントです。

分解剤でサッチングする方法

サッチの分解を促進してくれる分解剤を使ってサッチングする方法もあります。分解剤に使われているのは微生物です。微生物の出す酵素の力で、サッチを分解して除去していきます。

分解剤は、基本的に芝生の上から撒くだけです。簡単に作業を済ませられることから、サッチングに慣れていない人も利用しやすい方法だといえます。

また、薬剤などではなく微生物という自然に存在するものを原料としているため、人やペットも安心です。分解剤を撒いたあとも、何の心配もなく芝生を利用できます。

デメリットは、ほかの方法と異なり、すぐにサッチを除去できないことです。あくまでもサッチの分解を助けるものなので、分解されるまでには時間がかかります。堆積したサッチの量などにもよりますが、数ヶ月ほどの時間を要することもあるでしょう。

また、分解剤には活性化しやすい温度があります。微生物が活動する温度の下限は5~10度、活発に動くのは20~30度が目安とされているので、活性化しやすい時期をねらって撒くのがポイントです。活性化しにくい時期に撒いても、思ったより効果が得られない可能性があります。

サッチングマシンでサッチングする方法

サッチングマシンは、サッチを掃除機のように吸い込む機械です。専用のサッチングマシンのほかに、電動草刈り機のオプションでサッチング刃に付け替える方法もあります。

サッチングマシンにもさまざまなタイプがあります。代表的な手押しタイプは、芝生の上をすべらすようにマシンを前に押すだけなので作業は簡単です。マシンが自動的にサッチを巻き込み回収します。

サッチングマシンは、広い範囲を作業するのに向いており、レーキでかき出しにくい密度の高い場所にもおすすめです。

デメリットは、ほかの方法を選択するよりもコストが掛かることです。選ぶ機械にもよりますが、数万円ほどかかります。コストがネックになる場合は、サッチングマシンのレンタルも検討してみると良いでしょう。

芝焼きでサッチングする方法

芝を焼いてサッチを除去する方法もあります。燃やしたい範囲の外側に水をかけてそれ以上燃え広がらないようにし、バーナーで焼く方法です。

そのままの芝生の状態では燃え広がりにくいため、レーキを使ってサッチをかき出し起毛させます。そこにバーナーで一気に火をつけて燃やすイメージです。水をまくジョウロやバーナー、レーキ、軍手を事前に用意しておきます。

芝焼きのメリットは一気にサッチを除去できることと、土壌にたまった雑草の種子や害虫まで取り除けることです。害虫予防にもなります。

デメリットは、火を扱うため危険がともなうことです。燃え広がったり、燃え移ったりしないようにしっかり対策をする必要があります。また、発芽前の芝生にしか芝焼きはできないため、芝生が覆っている状態には適しません。

サッチングを行う時期と適したタイミング

サッチングが必要になるのは芝生を張った年の翌年以降です。2年目以降は年に1~2回を目安にサッチングをします。

おすすめの時期は春先です。春先には、冬に枯れた芝生がサッチとしてたまっており、芝生が成長する時期でもあります。

春が過ぎて雨の多い梅雨になってしまうと、サッチにより水はけが悪くなり、芝生に水がたまりやすくなってしまうでしょう。芝生の水はけを良い状態にしておくためにも、梅雨が来る前の春先がおすすめです。

年2回サッチングするときは、春先以外には秋を選ぶと良いでしょう。

なお、サッチングは適度に必要な作業ではあるものの、やりすぎは芝生を傷める原因になります。また、サッチング後は、芝生にムラができたり、スカスカになったりしやすいです。スカスカしている部分はサッチングしないなど注意を払う必要もあります。

まとめ

サッチングは、芝生の水はけと通気性を良くし、芝生の健康状態を保つためにも必要な作業です。基本的には年に1~2回必要で、レーキを使う方法、分解剤を使う方法、サッチングマシンを使う方法、芝焼きする方法があります。

サッチングの面積が広くて手間がかかる場合、サッチングで芝生を傷めるのが心配な場合などは、外部に依頼するのも方法のひとつです。

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