【種類別】水道蛇口の交換費用・料金相場を解説

蛇口から水がポタポタと落ちる程度であればゴム製のパッキンを交換する程度で改善できます。しかし経年劣化が激しい場合は思い切って蛇口ごと交換してはいかがでしょうか。 一般的に交換時期は10年程度が目安ですが「10年経てば必ず壊れる」とも「10年間は壊れずに使える」とも限りません。使用頻度や環境によって左右されるため、10年はあくまで目安として実際の状態で判断しましょう。ここでは家の蛇口交換を検討するときの費用相場や業者を選ぶときのポイントをご紹介します。


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蛇口を交換する前に確認したいポイント5つ

蛇口交換を業者に依頼する前に確認しておかなくてはならない点があります。たとえば水道の蛇口といっても複数の種類が存在しており、交換にかかる費用はさまざまです。

また、悪徳業者に騙されないよう見積もりや請求で正しい内訳のもと料金が算出されているかどうかを確認しなければなりません。

専門業者へ連絡する前に、まずは以下の点を確認しておきましょう。

1.蛇口の寿命と交換時期を確認する

水道の蛇口の耐用年数は10年程度です。とはいえ10年経過したからといって、すぐに交換する必要はありませんが、劣化の症状があらわれたときは交換を検討しましょう。

以下は代表的な劣化の症状です。

・レバーハンドルが固くて動かしにくい
・ハンドルを動かすと甲高い音が出る
・吐水口や水栓の根元から水が漏れている
・蛇口がぐらついている

2.交換する蛇口の種類を確認する

一般家庭で使用されている蛇口は主に次の4種類です。

・単水栓…水・お湯のどちらかのみ出るシンプルなタイプ
・シングルレバー混合栓…水・お湯の切り替えと温度をレバーで調節するタイプ
・ツーハンドル混合栓…水・お湯の切り替えと温度をそれぞれのハンドルで調節するタイプ
・サーモスタット混合栓…主に浴室で使用される温度を設定できるタイプ

庭の水栓や公園、学校でも見ることの多いもっともシンプルなタイプが単水栓です。水もしくはお湯のどちらかのみ出すことができます。キッチンで見かけることの多いシングルレバー混合栓はレバーを左右どちらかに動かすことで水・お湯を選べるタイプです。

キッチンや浴室で見かけるツーハンドル混合栓はハンドルが水用・お湯用に分かれており、それぞれをひねって温度や水量を調節します。銭湯やホテル、家庭の浴室で使用されるサーモスタット混合栓は、一度設定した温度で水もしくはお湯を出すことができるタイプです。

それぞれ構造が異なるため交換したい蛇口の種類は上記4種類のうちどれにあたるのかを確認しましょう。

3.蛇口の破損具合を確認する

次に、作業の方向性を決めるために蛇口の不具合の状況を確認します。不具合の大きさによっては部品交換や修理では対応できず、本体の交換が必要になるケースも珍しくありません。

壁についている蛇口が根元からグラグラしているときは、腐食のため配管が劣化しているおそれも考えられます。軽度な症状でも複数か所で破損が起きていたり、不具合を繰り返していたりするときは、蛇口本体の交換も選択肢として検討すべきといえます。

4.ゴミが詰まっていないか確認する

蛇口の故障ではなく、ゴミが詰まって水道が正しく流れないケースもあります。蛇口を回しても水が出にくいとき、水があちこちに飛び散る場合はストレーナーの網を確認します。

ストレーナーは吐水口のキャップを外すと確認できます。ゴミや汚れで目詰まりしているなら掃除が必要です。ゴミを取り除いても水の流れが改善しない場合は水栓の不具合の可能性があります。

5.交換費用の内訳を確認する

蛇口交換の見積もりや請求書に記載される費用の内訳も重要な確認ポイントです。基本的に加算される費用は以下の項目があげられます。

・作業費…蛇口交換の作業・サービスに対する費用
・部材費…蛇口本体や各部品などにかかる費用
・出張費…家まで訪問してもらうことに対する費用

業者によっては出張費が基本無料になったり、条件付き(特定のエリア内など)で無料になったりする場合もあります。

上記のほかにも、依頼する時間帯によっては夜間料金が加算されることもあるため、深夜や早朝に依頼する場合は事前に確認しておきましょう。

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種類ごとの蛇口交換費用の相場

水道の蛇口は各種類で機能が異なるように構造もそれぞれ異なっています。必要な部品や作業難易度に差があり交換費用にも影響するため、相場を調べるときは蛇口の種類ごとに確認しましょう。

この項目では前述した4種類の蛇口の交換費用相場についてご紹介します。

単水栓

水もしくはお湯のみを出せるシンプルな単水栓は、ほかの種類のように温度を調節する機能がありません。そのため蛇口の中では構造もシンプルにできており、安価で交換できる点がメリットです。

交換費用は約13,000円~が相場です。作業自体が難しくなく、蛇口本体にかかる金額も比較的安いため、業者に依頼しても全体の費用を安く抑えることができます。

シングルレバー混合栓

レバーの向きによってお湯と水を使い分けられるうえ、向きや傾き具合によって温度と水量も調節できるシングルレバー混合栓は単水栓と比べると構造が複雑化します。

こまかく分けると種類も多く、単水栓に比べると本体価格による値幅が大きいことが特徴です。相場は約17,000円~ですが本体によっては大幅に増額する可能性もあります。比較的安価な蛇口を選ぶと費用を抑えることができます。

また、依頼する業者によっても交換費用が大きく異なるため、業者選びは慎重に行いましょう。

ツーハンドル混合栓

両側のハンドルでお湯と水の量を調整し、自分好みの温度にできるツーハンドル混合栓もシングルレバー混合栓のように値幅の大きなタイプです。

相場は約16,000円~ですが、場合によっては2倍以上の価格となることもあります。ツーハンドル混合栓の本体価格は安価なものであれば1万円以下で購入できる一方で、本体価格自体が2万円を超える場合もあるためです。

デザインにこだわる方は上記の相場よりも1~2万円多めに見ておくと良いでしょう。

サーモスタット混合栓

サーモスタット混合栓の交換は4種類の蛇口の中でもっとも高額です。

好みの温度に設定したお湯が出るサーモスタット混合栓は、同様に湯温を調節できるシングルレバー混合栓やツーハンドル混合栓と比べても本体の構造が複雑です。サイズも大きいため、取り付けにかかる費用と本体代のどちらも高くなります。

相場は約25,000円~ですが、本体価格によっては2倍以上の費用が生じます。シャワーとセットになっているタイプが多いことも高額となりやすい理由のひとつです。

ただし、ほかの種類の蛇口と比べると性能や使い勝手に大きな差があるため、安易に安さのみで本体を選ぶことはおすすめできません。多少費用がかかっても自分にとって使いやすいものを選びましょう。

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蛇口交換が不要なケースもある

一方で、蛇口を交換しなくても部分修繕で対応できる不具合もあります。ここからは水漏れの部位や具体例から、蛇口の交換が不要なケースを紹介します。

シングルレバー混合水栓で水漏れしている場合

まず、シングルレバー混合水栓のレバー下から水漏れしている場合や、スパウトまわりからチョロチョロと流れ出る水漏れです。これらの水漏れはバルブカートリッジかパッキンに問題がある傾向が多いため、蛇口交換は不要なケースがほとんどです。どちらのケースの水漏れも蛇口の部品交換で対応できます。

ハンドル混合水栓で水漏れしている場合

ハンドル混合栓のハンドル下からじわじわ水漏れしている場合は、パッキンの劣化やナットの緩みが原因となることが大半です。パッキンを交換するかナットを締め直せば改善できます。

また、吐水口からの水漏れもパッキンの劣化が原因と考えられます。パッキンを新しいものに交換して様子を見ましょう。

キッチンの水漏れを修理する方法については、以下の記事で詳しく紹介しています。シングルレバー混合水栓、ハンドル混合水栓を修理する方法も紹介しているので、あわせて参考にしてみてください。

キッチンから水漏れ!応急処置のやり方と自分でできる修理方法とは

蛇口の交換費用を安くする方法

ここまで紹介したとおり、水道の蛇口の交換にはそれなりの費用がかかります。ただし、交換費用を安くするための工夫はいくつかあります。この項目では安くするための方法を紹介します。

部品を購入し取り付け工事のみを依頼する

まずひとつが取り付け工事のみ依頼する方法です。ネットショップやECサイトから蛇口の本体や部品を購入し、取り付けだけ依頼すれば費用を安く抑えられます。

ただし、自宅の蛇口に合った種類かどうかをしっかり確認したうえで購入するよう注意が必要です。

【DIY】自分で取り付ける

自分で蛇口を交換すれば、工具や蛇口を購入する費用しかかからないため、取り付け工事のみ依頼するよりもさらに費用が抑えられます。

蛇口の種類が合わないと取り付けられないので、種類をよく確認して次の手順で作業を始めましょう。ここでは交換する蛇口の種類は問わず、一般的な流れを解説します。

用意するもの

まず、必要な道具を手もとに準備することからスタートです。

・ドライバー
・スパナやモンキーレンチ
・シールテープ
・歯ブラシ
・雑巾 など

止水栓を止める

作業をはじめる前に必ず、止水栓を止めます。止水栓を止めておかないと蛇口を外した途端水が噴き出すそれがあるため注意が必要です。

止水栓はカウンターやシンク下にあります。建物屋外に設置されている元栓を閉めておくと、建物全体の水道が止まるため安全に作業ができます。

残留水を出す

止水栓を閉めたあとも蛇口内には水が残っています。蛇口を開き、残留水を出し切りましょう。作業中に残留水が漏れ出す場合もあるので、蛇口を取り外す前に付近の床に古タオルを敷いておくと安心です。

古い蛇口を取り外す

次に古い蛇口を取り外します。取り外し方は蛇口の種類や製品によっても異なるため、取り扱い説明書を参考にすると良いです。一般的には、蛇口は反時計回りに回すと外れます。蛇口が固くて回らない場合は、スパナやモンキーレンチを使いましょう。

掃除をする

蛇口を取り外したら取り付け部分の汚れを掃除します。ネジにこびりついた汚れやサビ、配管に残ったシールテープは古い歯ブラシでこすり落とします。

新しい蛇口を取り付ける

取り付け部分がキレイになったらシールテープを貼り、新しい蛇口を取り付けて固定します。工具を使ってしっかり締めましょう。

止水栓を開ける

最後に止水栓や元栓を開けて水が正常に出るか確認します。蛇口まわりから水漏れがなければ交換完了です。

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水道蛇口を自分で交換する際の注意点

水道の蛇口を自分で交換する際に、いくつか注意したいことがあります。作業を始める前にチェックしてみてください。

専用の工具や部材の用意が難しい

蛇口を交換する際には、蛇口に種類に応じた専門の工具や部材を用意する必要があります。どの種類の蛇口にどの工具や部材を使うのか見極める知識がないと、適切な工具を選ぶのが難しく感じるかもしれません。

また、一から工具や部材をそろえていくと、最終的には業者に依頼するのと変わらないくらいまで費用がかかることもあります。

必要な工具や部材をすべて購入した場合の費用と、業者に依頼した場合の費用を比較して、本当に自分で蛇口を交換したほうが安く済むのかをシミュレーションしてみましょう。

ミスや水漏れトラブルの可能性がある

蛇口を適切に交換するには蛇口の種類や構造などに関する知識と専門的な技術が必要です。知識も技術もないのに無理に自分で蛇口を交換して、うまく取り付けができていないと水漏れが発生します。

ミスをした結果、より大きなトラブルが発生して業者を呼ばざるを得なくなることもあるかもしれません。

そうなると、工具や部材を購入した費用に業者に支払う費用が上乗せされ、かえってコストがかかってしまいます。

蛇口の構造がよくわからない、手順で悩んでいるなど、知識や技術が不足している場合は無理に自分で交換しないようにしましょう。

賃貸住宅は勝手に交換してはいけない

賃貸住宅にお住まいの場合、無断で蛇口を交換するのはNGです。現状変更には建物の所有者の許可が必要になります。必ず賃貸住宅の大家の方、もしくは管理している不動産会社に連絡してください。

経年劣化による水漏れの場合は、大家の方や管理会社が修理費用を負担するのが一般的です。提携している工務店が作業を担当するため、独断での交換は避けるべきといえます。

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業者依頼をおすすめする理由

水道の蛇口の交換は自分でもできますが、DIYよりも業者に依頼するのがおすすめです。前述のとおり、蛇口の交換には知識や技術が要ります。

蛇口の種類や構造などをきちんと理解できないまま交換するとミスをして、交換後に水漏れが起きたり、もっと大きなトラブルに発展したりするかもしれません。

そうなると、費用を抑えるためにDIYしたにもかかわらず、初めから業者に依頼するよりも費用が高くなる場合があります。

余計な手間とコストがかからないようにするためにも、はじめから専門知識や技術を有したプロに任せたほうが良いでしょう。

蛇口交換業者を選ぶときのポイント

技術を要する作業は専門業者に依頼するほうが安心です。単水栓など構造のシンプルなものは自力で取り付けることも不可能ではありませんが、ささいな失敗が故障につながるおそれがあります。

しかし、いざ業者を呼ぼうと思っても、どこに依頼すれば良いのか判断は難しいものです。値段ばかりを見ると悪徳業者に騙されるリスクや技術不足が懸念されます。

業者選びの失敗やトラブルを防止するために、蛇口交換業者を呼ぶときにチェックすべきポイントについてご紹介します。

依頼する前に複数社に見積りをとる

同じ蛇口の交換作業でも業者によって費用やサービスが異なります。複数社から見積りをとり、比較検討することで相場感がわかります。事前に費用を確認し、納得のうえで依頼することが大切です。

対応が早く説明が丁寧であるか

蛇口のトラブルは日常生活に大きく影響するため、緊急性を理解している業者に任せたいものです。電話をしてすぐ対応してもらえる業者でなければ信頼は難しいでしょう。(ただし、水道トラブルが生じやすい冬場など繁忙期は例外です)

場合によっては水漏れなどのトラブルにも発展するため、できる限り当日対応できる業者を選ぶことが大切です。

説明や対応自体も重視してください。優良業者であれば、事前説明(どのような故障や問題があり、どのような工程で対応する予定かなど)を丁寧にしてくれます。見積もり内容も明朗な業者が信頼できるでしょう。

おうちの御用聞き家工房なら研修を受けたスタッフが電話一本で最短即日に伺うことが可能です。水栓(蛇口)交換をはじめ、水漏れ・水が出ないなどご家庭のさまざまなトラブルに対し、豊富な修理実績があります。

蛇口交換はもちろん、家のちょっとした困りごとについて、ぜひ一度おうちの御用聞き家工房へご相談ください。

きちんとしたアフターフォローがあるか

蛇口交換に限らず、工事や修理を依頼する業者はアフターフォローの有無も重視して選びましょう。

工事や修理対応に関する保証期間を設けているところは、信頼して任せることができます。仮に交換後に壊れたり不調が出たりしても、保証期間内であれば即座に対応してもらえる安心感があります。

下記の記事では、水漏れ修理業者の選び方や、悪徳業者を見極める方法などについて解説しています。どの業者に依頼すべきか悩んでいる、判断基準がわからないという方は、ぜひ参考にしてみてください。

【要確認】水漏れ修理業者の選び方!悪質な業者を見極めるポイント

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まとめ

経年劣化した蛇口を放置すると、錆などによる詰まりや破損による水漏れなどのトラブルに発展しかねません。大きなトラブルが生じる前に蛇口ごと交換を検討してはいかがでしょうか。

蛇口交換の費用は前述のとおり種類や工事の難易度、本体価格によって大きく異なります。安価な本体を選べば施工費用を抑えることができますが、一部の蛇口は使い勝手も考慮して選ぶと良いでしょう。

取り付けの失敗を避けるために、蛇口交換は業者への依頼がおすすめです。おうちの御用聞き家工房にぜひお任せください。