瓦の割れを自力で補修するのは危険
瓦が割れた際、まずは自力で補修する方針で考える方は、これから説明するリスクを把握した上で判断をしてください。
そもそも、瓦を補修するためには高所で作業する必要があるため、転落事故など大怪我をする危険性が非常に高いです。
劣化の状態によっては瓦が落下してくるリスクもあり、ほとんどの人にとって慣れない作業でもあるので、屋根を移動する際にほかの瓦を踏んで割ってしまい被害を広げる可能性もあります。
そこから業者に依頼しても、最初の状態よりも対応箇所が多くなるため、費用が高額になることも考えられます。
また、作業を行う際にはさまざまな準備が必要で、安全確保のためのヘルメットから屋根に上がるための脚立、瓦を補修するための道具などは必須です。
もともと家に無ければ購入することになり、実際のコストは依頼する費用と大差ない場合もあります。
技術面を考えても自身で対応できる範囲は直近の雨を防ぐ程度の対策だと思ってください。
そのため、時間と労力を使って危険な作業を行っても、最終的には専門の業者に点検やメンテナンスを依頼しなければなりません。可能であれば、自力で補修する前に業者に相談してみましょう。
瓦が割れた際に自分でできる応急処置
瓦が割れたときは、雨漏りを防ぐための応急処置が必要です。自分でできる応急処置にどのような方法があるのかを解説いたします。
ただし、ここで紹介する方法はあくまでも応急処置ですので、後日必ず業者へ修理を依頼しましょう。また、応急処置を行う際には安全確保のために2人以上で作業することが必須です。
テープで補修
まずは防水加工されている補修テープをホームセンターなどで購入します。
補修手順としては、最初に割れた瓦を取り除きますが、同時に下地が損傷していないか確認してください。小さな穴程度であればパテなどを利用して修復することも可能です。
次に、汚れた状態ではテープがしっかりと接着しないため、補修部分を綺麗に拭き取り水や油分が残らないようにします。
そして割れた部分の形を整えるようにテープを貼り、強度を高めるためにも3回ほど重ねて貼り付けておきましょう。最後に修復した瓦を元の位置に差し込んで完了します。
パテで補修
パテを使用した補修方法は、ある程度の技術が必要とされるため、経験や自信のある方向けの手段です。正しく施工することで、テープよりも耐久力を高められますが、難易度が上がるため万人に適した方法ではありません。
準備にはパテと塗り込むための道具、ガルバリウム鋼板などの金属板と加工するための工具類が必要です。
手順としては、テープ補修時と同じようにまずは割れた瓦を取り除き綺麗に拭き取ります。
次に、形を整えて隙間を埋めるようにパテを塗り込みますが、はみ出た部分は拭き取って瓦に合わせて平らにしてください。
パテを塗るだけでは強度が足りないため、ガルバリウム鋼板などの金属で裏打ちして補強する必要があります。
屋根の下地にゴミなどがある場合は噛み合わせが悪くなりますので、取り除いた後に修復した瓦を戻して完了です。
瓦自体を交換
手順としては、まず新しい瓦を準備して、割れた瓦を取り除き下地の清掃をします。そして新品の瓦と取り替えれば作業完了です。
適したものを探せない場合は、素早く確実に作業を行える業者に依頼しましょう。
瓦割れの補修を業者に依頼すべきケース
どのような状態であれば補修作業を業者に依頼すべきか解説していきます。業者に依頼すべきか悩んでいる人はぜひ参考にしてください。
割れている枚数が多いとき
割れている瓦が1〜2枚程度であれば、先ほど紹介した方法で応急処置することもできますが、それ以上の枚数では対応が難しくリスクも高いです。
複数の損傷がある場合、屋根瓦の全体的な劣化や素人目では気づかない割れが発生している可能性もあります。
その状態で屋根に登って作業をすると、気づかないうちに弱っている瓦を踏み、破損箇所を広げ、下地を傷めるケースもあります。これは修繕費用が増えるだけではなく、落下や足を怪我する可能性があるため大変危険です。
明らかに複数の瓦が割れているときは、自身で対応せず速やかに業者に相談してください。また、多くの瓦を自力で対応すると作業量も多くなり、補修が終わるまでにある程度の期間を要します。
雨漏りなど屋根の下地にまで影響があるとき
通常瓦の下には防水シートが使用されており、瓦に割れが発生しても簡単には雨漏りしません。
シートの耐用年数は30年ほどで、劣化が進むことによって下地へ浸水しやすくなり、雨漏りの原因になります。
この場合は、割れている瓦が1枚であっても防水シートに問題があるため、パテや防水テープなどの補修作業では屋根のトラブルを解決できません。
新しいシートに交換するには、瓦全体を葺き替える本格的な補修・リフォーム工事が必要となり、個人で対応することは厳しいです。
そして、この状態を放置しておくと下地の腐食が進み、屋根全体の改修が必要になる可能性があるので、早急に依頼することをおすすめします。
また、異常を早期発見するためには、定期的な点検も重要になります。
点検は5年おきを目安にしましょう。台風や大雪などの災害があった後にも依頼しておくと、状態が悪化する前に対策ができるため低いコストで補修することが可能です。
瓦割れ補修の費用は瓦1枚「約1万円」
瓦はほかの屋根材と比べると高価で、1枚補修するために約1万円は必要です。
業者に依頼した場合の内訳には、瓦本体や材料費のほかに人件費や出張費が含まれ、使われている瓦が高額であるほど交換コストは高くなります。
原料にセメントを使用したタイプは比較的安価で種類も豊富ですが、どの屋根にも適合するとは限りません。また一般的な瓦と比べると耐久性や耐水性が低いといわれています。
交換する枚数が増えるほど費用は高額になり、屋根下地の葺き替えも行うと100万円以上必要になるケースもあります。これら屋根の修理にかかわる耐用年数や費用について、詳しくはこちらで紹介しています。
瓦の補修を依頼する業者選びのポイント
瓦屋根を適切に補修してもらうためには業者選びが重要です。どのようなポイントをチェックすると良いのでしょうか。ここからは、業者選びの主なポイントを4つご紹介します。
依頼したい修理内容にあわせて選ぶ
屋根の修理を依頼できる業者は、リフォーム会社・工務店・塗装業者の3つに大別できます。業者ごとで得意な修理内容が異なるため、依頼したい修理内容に合わせて業者を選ぶことがポイントです。
雨漏りを早急に直してもらいたい場合は、対応が早い地域密着型の工務店がおすすめです。工務店は規模がさまざまであり、小規模経営の工務店では修理内容や工期などを柔軟に対応してもらえるケースも増えています。
瓦の補修だけでなく、葺き替えや塗装などもあわせて依頼したいのであれば、建築工事や足場工事に対応可能なリフォーム会社が適しています。
相見積りを取る
修理を依頼する業者の候補が決まったら、必ず相見積りを取るようにしましょう。相見積りにより、修理内容に合った適正価格が分かるほか、業者の対応も確認できます。
相見積りを取る際は、現地の屋根の状況の確認作業が必要です。修理が必要な箇所を画像で説明してくれる会社は、信頼できる業者だといえます。
見積りの際には、金額だけでなく作業内容も確認することが大切です。わからない点を質問したときにはっきりと答えられる業者は、しっかりとした知識をもっています。内容を比較しやすくするため、相見積りは最低でも3社以上に依頼することをおすすめします。
保証がついているか確認する
まとまったお金を払って屋根を修理したものの、修理後短い期間で再度雨漏りなどが発生するケースも散見されます。このときに、アフターフォローとしての保証がついている業者であれば、無償で再度修理を依頼できます。
屋根修理の保証には、自社工事保証・メーカーによる製品保証・リフォーム瑕疵保険の3種類がありますが、業者を選ぶときに注目したい保証は自社工事保証です。自社工事保証の有無は法律では決まっていないため、保証の内容や期間は業者ごとで異なるほか、保証制度を設けていない業者もあります。
保証が手厚い会社なら、安心して工事を依頼できます。保証内容に関する契約書は、書面で発行してもらうと安心です。
飛び込み営業や訪問営業をしている業者は避ける
飛び込み営業や訪問営業をしている業者がすべて悪質業者というわけではありませんが、トラブルのもとになりやすいです。不安を煽って工事の契約を急かそうとしたり、高額な料金を請求したりするケースも多いため、慎重に対応する必要があります。
優良業者であれば、顧客側から工事依頼が入るため、飛び込み営業をする必要がありません。飛び込み営業をしている業者は避けた方が無難です。
まとめ
瓦が割れた際は自身で補修することも可能ですが、高所作業は危険をともないます。特に緊急性がなければ、できる限り業者に依頼する方が安全で確実な補修ができます。
依頼する会社を選ぶときは、丁寧にヒアリングしてもらえるところであれば、普段からも相談しやすいです。
業者選びにお悩みの方は、お家のトラブルに対応できる「おうちの御用聞き家工房」をご利用ください。