水道蛇口のパッキンの交換時期や寿命は?
水道の蛇口に使用されているパッキンはゴム製で、経年劣化するものです。使用頻度などによって変わるものの、一般的にパッキンの寿命は約10年とされています。
ただし、以下のような症状がみられたら10年未満でも交換が必要です。
・蛇口から水滴が垂れている
・パッキンの弾力が失われている
・パッキンにひび割れがみられる
・パッキンの周辺に隙間がみられる
・パッキンに触れたときに黒い汚れがつく
パッキンの劣化具合は、使用頻度や摩擦によって変わってくるため、上記のような症状がみられたら早めに交換を検討すると良いでしょう。
また、水漏れなどのトラブルが発生していなくても、使用し始めてから10年ほど経過したパッキンは交換するのがおすすめです。
水道蛇口のパッキンの種類や選び方
水道の蛇口に使用されるパッキンには種類があり、それぞれ形状や用途が異なります。ここではパッキンの種類と選び方を解説します。
パッキンの種類
パッキンには大きく5つの種類があります。それぞれにどのような特徴があるのか解説します。
平パッキン
輪のような形をしており、平たいのが特徴です。水道のパッキンとしては一番多いタイプで、給水管のつなぎ目などに使用されています。
Oリング
Oの形をしており、丸みを帯びているのが特徴のパッキンです。主にシャワーヘッドの根元などに使用されています。
Uパッキン
輪のような形をしているものの、上部に溝があり、断面がU型になっているのがUパッキンです。多くの場合、蛇口の水が出る部分(スパウト)の根元に使用されています。
三角パッキン
輪のような形になっているものの、断面が三角形になっているパッキンです。主に水道蛇口のハンドル下のカバーナットに使用されており、カバーナットの形状に合うように設計されているため三角形になっています。
コマパッキン(ケレップ)
見た目がおもちゃのコマのような形状をしているパッキンです。ゴムパッキンと金属のパーツが一体化した構造になっています。蛇口の内部に装着されるもので、蛇口のハンドルを閉めたときにコマパッキンがクルクルと回りながら下がっていき、水の流れを止める仕組みになっています。
パッキンの選び方
パッキンを交換する際は、元からついていたパッキンと同じ種類・サイズのものを選ぶ必要があります。パッキンの選び方には下記2つの方法があります。
【蛇口のメーカーや品番から確認する】
蛇口本体や取扱説明書などをチェックして、蛇口のメーカーや品番がわかると、蛇口に合うパッキンを探せます。この方法だと蛇口を分解する手間をかけず確認できるのがメリットです。
【蛇口を分解する】
蛇口の本体などからメーカーや品番が確認できない場合は、蛇口を分解して使用されているパッキンを確認しましょう。
パッキンにはさまざまなサイズがあるので、パッキンの種類だけでなく大きさも確認しておくことが大切です。パッキンのサイズは、「呼び径」「外径」「内径」と表記されています。
| サイズ | 測る部分 |
| 呼び径 | 蛇口の入り口部分の直径。 |
| 外径 | パッキン本体の直径。 |
| 内径 | パッキンの穴の直径。 |
水道蛇口のパッキンの交換に必要な道具
水道蛇口のパッキン交換に必要となる道具は以下のとおりです。
| 工具 | 主な用途 |
| モンキーレンチ | ナットやネジを外す際に使用する。 |
| トルクレンチ | ナットやネジを適正トルクで締め付けるのに使用する。 |
| プラスドライバー | ネジをゆるめたり、締めたりする際に使用する。 |
| ピンセット | パッキンを取り外す際に使用する。 |
| ウォーターポンププライヤー | 蛇口本体や給水管、大きなナットを回すのに使用する。丸いものを挟むときに滑らないようにギザギザの溝がついている。 |
| 雑巾 | 作業中にこぼれた水を拭いたり、分解した部品の汚れを取ったりするのに使用する。 |
【種類別】水道蛇口のパッキンの交換方法
水道蛇口の種類別にパッキンの交換方法を解説します。
単水栓のパッキンの交換方法
単水栓とは、お湯か水のどちらかだけを出し、止めるだけのシンプルな構造の水栓(蛇口)のことです。昔からあるタイプの水栓で、構造が複雑になっていない分、パッキン交換も比較的簡単にできます。
単水栓のパッキンの交換方法は以下のとおりです。
1.ラジオペンチを使って、カラービスとハンドルを外す
2.モンキーレンチでハンドル下のナットを外す
3.パッキンをピンセットで取り出し、新しいものに交換する
4.外したナットを取り付ける
5.カラービスとハンドルを再度取り付ける
単水栓は、蛇口の故障が原因で水漏れが起きることがあります。パッキンを交換したにもかかわらず水漏れが直らない場合は、蛇口に問題が生じているおそれがあるため、業者に相談しましょう。
シングルレバー混合水栓のパッキンの交換方法
ひとつのハンドルで、水の温度や水量を調整できるタイプの水栓です。多くの場合、ハンドルを上下に動かすことで吐水と止水、左右に動かすことで温度を調整できることができるようになっています。
水を出している状態で吐水口から水漏れが気になるときは、パッキンが劣化していると考えられるため、パッキンを交換しましょう。
シングルレバー混合水栓のパッキンの交換方法は以下のとおりです。
1.プラスドライバーでハンドルを固定しているネジを外し、ハンドルや蛇口を外す
2.モンキーレンチでカバーナットをゆるめ、蛇口の部品を外す
3.パッキンをピンセットで取り外し、新しいものに交換する
4.蛇口の部品をもとに戻し、ハンドルと蛇口を再度取り付ける
シングルレバー混合水栓にはパッキンが2つあるので、両方の交換が必要です。
ハンドル混合水栓のパッキンの交換方法
ひとつの蛇口に対して、お湯と水の2つのハンドルがあり、それぞれのハンドルを開閉して温度や流量を調整するタイプの水栓です。ハンドルの付け根部分から水漏れが起きている場合はパッキンの劣化が考えられるため、新しいものに交換しましょう。
ハンドル混合水栓のパッキンの交換方法は以下のとおりです。
1.ラジオペンチを使って、カラービスを外す
2.プラスドライバーでネジをゆるめ、ハンドルを取り外す
3.モンキーレンチでハンドル下のカバーナットを外す
4.ピンセットでパッキンを取り外し、新しいものに交換する
5.カバーナット、ハンドル、カラービスを再度取り付ける
シャワーホースのパッキンの交換方法
浴室などのシャワーホースから水漏れが発生しているときは、シャワーホースのパッキンが劣化しているおそれがあります。
シャワーホースのパッキンの交換方法は以下のとおりです。
1.シャワーヘッドの接続部分を外す
2.パッキンを取り出し、新しいものと交換する
3.シャワーヘッドを再度取り付ける
シャワーホースのパッキンのみの交換であれば、工具なしでも簡単に行えます。ただし、水漏れがシャワーヘッドから生じている場合は、水栓の開閉バルブに劣化などの問題が発生していると考えられるため、業者に相談することをおすすめします。
自分での作業が不安な方は、業者に相談・依頼するのもおすすめ
水道蛇口のパッキンの交換は、新しいパッキンを購入し、最低限の工具をそろえればご自身でも行えます。とはいえ、未経験の方が行うと、取り外した部品を紛失してしまったり、破損の原因を作ったりしてしまうことがあるかもしれません。
セルフでの作業に不安がある方は、業者に依頼するか、相談してみると良いでしょう。
「おうちの御用聞き家工房」でも水道のパッキンの交換などの相談を受け付けています。住宅にまつわるトラブルであれば、どんなに些細なことでも相談を受け付けているので、お気軽にご相談ください。
「これはトラブルなのかわからないけれど、ちょっと見てほしい」といった内容でもOKです。電話一本で最短即日にお伺いできる場合もあります。
まとめ
水道蛇口のパッキンは経年劣化するものなので、定期的な交換が必要となります。一般的にパッキンの寿命は10年とされていますが、使用頻度や摩擦などによって変動します。
水漏れなどのトラブルがみられるようであれば、パッキンの劣化によるものと考えられますので、今回紹介した方法を参考に交換してみましょう。ただし、セルフでの作業に不安がある方は、業者に依頼すると安心です。





