断熱リフォームはこれだけの種類がある! メリットや費用目安まとめ

築年数が経っている住宅で暖房や冷房の効きが悪い場合、建物自体の断熱性が不十分かもしれません。 一般家庭の住宅に断熱材が広く普及したのは、1980年に旧省エネ基準が設けられたことがきっかけです。基準は改正されるごとに向上しているため、築40年近く経った建物であれば、断熱リフォームで悩み を解決できるでしょう。 ここでは住宅の断熱リフォームについて、施工できる場所や大まかな費用感について紹介します。


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断熱リフォームは費用対効果が高い?種類とメリットを紹介

断熱リフォームとは、家の断熱性を向上させるために行うリフォーム全般のことです。たとえば壁には「外張り断熱工法」や「充填(じゅうてん)断熱工法」があり、それぞれ期待できる断熱効果や施工内容、費用は異なります。

リフォーム工事ができる場所は、主に以下があげられます。

・床
・壁
・天井
・窓や玄関などの開口部

お家の中で断熱リフォームできる場所、それぞれの特徴や主な工法は、次のとおりです。

床の断熱リフォームは、床材の下に断熱材を装填する方法が一般的です。リフォーム料金は、作業時に床を剥がす必要があるかどうかの違いで大きく異なります。

床を剥がさず断熱リフォームのみ行う場合と、床の張り替えも同時に行う場合それぞれの費用相場は、以下のとおりです。

・断熱リフォームのみ:約20万円~30万円
・床の張り替えも行う:約80万円~120万円

上記は施工面積約60平方メートルの場合の相場です。

床下に潜り込んで作業できる場合は、床の解体をしなくても施工できる分、解体などにかかる費用を節約できます。

一方、床下に潜り込みにくい場合は、床を一度剥がして断熱材を装填し、新しく床を張る作業が必要です。床の張り替えを同時に行うため、解体撤去や再仕上げ工事の費用が発生します。

壁の断熱リフォームは、「外張り断熱工法」と「充填断熱工法」のいずれかで施工します。どちらの方法も解体や断熱材の装填、内装の再仕上げが必要なため、工事が大がかりとなります。

他の断熱リフォームより、金額も大きめに想定しておいたほうが良いです。

・一般的な壁の断熱リフォーム:約100万円~150万円

延床面積が約120平方メートルの場合の相場で、上記のとおりです。

外張り断熱工法とは、建物を包むように構造体の外側へ断熱材を張る工法です。外張り断熱工法を行った場合は、外壁が厚くなります。

充填断熱工法は、柱と柱の間に断熱材を入れる工法です。柱の厚さ分、断熱材をたっぷりと入れることもできる一方で、柱部分は外気の影響で温度変化が起こりやすい特徴があります。

天井

暖かい空気は高いほうへ向かうため、天井も断熱リフォームすることで暖めた空気が天井から逃げていくのを防げます。夏は屋根から熱が伝わるのを防ぐため、一年とおして効果を得られるでしょう。

天井の断熱リフォームは、床や壁のように解体する必要はありません。場合によっては天井の解体が必要になることもありますが、多くは解体することなく断熱材を天井裏に敷きつめていく方法です。

・天井の解体がない場合:約7万円~20万円

施工面積約60平方メートルの場合の相場で、上記の金額となります。天井の解体が必要な場合は解体撤去や再仕上げにかかる費用が追加されるなど、施工内容によって前後します。

窓や玄関などの開口部

窓の断熱リフォームは、カバー工法で単板ガラスを複層ガラスに変えたり、内窓を新たに設置したりする方法があげられます。

複層ガラスは、2枚~3枚重ねのガラスで空気層を作る方法で、防音性にも優れているのが特徴です。古い家の場合、旧来の1枚だけの単板ガラスが取り付けられていることが多いため、複層ガラスに変えるだけで過ごしやすくなります。

・カバー工法:約17万円~27万円(掃き出し窓は約34万円~41万円)
・内窓の設置:約7万5,000円~10万円(掃き出し窓は約17万円5,000円~23万円)

上記はスタンダードな窓ガラスの料金例です。使用する窓ガラスのグレードによって前後します。内窓は更に、単板ガラスを使用するか、複層ガラスを使用するかで費用が異なります。

費用面では魅力的な内窓ですが、一度既存の窓のサイズを採寸して工場で内窓を製造してから設置作業を行うため、日数を要します。既存の窓は経年劣化によって歪みが生じている可能性があり、ズレを生じさせないためには1mm単位での採寸とオーダーメイドによる製造が不可欠です。

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断熱リフォームの種類ごとの相場観と安くするためのポイントを解説

断熱リフォームと一口に言っても、前述のとおり施工する場所によって選択肢の数も内容もさまざまです。更に床や屋根、壁のリフォーム費用は、建物の大きさにも左右されます。

少しでも断熱リフォームにかける費用を節約するためには工夫が必要です。ここでは断熱リフォームをできる限り安く済ませたいと考える方へ、おすすめの節約ポイントを紹介します。

断熱リフォームの費用を節約するポイント

断熱リフォームにかかる費用を節約するためには、以下のポイントを押さえておきましょう。

・解体工事をできる限り避ける
・安い工法を選ぶ
・省エネ改修リフォームの補助金を利用する

断熱リフォームの料金には、使用する断熱材など材料費の他に装填の工賃や既存の床、壁などの解体撤去、再仕上げにかかる費用も含まれます。

作業にかかる費用は業者が独自に設定しているため、できる限り安いところを選ぶのが節約の基本ですが、それだけでは万全ではありません。最初から解体撤去や再仕上げにかかる費用を発生させないよう、解体が不要な工法を選ぶことが大切です。

同じ施工場所、面積でも、施工方法を変えるだけで費用を節約することができます。窓の例をあげると、周辺の壁や内装を再仕上げする必要のあるカバー工法よりも、手軽な内窓のほうが安く済みます。

断熱リフォームで利用できる補助金

断熱リフォームは省エネ改修リフォームに含まれるため、補助金の対象です。補助金は国や地方自治体などが行っており、断熱リフォームで申し込める補助金は、以下の3つがあげられます。※2022年1月時点。

〇次世代省エネ建材支援事業

次世代の省エネ建材を使用したリフォームに適用される支援です。すでに所有している物件だけではなく、これから所有予定の物件でも申し込めるため、中古物件の購入と断熱リフォームを予定している方も利用できます。

高性能建材による住宅の断熱リフォーム支援事業

所有する住宅や集合住宅で、断熱リフォームを行う場合に利用できます。「断熱リノベ制度」とも呼ばれる支援事業です。先に申し込み、交付が決定してから工事を始める必要があるため、手続きを進める時期に注意が必要です。

各自治体が独自に行う断熱リフォームの補助金

自治体が独自に補助金を用意している場合もあります。名称や金額などこまかな条件は異なるため、興味のある方は地元の自治体に補助金制度がないかチェックしてみてください。

地域によっては断熱に限定せず、リフォーム全般を対象としている補助金もあるため、自治体のホームページなどで探すときは見落としに注意してください。断熱リフォームを依頼する前に、窓口で担当者へ相談してみるのもおすすめです。

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断熱リフォームを依頼するなら

断熱リフォームを業者に依頼するときは、料金だけではなく、信頼できるかどうかも重視しなければいけません。たとえば断熱の知識は豊富か、対応は丁寧で親身か、なども実績とあわせてチェックしておくと安心です。

また、最終的に「どのようなお家にしたいか」で業者を選ぶのも良いでしょう。業者ごとに対応できる施工内容や技術レベルは異なるため、施工例を参考にしつつ、目的に合った業者を選ぶことが大切です。

おうちの御用聞き家工房」は、断熱リフォームだけではなく、その他にも家に関するトラブルであれば、どんな些細なことでもご相談いただけます。

「うちにはどんな断熱リフォームが合うのか、一度見てほしい」などのご相談も、電話1本で最短即日に伺います。まずはお気軽に、お困りごとをお聞かせください。

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まとめ

築年数の経った住宅の住み心地を良くする方法として、断熱リフォームがあげられます。断熱技術や基準は繰り返し改善されているため、普及し始めた時期に断熱材を入れたという住宅も、最新のものに交換すると快適性が格段にアップします。

断熱リフォームをはじめ、住宅のあらゆるお困りごとは、専門知識の豊富なスタッフが揃った「おうちの御用聞き家工房」にお任せください。丁寧なヒアリングと現地調査で、ご要望に合った解決方法を提案します。