階段の作りでリフォーム方法は異なる
階段下に収納を作る際、階段の幅や勾配によって収納の形やサイズが異なってきます。
ここでは自宅の階段の作りに合わせて、どのようなリフォーム方法を選ぶべきかを解説していきます。
ストレートタイプの階段
ストレートタイプの階段であれば、一般的に側面側の長さが約2700mm、桁の幅側(奥行き)が750mm~800mmほどのスペースが取れ、収納力を確保しやすいです。
また、勾配が急な階段であれば、デッドスペースが生まれるため広めの収納を作りやすくなります。一方、勾配が緩やかな階段は収納に活用できるデッドスペースが少なくなります。
少しでも収納スペースを増やしたい方は、階段下部分の壁を取り払い棚を設置するリフォーム工事がおすすめです。
コの字型タイプの階段
階段の途中でコの字型に折れるタイプの階段の場合、折れ曲がった先の階段下側がまとまったスペースになります。奥行きはストレートタイプと同じ程度の750mm~800mm、横幅は1200mm程度です。
しかし、天井が低いところで1400mm程度になることもあり、ストレートタイプの階段下ほどのスペースは取れないことがほとんどです。
コの字型の階段の場合は側面の両側それぞれの形に合わせた収納スペースを検討することにより、少しでも多くのデットスペースを有効活用できるケースもあります。
階段下収納のリフォームにはどんな種類がある?
階段下を収納スペースに活用する場合、どのような空間づくりをするとスペースを有効活用できるのでしょうか。
ここでは階段下収納のリフォームの主な種類について紹介します。
ファミリークローゼット
階段が玄関ホールや廊下にある場合は、衣類をかけられるファミリークローゼットとして活用するのが便利です。外出時や帰宅時の動線上に身支度に使える場があると、日常生活の利便性が格段に向上します。
シューズインクローゼット
階段が玄関に接する位置にある場合は、シューズインクローゼットとして活用するのもおすすめです。玄関掃除に使用するほうきなどの収納場所にもなるので、何かと使い勝手の良い収納スペースになります。
リビングのオープン収納
リビングイン階段であれば壁を取り払って収納棚を付けたり、テレビを置いたりして活用できます。オープンにすると奥行きが広くなるので、可動式の棚だけをつくり、本棚や見せる収納にする手もあります。
オープンな収納の場合は、扉のある収納に比べて空間が少し広く感じられるようになるメリットもあります。
スタディコーナー
階段下をオープンタイプの空間にし、奥行きを500mm~600mm程度確保したうえで、そこにカウンターを設ければ、スタディコーナーとして活用できます。
書斎を作るとなると大掛かりなリフォームが必要ですが、階段下のデットスペースを活用すればお手軽に書斎代わりのオープンワークスペースになります。また、電子機器に対応できるよう、コンセントの増設も検討しておきましょう。
棚のみを取り付ける
デッドスペースが狭い場合は、棚のみを取り付けるリフォーム工事もあります。壁を取り払ったり扉を取り付けたりといった大掛かりなリフォームに比べるとリーズナブルに工事できるメリットがあります。
階段下収納のリフォームにかかる費用相場
ここでは階段下収納のリフォームにかかる費用相場をそれぞれの工程ごとに紹介します。
壁面の解体費用
階段下収納を作るにはまず、階段下の壁面を解体してスペースを確保する必要があります。壁を解体するには、家の構造について専門知識を有するプロのリフォーム業者に依頼する必要があります。
階段下収納リフォームにかかる壁面の解体工事の費用相場は3万円~5万円です。
収納内壁下地造作費用
壁を解体した後は収納スペースの床や内壁を整えるための費用も必要になります。どのような建材・素材を選ぶのか、どのように仕上げるかによって費用相場は異なります。
収納内壁下地造作費用の相場は2万円〜3万円です。
階段下収納の壁を最も簡易的な合板張りにする場合であれば、5千円~1万円ほどの費用で済ませることもできます。また、壁に石こうボードを張りつけ、クロスを施工するには2万円~3万円前後の費用がかかります。
完全に目に付かない収納場所としての用途のみを考えている場合は、最低限の工事でも構いません。
とはいえ、部屋の一部として使用する用途であればクロスを貼って内装を整えれば、格段に見た目が良くなるので検討してみることをおすすめします、
収納内床下地造作費用
収納内壁下地とともに収納スペースの床下地も整える必要があります。こちらは収納スペースの床面にフローリングなどを敷いて整える費用で、選ぶ建材・素材によって費用が変わるため、予算と相談しながら選ぶことが大切です。
収納内床下地造作費用の相場は1万円~3万円です。フローリングの場合は2万円〜3万円程度、費用を抑えたいのであれば床面を合板で仕上げると1万円〜2万円となります。
扉を取り付ける費用
階段下収納に扉を取り付ける場合は別途費用を発生します。収納場所に扉を取り付ける費用相場は2万円~4万円です。カーテン設置の場合は1万5千円~2万円、ドアタイプの場合は2万円〜4万円程度の費用がかかります。
扉を設置する場合は、収納場所の扉がほかのドアを干渉しないか、または危険性がないかなど、ドア開閉時の利便性も考慮して設置の検討をしましょう。
一方で、収納場所にあえて扉やカーテンを設置せずに、「見せる収納」として使うアイデアもあります。
しかし、収納する物のテイストや色、収納方法などに気を使わないとかえって雑多な印象を与えてしまいます。収納スペースとして見栄えの良さを重視する場合は、扉を設置することをおすすめします。
照明・棚を取り付ける費用
階段下収納の中に物がしまいやすいように棚を設置したり、収納した物を出し入れしやすいように照明器具を取り付けたりする工事もあります。
照明・棚の取り付け費用相場は2万円~3万円です。棚の取り付けにおいて、簡単な合板の場合は1万円~3万円ほどで、化粧板を使用する場合はさらに多くの費用がかかります。
照明器具設置工事は照明代+配線工事費で2万~3万円ほどかかります。
階段下をリフォームするときの注意点
階段下をリフォームする際には、いくつかの注意点があります。
ここでは安全に使いやすい階段下収納を作るために注意すべきポイントを紹介します。
階段の強度に気を付ける
階段は毎日何度も家族が登り降りする場所のため、階段自体の強度を落とさないよう気をつける必要があります。特に階段下の壁や内部にある筋交いは、家の強度を保つ重要な役割がありますので、むやみに撤去してしまうと階段の強度を低下させてしまうおそれがあります。
図面や現状などを確認しながら慎重に工事を進める必要があるため、必ずプロに依頼しましょう。
湿気対策をする
階段下は窓や換気口などがないため湿気が溜まりやすい場所になります。湿気対策をしておかないとカビが発生して人体に悪影響を及ぼしたり、収納している物を傷めたりする原因になります。
水分を吸収しやすい性質を持つ石こうボードなど、水分を吸着する壁紙で施工することにより湿気対策が可能です。
収納に使える面積は床面積の1/2まで
建築基準法では、一戸建てで小屋裏や床下など複数の場所に収納を作る際、その階の面積に対して2分の1以下にしなければならないと定められています。
そのため、小屋裏は階ごとの面積を合算し、その階の床面積の1/2以下になるよう設計されています。オーバーしてしまうと新たな階としてみなされ、固定資産税に影響するケースもあるため注意が必要です。
複数のリフォーム会社への見積もりをとる
リフォーム費用は、依頼する会社によって大きく異なります。信頼できる業者にリフォーム依頼するには、複数社に見積もりしてもらうことが大事です。
階段下収納のリフォームを検討している方は、「おうちの御用聞き家工房」へご相談ください。
「おうちの御用聞き家工房」なら、お家のリフォームに関して豊富な実績があり、研修を受講したスタッフが電話一本で最短即日にお伺いできる場合もあります。
まとめ
階段下の収納スペースを作る際は、階段の形状に合った方法で施工することが大切です。階段下収納のリフォームの注意点や業者選びのポイントは理解できたものの、自分だけで手配を進めるのが難しい、頼れるプロのアドバイスが欲しいという方は、専門業者に相談しましょう。