防草シートを敷く前に知っておきたいデメリット!解決策と選び方についても紹介

庭や敷地の雑草対策として防草シートを活用することは有効です。しかし市販されている防草シートはピンキリで、安易に価格で選んでしまうとデメリットばかりが目立つ結果になりかねません。また、いくら優良な製品であっても敷設方法を誤ると、思うような除草効果は得られないので注意が必要です。今回は防草シートのデメリットを踏まえて効果的な敷設方法を解説します。


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防草シートを利用する4つのデメリット


防草シートのデメリットとして挙げられるのは「選び方」「設置」「景観」「経年劣化」の4つです。

防草シートの選び方を間違うと雑草が生えやすい

防草シートの種類はさまざまです。価格の安さだけで選んでしまうと「遮光率が低い」「シートが薄い」など粗悪な品にあたる可能性があります。結果として雑草の成長を抑制できず、思うような除草効果が見込めなくなるのです。また、防草シートの中には「紫外線に弱い」「強い陽射しに向かない」などの欠点をもつものもあります。

施工方法が適切でないと雑草が生えやすい

防草シートによる雑草対策には「施工方法」も重要なポイントです。いくら高価な防草シートを使用しても、適切に設置しないと除草効果は見込めません。

例えば、シートの間に隙間ができてしまうと、その隙間から雑草が成長してしまいます。また、風も入り込みやすくなり、知らない間にシートがめくれ上がるという弊害もあります。このほか既存の雑草を処理せずにシートを敷く場合も雑草がシートを突き破ることがあります。

景観が良くない

防草シートは一般的に「黒色」の商品が多い傾向です。緑色や茶色の防草シートも販売されているものの、実際の木々や土と比較すると不自然な色合いに見えてしまい、景観が損なわれてしまいます。部分的な防草であれば多少の誤魔化しも効きますが、対象エリアが広大であるほど目立ちます。

経年劣化するので交換が必要になる

防草シートは長期間の使用により劣化するため、都度交換が必要になります。また、防草シートの寿命は価格や仕様環境によって異なり、基本的に紫外線に弱い特徴を持っています。

経年劣化から破れが生じると、その隙間から雑草が生えることもあります。破れが生じたらすぐに交換を検討することが大切です。劣化が激しいほど、シート交換にかかる労力が多くなります。

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防草シートのデメリットを回避する対策

防草シートにはいくつかのデメリットがあります。とはいえ事前にポイントを押さえておけば、十分な除草効果が見込めます。防草シートの特徴や種類を理解し、より効果的な除草に取り組みましょう。

防草シートを敷く前に下処理を完璧にする

防草シートを敷く際は下処理を行うことが大切です。

除草剤を散布する

はじめに除草剤を散布しましょう。除草剤にも種類があり、用途や場所によって適切に使いけることが求められます。

除草剤ごとの特徴を把握せずに使用すると、周辺の畑や田んぼの農作物に多大な影響を与えるので注意が必要です。また、土砂災害防止の観点から、地盤を安定させるために、あえて根を張り巡らせている土地もあります。土砂災害防止の観点からも、近隣の土地の状況や環境には充分に留意してください。

・茎葉処理型(液体タイプ)
茎葉処理型(液体タイプ)は「生えている草の処理」に有効です。使用する際は、雨が降らない数日~1週間程度の期間を設けましょう。雑草が薬剤を吸収するよう、葉や茎に満遍なく散布します。

・土壌処理型(粒剤タイプ)
土壌処理型(粒剤タイプ)は「これから生えてくる雑草」に有効です。「雑草を未然に予防する散布剤」と捉えましょう。土壌に薬剤を染み込ませ、その薬剤を雑草に吸わせて、雑草の内部から枯らしていくイメージです。そのため、薬剤が土壌まで届かず、雑草に直接かかる量が多いと、本来の効果を見込めなくなります。雑草があまりにも生い茂っている場合は、地面が見える程度まで除草してから散布しましょう。

根から引き抜く

雑草を引き抜く際は根っこまで引き抜くことが大切です。根っこまで引き抜いたつもりでも根が土に残っていると、そこから再度成長してしまいます。除草剤で枯らし、雑草の水分を抜くことで、より抜きやすくなるので試してみてください。

雑草の除去が済んだ後に、土壌処理型(粒剤タイプ)の除草剤を散布しておくと、より除草効果が期待できます。

防草シートは15センチ以上重ねて敷く

防草シートを複数枚、使用する際はシート同士を重ね合わせた箇所(重ね代)を10~15cmほど設けましょう。重ね代がないと、隙間から雑草が生えたり風に煽られてシートが剥がれたりします。また、シートは除草エリアより少し大きめの面積のものを選定しましょう。

小さなサイズを複数準備するより、大きなシートを少ない数で組み合わせた方が敷設作業の負担を軽減できます。

防草シートのつなぎ目をピンやテープで固定する

防草シートを敷く際は、杭ピンやテープを使ってつなぎ目を固定しましょう。杭ピンで固定する場合の間隔は「1㎡あたり5本以上」を目安とします。テープで固定する場合は、隙間ができないようきっちりと貼ることが重要です。

防草シートの上に砂利を敷く

防草シートの敷設後に、砂利を敷くのも効果的です。砂利を敷くと「景観の悪さの解消」「シートの固定」「紫外線からの劣化防止」に役立ちます。砂利のサイズは、やや大きめの5号程度のものを選びましょう。砂利以外にも「ウッドチップ」「人工芝」を使うことで、見栄えの良さにつながります。

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防草シートを選ぶときのポイント

より効果的な除草対策のためにも除草エリアにあった防草シートを選びましょう。

不織布のものを選ぶ

防草シートの素材には「織布」と「不織布」の2種類があります。

織布の防草シートは不織布よりも価格が安いものの「目が粗く雑草が生えやすい」「耐久性が低い」などのデメリットがあります。

一方で不織布の防草シートには「隙間が少ない」「紫外線を通しにくい」というメリットがあり、高価ではありますが、その分高い性能や耐久性を期待できます。

防草シートを選ぶ際にチェックするポイント

防草シートを選ぶ際には「4つのポイント」に注目し、除草エリアの規模や環境に適したものを敷設しましょう。

水はけのよさ

防草シートにおける「水はけのよさ」は、とくに意識したいポイントです。防草シートの水はけが悪いと、表面に水溜まりができ、シートの上に雑草が生えてしまいます。また、湿気が溜まりやすいためカビやコケ、ナメクジなどの発生といった、衛生面での悪影響も生じます。

防草シートには、傾斜地などでの「土砂崩れ防止」の用途で使われている「不透水タイプ」も存在しますので、水はけの項目を見逃さないよう注意しましょう。

遮光性

防草シートにおける「遮光性」も除草対策の効果に大きく影響します。遮光性が低いと雑草の光合成を抑制できないため、シートを敷設しても成長し続けてしまうのです。そのため、一般的には「厚手の黒いシート」が多く流通しています。

このほか折り目が細かく高密度なシートも遮光性を高めるために有効です。可能な限り、日光を完全に遮断できるシートを選ぶことが大切です。

耐久性

防草シートは屋外で敷設されるケースが多いため、年間を通して雨風や紫外線に晒される環境であることが一般的です。防草シートの耐久性は「直射日光の程度」「雨による浸透率」「風による土砂の摩擦」など、環境によって大きく異なります。

シートの耐久性に着目する際は「素材」「厚さ」「製法」を総合的に見比べることが大切です。

価格

防草シートの価格は2,000円~5,000円と幅が広く種類もさまざまです。価格だけを見て安価なものを選んでしまうと、商品そのものの使い勝手が良くない場合があります。まずは、防草シートの性能や特徴から厳選しましょう。

広範囲に敷設する際は、コストもかさんでしまいます。とはいえ、ある程度の品質が確保されている防草シートを前提に、予算に見合った製品を選ぶことが大切です。

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まとめ

防草シートは、商品選定や敷設方法を誤るとデメリットを被ることがあります。しかし、今回紹介したポイントを押さえて適切に敷設すれば、十分な除草効果を見込めます。このほか、頻回な交換作業の手間や除草エリアの広さに困っている場合は、プロに依頼するのもひとつの方法です。

おうちの御用聞き家工房なら、電話一本いただければ最短即日でお伺いできる場合もあります。 除草に限らず、家に関するお困りごとであれば、どんな些細なことでも相談を受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。