少しの水漏れでも1日放置すると使用量が膨大になる
1日どれくらいの水が消費されるのかは水漏れの度合いで変わってきます。水漏れの状態が深刻な場合は、当然メーターに加算される水の量は増加します。
目安として、ポタポタと断続的に水漏れしているときは、1日に換算するとだいたい30リットル近くが水漏れによって流れているといわれています。500mlのペットボトルに換算すると60本分の量です。
ポタポタよりも緩やかな感覚で、数秒おきに水漏れが起きているときの消費量は、目安として1日あたり約10リットルになります。500mlのペットボトルだと30本分に換算されます。
なお、水漏れ具合によっては、ポタポタでは済まず少量の水がスーッと断続的に流れていることもあるでしょう。この場合も目安ですが、1日あたり300リットルもの水が流れているといいます。
家庭用のバスタブの容量は200〜440リットル程度であるため、バスタブに換算すると0.75〜1.5杯分にもなるということです。
水漏れの放置で水道代の請求額が増える
水漏れがあると、通常の水道の使用量に加え、水漏れ分の使用量も加算されます。水漏れしているときの方が当然水道の使用量は増えますので、水道料金も通常使用分に上乗せされて請求されると考えられます。
実際にどのくらいの水道代が加算されるかは水の消費量でも変わるほか、水道料金を徴収する自治体でも異なります。気になる方は、お住まいの自治体で水道料金の料金表などを見てご確認ください。
なお、今回は、東京都(東京都水道局)を例に、どれくらいの水道料金が加算されるのか試算していきます。前提条件は次のとおりです。
【前提条件】
※下水道のない自治体では下水道料金の徴収はありません。2.今回の試算では通常使用で1ヶ月15m³使用していると仮定
※東京都水道局によると1ヶ月あたりの平均使用水量は1人暮らしで8.1m³、2人暮らしで14.9m³のため3.呼び径は今回20㎜と仮定
※呼び径は一般家庭で13mm(蛇口1~4個)~25mm(蛇口14個以上)が標準のため4.すでに15m³使用している前提のため、水道料金の従量料金は、11m³~20m³(1m³につき128円)、21m³~30m³(1m³につき163円)を参考に試算
5.下水道料金は、一般汚物の9m³~20m³(1m³につき110円)、21m³~30m³
(1m³につき140円)を参考に計算
【東京都を例にしたパターン別の加算される水道料金の試算】
10リットル=0.01m³
上水道料金:0.01×128円=1.28円 1ヶ月(30日)だと38.4円
下水道料金:0.01×110円=1.1円 1ヶ月(30日)だと33円
合計:1.28+1.1=2.38円 1ヶ月(30日)だと71.4円2.1日の水漏れ30リットルの場合
30リットル=0.03m³
上水道料金:0.03×128円=3.84円 1ヶ月(30日)だと115.2円
下水道料金:0.03×110円=3.3円 1ヶ月(30日)だと99円
合計:3.84+3.3=7.14円 1ヶ月(30日)だと214.2円3.1日の水漏れ300リットルの場合
300リットル=0.3m³
上水道料金:0.3×128円=38.4円(または0.3×163円=48.9円)
1ヶ月(30日)だと1,292円
└内訳 0.3×30=9m³ 5m³×128円=640円 4m³×163円=652円
下水道料金:0.3×110円=33円(または0.3×140=42円) 1ヶ月(30日)だと1,110円
└内訳 0.3×30=9m³ 5m³×110円=550円 4m³×140円=560円
合計:20m³まで38.4+33=71.4(21m³から48.9+42=90.9) 1ヶ月(30日)だと2,402円
参考:もっと知りたい「水道」のこと|東京都水道局
参考:水道料金・下水道料金の計算方法(23区)|東京都水道局
水漏れした場合の対処法は?
水漏れの程度によるものの、水漏れが続くと水道代も加算され続けていきます。少量の水漏れであればそこまで気にならないかもしれませんが、使用料以上の水道代を増やさないためにも早急に対処したいものです。ここでは、パターン別に水漏れの対処法を紹介します。
蛇口から水漏れしている場合
蛇口の水漏れは、パイプの先から水漏れが起きているか、接続部で水漏れが起きているかで対処法が異なります。どの部分から水漏れしているのかをしっかりと確認しましょう。
まず、ハンドルの根元やパイプの根元から水漏れしているときは、パッキンに破損や劣化が生じている可能性があります。パッキンの寿命である場合は、交換が必要です。
また、ハンドルタイプの蛇口の場合は、ナットが緩んでいる可能性もあります。ナットの緩みが原因であれば、通常締め直すことで解決します。
パイプの先から水漏れが起きているときは、ケレップやバブルカートリッジの劣化の可能性があります。こちらも適合する製品を見つけることができれば交換による対応が可能です。
ただし、蛇口の傷み具合によっては部品の交換では解決に至らず、本体ごとの交換が必要になるケースもあります。
給湯器から水漏れしている場合
給湯器も水漏れしている箇所で対処法が異なります。給湯器本体のすぐ下か配管の途中に水抜き栓といわれる部分がありますが、この水抜き栓から水漏れしているときはしばらく様子を見ても大丈夫でしょう。
というのも、水抜き栓は減圧するために水を排出させる部分であり、水抜き栓からであれば通常の動作で水漏れしていることがあるためです。ただし、水が出続けていて止まらない場合は故障の可能性もあります。
給湯器の本体や、給水・給湯配管から水漏れしているときは劣化などの可能性があります。水漏れで不完全燃焼が起こると一酸化炭素中毒などの危険性があるため、早急な修理や交換が必要です。
給湯器の水漏れについては以下の記事で詳細を解説していますのでご参照ください。
水漏れを原因とした高額な請求は減免できることもある
水漏れしていても、原則はメーター計測分が請求対象です。しかし、人目に触れないような場所で水漏れしていて気付かなかった場合や自然災害による水漏れだった場合等は水道代の減免を受けられる可能性があります。
自治体ごとに対応は異なるため、減免を受けられる可能性があるときは自治体に確認されると良いです。ただし、減免の条件は厳しく簡単に利用できるものではありません。自治体に確認して、減免を受けられるようであれば、水道局に連絡し申請書を提出します。
状況によっては修理交換を検討する
蛇口の劣化や給湯器の故障などが原因で水漏れしているときは、本体の修理や交換が必要になります。紹介した方法でも水漏れが直らないようであれば、自力で解決するのは難しいかもしれません。
また、一部品の交換においても特殊な工具が必要であったり、自分で交換するとかえって状況が悪くなることがあります。自力での交換に不安があるときも修理業者への依頼がおすすめです。
おうちの御用聞き家工房では、水回りのトラブルを始め、ハウスクリーニングやお庭の手入れなどの小さなお困りごとから大きなものまで、幅広くご自宅のトラブル解決に対応しています。お困りの際は、ぜひおうちの御用聞き家工房へご相談ください。
まとめ
水漏れが発生していると1日放置しただけでも水道代が加算されていきます。まずは水漏れの箇所を確認し、必要に応じて早めの修理を依頼するなどの対策を取りましょう。