トイレ手すりの最適な位置は?使いやすい種類と位置決めのポイント

年齢とともに足腰が弱くなったり、介護が必要な体になったりすると、日常動作にも支障がでるようになります。中でも、狭い空間で立ち座りの動作を必要とするトイレは体のバランスが崩れやすく危険です。こうした将来に備えて、トイレに手すりを設置しておけば安全性が高まります。 この記事ではトイレ用の手すりの種類や選び方、取り付け位置などについて紹介します。年齢が心配な方だけでなく、介護をされる方も参考にしてみてください。


この記事は約8分で読み終わります。

トイレ手すりの種類と特徴

足腰が弱い、体が不自由、妊娠中など体に不安がある場合、トイレの手すりは非常に心強い味方となってくれます。立ち座りや移動が大変でも、手すりがあれば体の負担を和らげることができるでしょう。

そんなトイレ用の手すりには、さまざまな種類があるので、それぞれの特徴について紹介します。

I型タイプ

I型タイプの手すりは縦手すりとも呼ばれているタイプです。床面に対して垂直に設置されており、立っているときの姿勢を安定させたり、座るときの支えになったりします。

ただし、トイレで立ち上がるときには腕の筋肉が必要です。介護が必要な方が立ち上がるときの補助として手すりを使う場合は、I型タイプよりも後述するL型タイプの方が向いています。

L型タイプ

L型タイプはI型タイプと水平タイプの両方の機能を備えています。立ち座りの動作や姿勢が安定するため、身体の状態に合わせて使いやすいタイプです。

L型タイプの手すりには右用と左用があります。選ぶときや設置するときには注意が必要です。また、トイレットペーパーのホルダーやウォシュレットのリモコンと干渉しやすく、取り付けにくい場合もあります。設置時には、それぞれの使用時に干渉しないよう配慮しましょう。

水平タイプ

水平タイプは横手すりとも呼ばれており、地面と平行に横1本で設置された手すりです。手すりを掴みながら水平に移動できるほか、肘をついて座った状態で体を安定させることもできます。

ただし、壁から遠すぎると重心がかけにくくなり、バランスが取りづらくなるため注意が必要です。

ハンドグリップタイプ

トイレに十分なスペースが無くても設置できる、コンパクトな手すりです。角の部分も握りやすく、座った姿勢を維持するのにも役立ちます。また、棚タイプの手すりと併用することで、さらに安定性を高めることもできるでしょう。

可動式タイプ

可動式タイプは必要なときのみ出して使える手すりです。手すりを使わないときは跳ね上げておくか、もしくは壁側に畳んで収納できます。

このタイプは手すりを収納するスペースが必要となるため、トイレ全体で広いスペースが必要です。

そのほかのタイプ

トイレ用の手すりにはこのほかにも、体を引き寄せやすい波型タイプの手すりや、便器正面、扉の近くに付ける手すりなどが存在します。

目次へ

トイレ手すりの最適な位置・高さ

トイレに手すりを取り付けると、体を安定させたり、転倒のリスクを減らしたりする効果が期待できます。しかし、それは手すりを適切な位置に取り付けた場合の話です。適当に手すりを取り付けると、かえって負担が増えてしまったり、使いにくくなったりしてしまいます。

手すりの種類によって最適な取り付け位置は違ってきます。手すりを設置する際は手すりの種類ごとの取り付け位置目安を確認しましょう。ここでは手すりの種類ごとに、適切な取り付け位置をまとめました。

I型タイプ:トイレ出入口付近

立った姿勢を安定させられるI型タイプは、扉の開け閉めの支えとなるようトイレの出入口付近への設置がおすすめです。手すりが肩よりも上にくるよう設置し、長さは500mmあれば十分です。

L型タイプ:トイレ横

便座の立ち座りに便利なL型タイプはトイレの横に設置しましょう。縦の部分は便器から200〜300mm離れた距離に、横の部分は便座の220mm〜300mm上に設置します。縦部分は800mm、横部分は600mmが理想です。こうすることで、ペーパーホルダーやウォシュレットのリモコンと干渉しにくくなります。

水平タイプ:トイレ正面

トイレのすぐ正面に壁があると、L型タイプの手すりが設置できない可能性があります。この場合は壁の正面に水平タイプの手すりを設置し、両手で掴めるようにすると安全です。

ハンドグリップタイプ:ペーパーホルダーの上

ハンドグリップタイプの手すりは、ペーパーホルダーの上への設置がおすすめです。手が届きやすく、立ち座りのタイミングや座っている状態での姿勢を維持しやすくなります。

可動式タイプ:便器の中心から手すりの芯まで350mm

可動式タイプの場合は、便器の中心から手すりの芯までが350mmの位置となるよう設置すると使いやすくなります。トイレの中央に便器を設置してしまうと、壁に設置した手すりが届かなくなるほか、介助スペースも確保しにくくなるため注意しましょう。

目次へ

トイレ手すり取り付けのポイントと注意点

手すりの種類や取り付け位置以外にも設置時に確認しておくべきポイントがあります。ここでは手すりを取り付ける際のポイントや注意点をご紹介します。

取り付け場所の強度

手すりを取り付ける場合、トイレの壁に十分な強度が必要です。例えば、壁紙の貼ってある壁は石膏でできているため、やみくもにネジで固定すると壁の中身が崩れてしまいます。

こうした壁の中には柱や間柱が隠れているため、その位置に合わせて固定しなければなりません。また、柱や間柱がちょうど良い位置に無い場合は、補強板を利用して固定します。

取り付け位置の壁に強度が無いと事故やケガの原因になるので危険です。手すりは体重を支えるものなので、しっかりと固定できる場所に設置しましょう。

手すりの材質と太さ

手すりの主な材質には木、ステンレス、プラスチックなどがあります。素材は好みで選べますが、握ったときに持ちやすく、滑りにくい手すりを選ぶのがおすすめです。

手すりの握りやすさには太さも関わってきます。一般的に握りやすいサイズは直径28mm〜35mmといわれていますが、使う人の手の大きさや握力によって、使いやすいサイズも変わってきます。手すりは使う人が利用しやすいような材質や太さを選びましょう。

表面にディンプル(デコボコの加工)が付いていて滑りにくいものを選ぶのもおすすめです。使う人がリウマチなどで握る動作が難しい場合は、手やひじを載せて移動できる、断面が楕円形の手すりを選ぶのも良いでしょう。

使う人の動線

手すりの種類や取り付け位置を決める際には、使う人がトイレの中でどう動くかを考えましょう。水平移動するのか、立ち座りするのか、中腰になるかといった生活の動きを意識して設置場所を決めれば、より使いやすい配置になります。

実際に使用する人に同席してもらい、使いやすいと感じる位置に手すりを据え付けるのが理想です。実際に見本の手すりを取り付けて握ってもらい、使いやすいか確認しましょう。入院中などで本人の同席が難しい場合は施工業者やケアマネージャーに相談してみましょう。

業者にトイレ手すりの取り付けを依頼する際にかかる費用相場

業者にトイレの手すり設置を依頼する場合は「手すりの本体代金」と「工事費用」を合わせた金額が必要経費になります。一般的には2つ合わせて3〜10万円ですが、これは1か所のみに設置する場合の金額です。複数の手すりを設置する場合、追加の費用がかかります。

また、トイレの壁の強度が足りない場合は補強工事分の費用が別途請求されることになります。さらに手すりだけでは使用する人の補助にならない場合、トイレ全体の改装や拡張工事も検討しましょう。

トイレ手すりの取り付けは助成金が受け取れる

介助に必要な手すりを取り付けると、介護保険制度のひとつである「高齢者住宅改修費用助成制度」を利用して、助成金を受け取ることができます。対象者は、自治体から要介護1・2もしくは要支援1から5の介護認定を受けている介護保険被保険者であり、被保険者証に記載の住所にある自宅のリフォームが対象です。

改修にかかった費用の9割が補助金として支給されますが、被保険者1人につき改修費用の補助金上限額は20万円となっています。被保険者1人につき、補助金が支給されるのは原則として1回のみです。

助成金制度を利用してトイレに手すりを取り付けるには工事前に自治体窓口への申請が必要です。介護状況に合っているかどうかの審査が通ったら着工許可通知を受け取り、工事を開始します。工事が完了したら自治体窓口へ「住宅改修完了報告書」を提出すると、翌月に振り込まれます。

要介護認定を受けていないと、この助成金制度は利用できません。介護認定を受けていない場合、先に要介護認定の手続きを行いましょう。手続きから介護判定まで1ヶ月ほどかかるため早めの手続きが必要です。

トイレ手すりの取り付けは「おうちの御用聞き家工房」におまかせ!

トイレに手すりを設置するなら、おうちの御用聞き家工房にお任せください。トイレ用手すりの取り付けはもちろん、ウォシュレット便座への交換や、トイレ全体のリフォームも承っております。

おうちの御用聞き家工房では、お客様のおうちに関するお悩みのヒアリングに重点をおいています。お客様からお困りごとの詳細や要望を聞かせていただくことで、ご要望に沿った解決方法を提案することが可能です。

また、おうちの御用聞き工房では、電話一本で最短即日お伺いできる場合もあります。おうちのお困りごとがありましたら、ぜひおうちの御用聞き家工房にご依頼ください。

目次へ

まとめ

トイレ用の手すりにはさまざまな種類があり、それぞれ動作の補助や姿勢の安定などの役割があります。トイレ用の手すりを設置する際には取り付け位置と高さに注意が必要です。使用する手すりの種類に合わせて、取り付ける位置を十分に検討しましょう。