お風呂場の排水管のつまりは自分でも解消できる?原因と対策を紹介

お風呂場の排水溝がつまってしまい、水の流れが悪くなってしまったということはないでしょうか。さっぱりと気持ちよくお風呂を使いたいのに、お風呂の水が流れなくなってしまうと困ってしまいます。 今回は、排水溝がつまってしまう原因と自分でできる排水溝のつまりの直し方についてお話しします。また、どうしても排水溝のつまりが直らない場合にできる対処法についても書いていますので、チェックしてみてください。


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お風呂場の排水溝がつまる原因

排水溝がつまってしまうときには、いくつかの原因が考えられます。どのような原因でつまってしまうのかについて、詳しくみていきましょう。

髪の毛

排水溝のつまりの原因として、もっとも多いのが髪の毛によるものです。人の髪の毛は、性別・年齢にかかわらず、1日に50本~60本ほどが自然に抜けています。抜けた髪の毛は、かならず地面に落ちるとは限らず、ほかの毛にくっついて落ちないままになっていることも多いです。

そして、落ちないまま頭部に留まっていた髪の毛が、シャンプーをしたときに排水溝に流れていきます。シャンプーのときには、意外とたくさんの髪の毛が流れている可能性が高いです。また、長い髪の毛は特に排水溝つまりの原因になりやすいでしょう。

石鹸などの残りカス

石鹸やボディーソープ、シャンプーなどを、洗い流したときにできる残りカスは、非常に細かいものです。お風呂場で、お湯と一緒に流れていくだけなのに、なぜ排水溝のつまりの原因になるのか不思議に感じるでしょう。

しかし、残りカスが排水溝の中で蓄積されていけば、大きな塊になり、つまりの原因になっていきます。気付かないうちに排水溝の中に、物がつまったり、髪の毛がつまったりしている場合があります。

そして、排水溝の中につまっている物や髪の毛に残りカスが付着していくと、だんだんと大きな塊になって、排水溝がつまってしまいます。

皮脂・垢

シャンプーをしたときや体を洗ったときには、洗剤と一緒に、皮脂や垢も排水溝へ流れていっています。排水溝へ流れていった皮脂や垢などが、排水管の内側にこびりついて蓄積されていき、つまりの原因となることがあります。

一人暮らしの人や入浴回数が少ない人は、皮脂や垢が原因で、排水溝がつまるということはあまりないでしょう。

しかし、大家族でお風呂場をよく使用する場合は、皮脂や垢が原因で、頻繁に排水溝のつまりが起こってしまうこともあります。

ゴミや異物

故意に排水溝にゴミを流すことはないと思いますが、うっかり流してしまったヘアゴムやヘアピン、バスグッズの包装、カミソリの刃などのゴミや異物が原因で排水溝が詰まってしまうこともあります。

流してしまったゴミや異物が小さいと、「これくらいなら良いか」「そのうち流れていくだろう」と思う人もいるでしょう。

しかし、ゴミや異物がうまく流れていくとは限りません。ゴミや異物が排水溝内に留まってしまい、そこに髪の毛や石鹼カス、皮脂などがくっついていって大きな塊になった結果、排水溝をつまらせる可能性があります。

また、小さな子どもがいる場合は、子どもがうっかりおもちゃを流してしまったり、イタズラで異物を流してしまったりしていることがあります。

おもちゃや異物が排水管にピッタリはまってしまうと排水溝が詰まるだけでなく、取り除くのにもかなり苦労するでしょう。

シャンプーやコンディショナー、化粧品などには、もともと油分が含まれている場合があります。その油分が排水管の中に付着し、そこへ髪の毛や汚れがたまって、排水溝がつまってしまうことも考えられます。

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お風呂場の排水溝の仕組み

ここまでに解説したとおり、お風呂の排水溝のつまりの原因は、髪の毛や石鹸カス、異物などさまざまです。

そのため、排水溝がつまったときには、排水溝のどの部分で何がつまっているのかを探る必要がありますが、排水溝の構造が理解できていないと原因の特定やつまりの解消ができません。

ここでは一般的なお風呂場の排水溝の仕組みについて解説しますので、お風呂場の排水溝のつまりで困っている人は参考にしてみてください。

排水溝の構造

キッチンや洗面所の排水溝はひとつだけですが、お風呂場には浴槽内と洗い場の2カ所に排水溝があります。一見するとそれぞれが独立しているように見えますが、実はふたつの排水溝は独立した設備ではありません。

お風呂の床下で浴槽内の排水栓から出ている排水管が洗い場の排水管に接続されており、最終的にひとつの排水管となって水が流れていきます。

こう説明すると、床下で一直線に排水管が伸びているイメージを持つかもしれませんが、実際には部分的にカーブしており、内部に水が溜まる構造になっています。

これは「排水トラップ」といって、あえて排水管のなかに水が残るようにすることで、悪臭や害虫が室内に侵入することを防ぐ役割を持つものです。キッチンなどの排水溝の排水トラップは、排水管のS字やP字カーブ部分に水が溜まる構造になっています。

一方お風呂の排水トラップは、キッチンなどとは違って床下のスペースがせまいため、パーツが多い椀型やドラム型の排水トラップが使われているのが一般的です。このようにお風呂場の排水溝は複雑な構造になっているため、つまりが発生しやすいのです。

汚れが溜まりやすい箇所

お風呂場の排水溝でとくに汚れが溜まりやすい箇所は、「浴槽内の排水栓」「洗い場の排水口」「排水管内の排水トラップ」「排水管」です。

浴槽内の排水栓はお湯や皮脂、髪の毛などが直接流れていく場所であり、カバーなどがないため異物が流れ込みやすくなっています。

その他の箇所もシャンプーやトリートメント、髪の毛などが流れてくる場所、長時間水が溜まっている場所で掃除もしづらいので、汚れが溜まりやすくつまりが発生しやすい場所です。

浴槽内の排水栓や洗い場の排水口のつまりであれば、比較的解消しやすいのですが、排水トラップや排水管などの奥まった箇所につまりが発生すると解消しにくくなります。

初めから排水トラップや排水管の内部でつまりが発生した場合はどうしようもありませんが、もし浴槽内の排水栓や洗い場の排水口のなかでつまりが発生していたら、つまりの原因がそれ以上奥に入り込んでしまう前に取り除くようにしましょう。

一戸建ては排水桝にも注意

排水枡(はいすいます)とは、住宅から出た排水や汚水を排水管へ流すときに、ゴミなどが排水管へ流れないようにするための桝です。排水管が合流する箇所や曲がっている箇所、勾配が変わる箇所などに設置されています。一戸建てには排水桝がありますが、野外の地中に設置されているため、気づかない人も多いでしょう。

お風呂場の排水には、皮脂汚れや石鹸カス、髪の毛などが含まれています。トイレやキッチンなどから出た排水と合わせて排水枡に流れるため、排水桝が詰まっているケースもあります。

使用年数が長くなるにつれ汚れも蓄積します。排水桝のメンテナンスは、少なくとも1年に1回程度行うようにしましょう。

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自宅でもできる排水溝のつまりの直し方

自分で直せそうなくらいの排水溝のつまりなら、できれば自分で解消できたらいいですよね。そこで、排水溝がつまってしまったときに、自分でできる排水溝のつまりの直し方をみてみましょう。

1.必要なものを用意する

排水溝のつまりを解消するときには、水に濡れたり手が汚れたりします。途中で離れるのが大変なので、作業を始める前に必要な道具をすべて揃えておきましょう。つまり解消の基本の道具は、以下の4種類です。

・ゴム手袋
・スポンジ
・歯ブラシ
・取り除いたゴミ・異物を入れるビニール袋

排水溝周りは汚れていることが多いので、直接触らずに済むようゴム手袋を用意しておくと安心です。

つまりの原因になっている汚れを掃除するために、掃除用のスポンジと細かい部分を磨くための歯ブラシも用意しておきます。取り除いたゴミや異物も汚れている可能性が高いので、ゴミ袋も用意しておきましょう。

また、排水管の内部でつまりが発生している場合はスポンジや歯ブラシだけではつまりが解消できないことがあるので、必要に応じて以下のようなものも用意しておくのがおすすめです。

・パイプクリーナー、重曹、お酢など
・ワイヤーハンガー、ワイヤーブラシ
・ラバーカップ

パイプクリーナーや重曹、お酢などは、髪の毛や石鹸カスなどの汚れを浮かせたり、溶かしたりする効果があるのでつまりの解消に役立ちます。

ワイヤーハンガーやワイヤーブラシは排水管の奥まで差し込めるので、汚れの塊を直接取り除くことが可能です。ラバーカップはトイレがつまったときに使うものと同じで、つまりの原因になっている汚れや異物を吸い出してくれます。

2.つまりの原因を確認する

一般的な排水口であれば、上から「1.排水口カバー」→「2.ヘアキャッチャー」→「3.排水トラップ」の構造になっています。まずは、この3つの部品を外して、水が流れていくか確認してみましょう。

3つの部品を外して水が流れた場合は、ヘアキャッチャー(ゴミ受け)にあるゴミや、部品の汚れがつまりの原因です。3つの部品をきれいに掃除すれば、排水溝のつまりを解消できます。

それでも、つまりが直らない場合は、排水管の中に原因があることが考えられます。お風呂を使ったあと、ヘアキャッチャーにある髪の毛やゴミを、こまめに処理するだけでも、排水溝のつまりを防ぐことができます。

また、お風呂場のつまりを避けるために、週に1回は、排水口カバー・ヘアキャッチャー・排水トラップの3つの部品を外して、掃除するようにしましょう。

3.薬剤で排水管の中を掃除する

排水管の中につまりの原因があることが分かったら、排水管の中をきれいにしてみましょう。市販のパイプクリーナーや重曹、お酢を使えば、手軽に排水管の掃除ができます。

パイプクリーナーを使う場合

1. 排水口カバー、ヘアキャッチャー、排水トラップを外す
2. 排水溝にある水がなくなったかを確認する
3. 排水管の内側に薬剤がかかるようにしながら、パイプクリーナーを流しいれる
4. 決められた時間、放置する
5. 排水口から水もしくはお湯を流して、排水管の汚れを流す

「排水溝に水がなくなったか」を確認してから、薬剤を流しいれるようにしましょう。排水管に水が残っていると薬剤が薄まってしまう、排水管の奥まで届かない場合があるので注意してください。

また、パイプクリーナーは、商品によって放置時間が異なります。決められた時間以上放置しておくと、一度溶かした汚れが、また固まってしまう場合もあるので、放置時間は守るようにしましょう。

重曹・お酢を使う場合

1. 重曹とお酢を「1:2」の割合で用意する
2. 重曹を排水口に振りかけ、その上から、お酢をかける
3. 1時間ほど放置する
4. 排水口からお湯をかけて、汚れを洗い流す

市販のパイプクリーナーや重曹は、ドラッグストアなどで購入できます。市販のパイプクリーナーや重曹、お酢を使って排水管を掃除すると、排水溝のぬめりや悪臭も解消できるでしょう。

4.物理的に排水管の汚れをかき出す

家庭にあるワイヤーハンガーを使って、汚れをかき出す方法もあります。手順は次のとおりです。

1.ワイヤーハンガーのフックの根元をカットして、まっすぐに伸ばす
2.洗い場の排水口からワイヤーハンガーを差し込む
3.できるだけ奥まで差し込んで、排水管内部を削り取るようにして動かす

ワイヤーハンガーは直接汚れを掻き出せるので、パイプクリーナーや重曹などでは取り除けなかったつまりでも解消できる可能性があります。

ただし、汚れが固まっていたり異物が排水管内にピッタリはまってしまっていたりすると、この方法でもつまりを解消できないかもしれません。無理に動かすと排水溝を傷める恐れがあるので注意しましょう。

ワイヤーブラシを使う場合

排水管の汚れを取る場合は、ワイヤーブラシを使うのもひとつの方法です。

ワイヤーブラシとは、ワイヤーの先端にブラシが付いている掃除道具で、排水管の汚れをこすり落とすために使われます。固形物の除去はできないので注意しましょう。ワイヤーブラシを使う手順は、次のとおりです。

1.ふたなどを外し、ワイヤーブラシを排水溝に差し込む
2.詰まりにぶつかるまで、ブラシを奥に進める
3.ワイヤーブラシを上下、回転させてつまりをこすり落とす
4.水を流してつまりが解消したことを確認する

5.ラバーカップを使う

市販のパイプクリーナーや重曹、お酢を使って掃除してみても、排水溝の流れがよくならない場合は、ラバーカップを使ってみます。

ラバーカップは、トイレがつまったときに使われる道具ですが、お風呂場でも使用できます。
ラバーカップを使えば、お風呂場の排水溝につまった固形物などを一気に処理できるでしょう。

トイレで使ったものを、お風呂場で使うのは抵抗がある場合、ラバーカップを新しく購入する必要があります。もしも、新しく購入する場合は、ゴム部分のサイズが、お風呂場の排水口のサイズに合っているか確認しましょう。

パイプクリーナーや重曹、お酢を使って掃除しても、排水溝のつまりが改善しない場合には、この方法を試してみるのがおすすめです。

6.高圧洗浄機を使う

高圧洗浄機がある家庭ならば、高圧洗浄機を使ってつまりを解消する方法もありますホースを使って、高圧の水を排水管内に噴射し、汚れを落としてつまりを直します。

最も効果的な方法ですが、洗管ホースは業者専用の道具で市販されていないため、道具を揃えるのが難点です。

排水桝がある場合は、排水桝からホースを入れて高圧洗浄を行うのが一般的です。集合住宅では、管理会社が定期的に高圧洗浄を実施することもありますが、一戸建てでは自分で手配する必要があります。

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排水溝のつまりを直すときのポイントと注意点

これまで紹介したとおり、排水溝のつまりはある程度自分で対処できますが、つまりを確実に解消するにはポイントを押さえておく必要があります。

自分で排水溝のつまりを解消するときに心掛けたいポイントや、薬剤を使うときの注意点を解説しますので、作業を始める前にチェックしてみてください。

原因に応じた方法で掃除する

排水溝のつまりを解消するときには、つまりの原因に応じた方法で掃除することが重要です。

たとえば髪の毛が原因で排水溝がつまっている場合は、タンパク質を溶かす性質があるパイプクリーナーを使うと良いでしょう。使用中は浴室内に薬剤の臭気がこもらないように、しっかり換気してください。

皮脂や垢などの汚れは弱酸性なので、アルカリ性の重曹を使うときれいになります。反対に、石鹸カスはアルカリ性の汚れなので、お酢などの酸性のものを使うのが有効です。

ゴミや異物がつまってしまっている場合は、ラバーカップで吸い出せないか試してみましょう。それでも取れない場合は、早めに業者に依頼するのがおすすめです。

ワイヤーハンガーなどを使って無理にゴミや異物を取り出そうとすると、反対に奥の方に押しやってしまい事態を悪化させてしまう恐れがあります。

薬剤を使用するときは注意する

液体や錠剤のパイプクリーナーは、ドラッグストアやホームセンターなどで購入でき、簡単に使用できます。パイプクリーナーは薬剤であり、ほかの薬品と混ぜると有毒ガスが発生するものもあるので、扱いに注意が必要です。

窓を開けるなどして、薬剤から揮発したガスが室内に充満しないよう注意しましょう。肌に付着すると悪影響を及ぼす可能性があるため、ゴム手袋などを使うことが大切です。

パイプクリーナーは、説明書をよく読んでから使用しましょう。

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こまめな掃除で排水溝のつまりを予防しよう

排水溝が詰まったときの対処法を知っておくのはもちろん、普段のこまめな掃除で排水溝をつまらせないことも重要です。面倒で後回しにしてしまう方も多いですが、掃除をしないと汚れがどんどん溜まってしまいます。

排水溝の詰まりを予防するための掃除方法を見ていきましょう。

ヘアキャッチャーやごみ取りシートで予防する

排水溝にヘアキャッチャーやゴミ取りシートを取り付けておくと、つまりの原因が排水管に流れるのをある程度防げます。

ヘアキャッチャーは、中心にゴミが自然にまとまる形状をしている商品が便利です。ゴミがたまったら、こまめに掃除しましょう。ヘアキャッチャーにネットをかぶせておくと、ゴミがすぐに捨てられるのでおすすめです。

排水口用のゴミ取りシートは使い捨てタイプなので、髪の毛などのゴミが溜まったら新しいシートに取り替えましょう。

パイプクリーナーを使う

パイプクリーナーを使って、排水溝や排水管を定期的に掃除するのも効果的です。排水管にこびりついた汚れを除去できます。使用頻度は、月に1回から2回が目安です。

パイプクリーナーの代わりに、重曹とお酢を使っても効果が期待できます。重曹とお酢を1対2の割合で用意し、重曹を排水溝にふりかけたら、上からお酢を少しずつかけて行きます。1時間ほど経ったら、お湯で流しましょう。

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どうしても排水溝のつまりが直らない場合は?

自分でできる対処法を試してみても、排水溝のつまりが直らない場合は、業者に依頼して直してもらう必要があります。

排水溝の入り口が詰まっている場合は自分で対処できるかもしれません。しかし、排水管の奥深くにつまりの原因がある場合、どのようにつまっているのかを確認して対処することは難しいでしょう。

おうちの御用聞き家工房では、排水溝のつまりをはじめとした、お家の困りごとに対応しています。たとえ急なご依頼であっても、電話一本いただければ、最短で即日対応が可能です。

家工房のホームページには、いままでにお受けした「お家の困りごと」に対する実績も紹介しています。当店なら、排水溝のつまりのお悩みについても実績豊富ですので、安心してお任せください。

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まとめ

排水溝がつまらないようにするために、日頃からこまめな掃除が大切です。

市販のパイプクリーナーや重曹、お酢を使っての掃除は、手軽でやりやすいので、排水口のぬめりや臭いが気になったら試してみてください。

排水溝の奥深くにこびりついてしまった残りカスの塊や髪の毛、つまった固形物などは自分でどうすることもできません。自分で対処できない場合は、業者に頼むようにしたほうが、スムーズに解決できるでしょう。