屋根の水切り板金の種類
屋根には、水切りが不可欠です。水切りがあることで、自宅に雨水が侵入するのを防ぎ、建物自体を長持ちさせることにつながります。
屋根には、取り付け場所ごとに主に5種類の水切りが使用されています。すべての水切りが屋根の排水にとって欠かせないものです。ここでは、それぞれの水切りがある場所とその効果を解説します。
谷板金の水切り
谷とは屋根面と屋根面のつなぎ部分のことです。この谷部分に板金を設置して水切りをつくることで、屋根上の雨水を集められます。谷板金の水切りに集められた雨水が下に流れ、雨樋などを通って地上に排水されるのです。
谷板金の水切りがあることで、雨水がスムーズに排出されるので、屋根に水が溜まりにくくなります。
ケラバ捨て水切り
ケラバとは、屋根の側面にある外壁から突き出た部分のことを指します。軒の一部で、雨水が外壁に当たるのを防ぐはたらきをしているものです。
また、ケラバの水切りを取り付けることで、瓦と瓦の間への浸水を防げます。瓦と瓦の間に浸水すると屋根の下地が劣化してしまうおそれがあるので、住宅にとって大きな役割を果たす水切りです。
雨押えの水切り
雨押えは、屋根と壁の立ち上がり部分のことを指します。雨押えの水切りを取り付けることで、壁をつたって流れてきた雨水の屋根内への侵入を防ぐことが可能です。
屋根の内部に水が入ると、雨漏りや屋根の下地の劣化につながるため、雨押えの水切りによって適切に雨水を排水することが必要となります。
関連記事:「「雨漏りの原因がわからない!」5つの原因と見つけ方を紹介!」
壁止まりの水切り
壁止まりとは、屋根と壁が隣接している軒先部分のことです。壁止まりに水切りを取り付けることで、屋根と壁の隙間から入った雨水を排出できます。
雨水の侵入を防ぐのが難しい部分ですが、浸水しても水切りで排水することでより内部への浸水を防いでいるのです。
軒先水切り
軒先とは、屋根の先端のうち、壁より外にはみ出している部分のことです。ここに水切りを取りつけると、瓦の下にあるルーフィングという防水紙に流れ込んだ雨水を排出できます。
屋根の上に溜まった雨水は最終的に軒先に集まるので、劣化しやすい部分です。板金を取り付けることで、集まった雨水が軒樋を通して地上に流れます。
【要チェック】補修・メンテナンスが必要な劣化症状
屋根の水切りは、日光や雨風、雪などに晒され続けるので、時間が経つと劣化します。劣化を放置すると基礎にも影響するので、以下の症状があればメンテナンスを検討しましょう。
水切りに色褪せや錆がみられる
水切り板金は金属なので錆びやすいのが特徴です。錆びているのを放置すると、穴が空いてしまうおそれがあります。穴が空くと正常に雨水が流れなくなり、トラブルにつながりかねません。
小さい穴なら補修もできますが、放置することで穴が広がった場合は崩れてしまうリスクもあります。
また、板金部分の色褪せがみられたら、塗膜保護が劣化している証拠です。そのまま放置すると錆につながりやすくなります。
板金は金属であることから、いつかは錆びてしまいます。メンテナンスをしっかり行えば劣化を遅らせることもできるため、こまめに点検しましょう。
水切りが歪んでいる
水切り板金は薄く、歪んだり凹んだりしやすいのが難点です。風が強い日に風にあおられたり、飛んできた物がぶつかったりすると簡単に変形してしまいます。また、凹みによって板金が傷つくと、その部分から錆びてしまうことも多いので、注意が必要です。
水切りが歪んでいると正しく雨水を排出できないため、本来の役割を果たせません。歪みや凹みを防ぐのは難しく、早期発見するためには定期的なメンテナンスが必要です。
水切りが外れている
水切り板金自体に異常がなくても、水切り板金を固定している釘が劣化している場合は注意が必要です。釘が劣化すると、当然水切り自体も外れたり浮いたりしてしまいます。水切りの外れや浮きが起こると、雨水の侵入を防げなくなるため、水切りとしての機能が果たせません。
雨水が中に入ると、木材の腐食や屋根の下地の劣化などさまざまなトラブルの原因になります。定期的に水切りが正しい位置に設置できているか確認しましょう。
水切り板金のDIYには注意が必要
水切り板金をDIYで設置したい方もいるのではないでしょうか。なかには「自分で補修したほうが業者に依頼するよりも安いのではないか」と思っている方もいるかもしれません。
しかし、水切り板金は、補修方法を誤ると雨漏りリスクが上がるデメリットがあります。自分で補修したことでかえって余計な再工事が発生し、結果的に費用が高くなるケースもあるのです。
高所での作業にもなるため、無理をせずに業者に依頼することをおすすめします。
屋根の水切り板金補修の費用相場と工期
屋根の水切り板金補修を依頼すると、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。費用は依頼内容によって異なりますが、おおよその目安を表にまとめました。
塗装 | 300~800円/m |
一部補修・交換 | 1万~4万円 |
全交換 | 5万~10万円 |
塗装は、水切り塗装のみになると手間がかかって割高になるおそれがあるので、外壁塗装などと合わせて行うのがおすすめです。
また、工期は水切り補修のみの場合は1日、下地材や屋根材の交換などが必要な場合は5~14日と長くなります。どの程度の補修が必要なのか、見積もりと合わせて工期についても打ち合わせが必要です。
屋根の水切り板金補修を依頼する業者の選び方
屋根の水切り板金の補修は屋根や家の劣化に直接つながるので、業者選びは失敗できません。腕の良い業者を選ぶにはどうすれば良いのでしょうか。ここでは、失敗しない業者選びの方法を解説します。
相見積もりを取る
業者を見極めるには、相見積もりを取るのがおすすめです。同じ補修工事でも、業者によって費用が変化します。そのため、最初から1社に絞ってしまうよりも、複数社から見積もりをとって比較するのが賢明です。
業者が抱えている案件の数などにより、工期にばらつきが出てくる可能性もあります。予算や工期などをみながら、より適切な業者を選びましょう。
関連記事:「雨漏りの修理費用はどのくらいかかる?工事別に費用相場を解説!」
実績豊富な業者を選ぶ
屋根の水切りの補修工事の実績がある業者を選ぶことも大切です。施工が甘いと短期間で再工事しなければならないため、屋根の補修工事の実績がある業者に依頼しましょう。
口コミで評判を確認したり、ホームページを見たりしながら、実績が豊富な業者を選ぶことが大切です。
屋根の水切りの補修なら「おうちの御用聞き家工房」がおすすめです。実績と経験、知識が豊富な職人を多数抱えており、住宅に関するどんなお困りごとでも、お電話1本で対応いたします。実際に現場を見てから判断することもできますので、補修が必要かどうか不明な場合でもご相談ください。
まとめ
屋根の水切り板金には5つの種類があり、それぞれが雨水の排水に関して重要な役割をもっています。屋根の水切りが機能していないと、雨水が屋根に侵入して、木材の腐食や下地の劣化につながるため、定期的なメンテナンスが必要です。
屋根の水切りの点検や補修なら「おうちの御用聞き家工房」にお任せください。家工房は屋根の問題に限らず、住宅にまつわるさまざまなトラブルへの対応が可能です。ぜひお気軽にご相談ください。