玄関などの浸水対策には日常的な準備を!自分では難しい場合の対策方法とは!

台風や豪雨、津波などの影響で水嵩が増えると、氾濫を起こし、住宅街を浸水させる恐れがあります。そんなとき、最も自宅に浸水しやすいのが玄関です。どのように浸水を防げば良いのか、その対策や役立つグッズを紹介します。


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浸水の対策の前に確認すべきこと

いざ浸水が発生してから対策していては被害が大きくなるばかりです。事前に確認すべきポイントを紹介していきます。

対策グッズの確認をする

まずは、浸水を防ぐグッズを用意しなければいけません。手軽に用意できるのは、布製の袋に土を入れた「土嚢(どのう)」です。隙間なく並べることで、浸水を防いでくれます。

難点なのは、自治体によっては希望者に配布してくれますが、その数に限りがあるという点です。自分で用意するにしても、都心部に住んでいると土を確保するのが大変でしょう。また、ホームセンターで土嚢を購入しても、保管場所に困ってしまいます。

そこでおすすめしたいのが「水嚢(すいのう)」です。土の代わりに水を入れて、土嚢と同じように使います。ひとつにつき7~9kgほどの重さがあり、浸水を防ぐことができるでしょう。使わないときは、水を抜けばコンパクトに収納できます。

水嚢が手に入らなければ、ビニール袋に水を入れて代用できます。これなら、玄関の浸水を防げるのはもちろん、浴室や洗濯機の排水溝、トイレをふさぐのに最適です。大量の水で下水が逆流したときにも、あふれ出すのを抑えることができます。

ブルーシートも用意しましょう。開口部を覆ったり、複数の土嚢や水嚢を包んだりするときに使えます。固定するための防水テープもあると便利です。ドアや窓など、ちょっとした隙間をふさぎたいときにも使えます。

いずれも台風が接近してからでは売り切れて入手できない可能性があるので、普段からの備えが大切です。

自宅付近の浸水リスクを確認する

住宅街の中でも、場所によって浸水のリスクが高いところがあります。例えば大きな川の近くや、川よりも低いところにある土地、過去に水害が起きたところなどです。海の近くであれば、海抜の低いところや過去に津波・高潮があったところは、警戒しなければいけません。

こうした浸水のリスクが高いところは、自治体による水害や洪水、津波のハザードマップで確認できます。ハザードマップで確認できるのは、川が氾濫したときや津波が発生したときに考えられる浸水の深さや、土砂崩れが起こりやすい場所、最寄りの避難所などです。

もし自宅の周辺が該当するのであれば、対策グッズを用意するだけでなく、万が一のときの避難方法や避難場所についても決めておきましょう。

自宅周りの安全確認をする

自宅への浸水を防ぐには、対策グッズを用意するだけでなく、自宅周りの排水経路を確保することも大事です。

こまめに掃除する

地面の水は、雨水ますから側溝を通って下水道管へと流れます。どこかで詰まりが生じていると、水の流れが遮られてしまい、大量の水が押し寄せたときにあふれて、浸水する原因になります。

雨水ますや側溝は、落ち葉やゴミなどで詰まりやすくなっています。こまめに掃除をして除去しましょう。

取り外せないなどの理由で掃除が難しければ、自治体の担当部署(道路関連など)に相談してみましょう。代わりに掃除してくれる場合もあります。

意外と見落としがちなのが、雨どいやベランダの排水溝です。詰まっていると、壁や天井など思いがけないところから浸水する恐れがあります。せっかく玄関の浸水を防いでも、これでは意味がありません。自宅周りと同じく、こまめに掃除をしておきましょう。

庭の水はけを良くする

庭の水はけを良くしておくのもおすすめです。水が溜まりやすい庭は浸水のリスクが高くなります。対策としては、地面に傾斜をつけて水が敷地の外へ流れるようにする、地面を掘って雨水浸透ますを設置する、溝を掘って排水用のパイプを設置するなどです。

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自分でできる玄関の浸水対策

続いて、玄関が浸水しそうなとき、自分でできる対策を3つ紹介します。雨が降る前に済ませるのはもちろん、対策すると玄関から家の中に入れなくなるので、家族全員が揃っているときが良いでしょう。

土嚢で水をせき止める

土嚢を玄関の前に並べて水を堰き止め、家の中まで入り込むのを防ぎます。(土嚢の代わりに水嚢を使っても構いません。)3段積みにするなら、一般的な両開きの玄関(幅1.6m前後)で30袋、半開きの玄関(幅0.8m前後)で15袋が必要です。

ただし、ただ並べるだけでは、どうしても隙間ができてしまい、そこから浸水します。雑巾や着なくなった服を隙間に詰めて防ぐこともできますが、土嚢を段ボール箱に入れて、ブルーシートで包み、ひとかたまりにすれば簡単に対策ができます。

玄関をふさげる数だけ段ボールを用意し、それぞれに土嚢や水嚢を入れます。これらをブルーシートの上に乗せて、水が入らないように包めば完成です。単に並べるより隙間が少なくなるので、浸水を防ぎやすくなります。

開口部分をふさぐ

玄関周りに開口部分があれば、ブルーシートと防水テープでふさぎましょう。特に浸水しやすいのは、床下の換気口です。万が一浸水すると、排水したり、泥や汚物を除去したり、乾燥させたり、臭いを消したりするなどの手間がかかります。

床下には土台や配管、断熱材があるので、水をかぶってしまうと傷んで交換しなければいけません。これらを防ぐためにも、開口部分はふさいでおきましょう。

防水テープは、水気や汚れがある状態で貼ると、剥がれやすくなるため、あらかじめ拭いてきれいにしてから貼ります。

開口部分の広いところは止水板

開口部分が広くて、土嚢(水嚢)やブルーシートで間に合わないところは、止水板を使うのがおすすめです。大きなベニヤ板でも代用できますが、最近では軽量でありながら防水効果の高い止水板も販売されています。

平らなところでなければいけなかったり、取付金具を設置しなければいけなかったりするなどの条件はありますが、浸水のリスクが高いところなら検討してみると良いでしょう。

ただし、いずれの方法も限界があり、水の量が多くなると、土嚢やブルーシート、止水板を越えて浸水します。避難情報が出ているなら、自宅から離れて身の安全を確保したほうが無難です。

警戒レベル2の避難情報(大雨注意報・洪水注意報)が出たら避難の準備を始め、レベル3や4になったら、すぐ動けるようにしておきます。レベル5になると避難するのはかえって危険なので、家の高いところで水が引くのを待ちましょう。

自治体が発令した避難情報は、自治体のホームページやポータルサイト、放送局のサイトなどで確認することができます。

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自分では浸水対策が難しい場合

浸水対策に土嚢や水嚢、ブルーシート、止水板が効果的だと分かっていても、自分で準備するのは大変です。

そんなときは、業者に依頼すると代行してくれます。土嚢や水嚢づくり、雨どいやベランダ、敷地内にある排水溝の掃除、庭の水はけの改良、開口部分の封鎖、ブルーシートや止水板の設置などです。

万が一、浸水したときは排水、泥や汚物などの除去、乾燥、臭い消しなどの補助ができます。ひとりで準備できないときに依頼してみましょう。

おうちの御用聞き家工房は、ひとりでは難しい浸水対策をお手伝いしております。浸水対策以外にも、お家に関するトラブルであれば、どんな些細な相談でも受け付けておりますので、お年寄りの方でも、安心してご依頼いだけるでしょう。

お家のことでお悩みの際は、ぜひおうちの御用聞き家工房にご相談ください。

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まとめ

玄関からの浸水を防ぐには、土嚢や水嚢を積んだり、ブルーシートや止水板で開口部分をふさいだりするのが効果的です。ほかにも、雨水ますや側溝を掃除して排水経路を確保したり、庭の水はけを良くしたり、万が一に備えて避難準備をしておいたりすると良いでしょう。