【注意】補修してないブロック塀の危険性
ブロック塀は日常生活で使用するものではないので、存在に気がまわらないものです。
そのため、長期間点検や補修をしない人も多いですが、古くなったブロック塀は大変危険です。
ただ「危険だ」といわれてもピンと来ない人もいるでしょう。そこでまずは古くなったブロック塀の危険性について解説していきます。
注意1.地震などによる倒壊
古くなったブロック塀が危険といわれるのは、地震などによって倒壊するおそれがあるからです。多くの人が大きな地震が起きたときに、「ブロック塀が倒れて人が下敷きになる」というニュースを見たのではないでしょうか。
ブロック塀を設置する際には、住宅と同様に建築基準法に則った設計、施工を行わなくてはなりません。しかし、建築基準法は1981年に改正され、それ以前に造られたブロック塀には基準を満たしていない可能性があります。
また、1981年以降に造られたブロック塀でも、ブロック塀単体の軽微な工事は役所への届け出なしで施工できるため、基準を守らずに造られたものが少なからず存在します。
基準を満たしていないブロック塀は、鉄筋が入っていない、倒壊防止の控え壁がないなどで倒れやすい状態にあり、放置しておくと大きな事故につながるおそれがあります。
注意2.損害賠償のリスク
ブロック塀で事故が起きた場合の責任の所在は、ブロック塀の所有者にあります。そのため、古いブロック塀が倒壊したときに他人を巻き込んでしまったら、損害賠償請求を受ける可能性があります。
ブロック塀が倒壊したときの重さは100kg以上になることもあるため、通行人や自動車などが巻き込まれたら、甚大な被害が出ます。
その分損害賠償額も高額になる可能性が高く、過去には数千万円もの賠償請求が行われたケースもあるので、古くなったブロック塀は早急に点検、補修することが重要です。もちろん、賠償の有無ではなく、事故防止の観点から対応することは、いうまでもありません。
補修が必要なブロック塀のチェック方法
ブロック塀が基準どおりに設置されているか確認するのは難しいですが、ブロック塀が劣化しているかの点検は比較的簡単にできます。
ここではブロック塀の劣化症状を紹介しますので、当てはまる箇所がないかチェックしてみましょう。
チェック1.カビやコケが生えていないか
ブロック塀の多くは、屋外に設置されていて雨風や直射日光などに晒されるため、経年劣化は避けられません。
また、雨水や空気中の二酸化炭素を吸い込んで、アルカリ性のコンクリートは中性化し、もろくなっていきます。
こうしてもろくなったブロック塀にはカビやコケが生えやすくなるので、自宅のブロック塀にカビやコケがついている場合は、ブロック塀が劣化していると考えて良いでしょう。
チェック2.白華(はっか)現象がないか
ブロック塀にできる白いシミのようなものも、ブロック塀の劣化症状の一種です。白いシミのようなものはただの汚れと思われがちですが、実は「白華現象」といってブロック塀の内部の成分が染み出したことによって起こります。
ブロック塀の外観を損なうだけでなく、内部で劣化が進んでいることが考えられるので、ただの汚れだと放置しないようにしましょう。
チェック3.欠けやひび割れがないか
ブロック塀は屋外にあるので、少々欠けやひび割れがあっても気にしない人も多いのではないでしょうか。
しかし、欠けやひび割れがあると雨水が侵入しやすくなり、ブロック塀の劣化が進行するため、早めに補修するのがおすすめです。
チェック4.傾き、ぐらつきがないか
ブロック塀が傾いている、押すとぐらつくといった状態はとくに要注意です。傾きやぐらつきがあるときは、構造に問題があったり強度が大幅に低下したりしていることが考えられるので、地震や強風などで簡単に倒壊するおそれがあります。
かなり危険な状態なので、早急に点検や補修、リフォームなどを行いましょう。
チェック5.ブロック塀の設置規準に沿っているか
過去に規模の大きい地震でブロック塀が破損・倒壊したため、社会問題として認識されています。そのため建築基準法施工令ではブロック塀が倒壊しないよう、ブロック塀の高さは2.2m以下にするよう義務付けられました。
しかし建築基準法が改正されたのは、1981年のことです。古いブロック塀の中には過去の基準に沿ったものが残っており、現在では法令違反扱いの高さになっています。
もちろん過去に建てられたブロック塀の撤去が行われましたが、すべてのブロック塀が建て替えられた可能性は低いでしょう。
ブロック塀の高さが現在の基準に違反している場合は、撤去の必要があります。そのため古いブロック塀は、高さのチェックが必要です。
またブロック塀だけでなく、コンクリートブロックやレンガのような組構造の塀も確認しましょう。高さ1.2m以上なら、撤去が求められます。
古くなったブロック塀の補修方法と流れ
自宅のブロック塀を点検してみたらカビやコケが生えていた、ひび割れていたなど何らかの問題が見つかったとしても、どう対処すれば良いのかわからない人も多いでしょう。
そこで続いては、古くなって劣化症状が出ているブロック塀の補修方法と流れを紹介します。
【DIY】自分で補修する
ごく小さなひび割れや欠けであれば、自分で補修できます。DIYできる基準はひび割れの場合0.3mm以下であること、欠けの場合は内部の鉄筋が見えていない程度と考えると良いでしょう。
具体的な補修方法や必要な道具は以下のとおりです。
ひび割れの補修方法
ブロック塀のひび割れを補修するのに必要な道具は、以下の4つです。
・補修材
・ワイヤーブラシ
・スポンジ
・ヘラ
どれもホームセンターやネットショップなどで比較的安価で販売されています。補修材は「コンクリート用」「ブロック塀用」などと記載されているものを選んでください。
補修は以下の手順で行います。
1.ワイヤーブラシやスポンジを使ってひび割れ周辺の汚れを落とす
2.ひび割れを補修剤で埋める
3.ヘラで補修材の表面を平らにならす
4.補修剤が固まるまで待つ
欠けの補修方法
ブロック塀の欠けを補修する場合は、必要な道具や手順が少し複雑になります。まず、以下のものを用意しましょう。
・補修材
・ワイヤーブラシ
・スポンジ
・ヘラ
・プラスチック容器
・混ぜ棒
・水
欠けている場合、ひび割れよりも補修箇所が大きいため、補修剤もやや強力なものが必要になることがあります。補修剤が肌についたり、目や口に入ったりするのを防ぐために、保護メガネ、防じんマスク、ゴム手袋も用意してください。補修は以下の手順で行います。
1.ワイヤーブラシやスポンジを使ってひび割れ周辺の汚れを落とす
2.補修材と水を混ぜ合わせる
3.ブロック塀の欠けている部分に補修剤を乗せる
4.ヘラで補修材の表面を平らにならす
5.補修剤が固まるまで待つ
【依頼】業者に補修依頼する
ブロック塀が以下のような状態になっている場合は、劣化が進んでいて自分で補修するのが難しいので、業者に依頼するのがおすすめです。
①0.3mm以上の多いひび・欠け
②ブロック塀が傾いている
③ブロック塀の鉄骨がむき出しになっている部分がある
④ブロック塀に大きな穴がある
どの業者に補修を依頼するか悩んだときは、おうちの御用聞き家工房にご相談ください。おうちの御用聞き家工房では、家に関するトラブルであればどんな些細なことでもご相談いただけます。ブロック塀の補修にも対応しており、電話一本で最短即日お伺いも可能です。
ブロック塀の補修費用
ブロック塀の補修を業者に依頼する場合に気になるのが、費用額ではないでしょうか。費用はブロック塀の状態によるため一概にはいえませんが、おおよその目安を紹介します。
DIYの補修費用の目安
自分でブロック塀を補修する場合、必要な道具をすべて購入したとしても、それほど費用はかかりません。補修剤は1,000円前後、ヘラは500~1,800円程度で購入できます。
「補修箇所が目立つので塗装したい」という場合は、塗料や刷毛なども購入する必要がありますが、塗料や刷毛もそれほど高くないので気軽に購入できるでしょう。
・塗料(1L):約2,000円
・刷毛:約100~300円
・ローラー:約350~500円
・デッキブラシ:約500円
業者依頼の補修費用の目安
ブロック塀の補修を業者に依頼する場合、ひび割れの補修やブロックの交換程度であれば13,000~20,000円/㎡程度で済むでしょう。
欠けているブロックの一部を交換したいという場合も、10,000~20,000円/㎡程度が目安です。塗装が必要な場合は、別途塗装代として3,000円~/㎡程度見込んでおきましょう。
問題はブロック塀の傾き、一部の交換では済まないほど破損していた場合です。この場合、古いブロック塀を撤去して新設することになるため、ブロック塀の大きさなどにもよりますが、17万円前後から費用がかかると見ておいたほうが良いでしょう。
費用が心配な場合は、事前に業者に見積もりを出してもらうのがおすすめです。おうちの御用聞き家工房では現場をしっかりチェックしたうえで、状態に応じた明確な費用を提示いたします。
見積もりはもちろん無料で、できるだけ低額に抑える方法がないかも考えますので、お気軽にご相談ください。
ブロック塀を補修する時の注意点
ブロック塀を補修する際は、以下の点に注意しましょう。
1.補修したのがわかってしまう
2.補修に補助金や火災保険が使える場合がある
3.修後 も年に1回は点検が必要
それでは、順に解説していきます。
補修したのがわかってしまう
ブロック塀は補修に成功しても、跡が目立ってしまうのが難点です。ブロック塀の補修材はグレー系の色が多いですが、そもそもブロック塀事態 の色が均一ではありません。完全に元の状態に戻すことは難しいでしょう。
補修跡を目立たなくするためには、補修後にブロック塀全体の塗装を行うのが効果的です。補修した面を塗料でコーティングすれば、補修の跡を目立たなくできるでしょう。
補修に補助金や火災保険が使える場合がある
ブロック塀の補修や解体は、補助金や火災保険の対象になる可能性があります、自治体によっては倒壊の危険があるブロック塀を回収・補強・撤去するリフォーム工事に対して、補助金や助成金を受け取れます。
例えば、大阪市では道路に面するブロック塀の高さが80㎝以上の場合、補助対象になります。対象となる工事は高さが規定以下になるように撤去する工事か、ブロック塀等を撤去した範囲内にフェンスを設置する工事のふたつです。
ただし、補助の条件や補助金の額は地域によって異なります。既存のブロック塀の撤去のみが対象になる場合もあれば、撤去後に塀やフェンスを新設する工事まで補償してくれる場合もあります。
また道路に面しているブロック塀のみ対象になる場合や、着工前に申請する必要がある場合などもあります。こちらは多くの自治体で共通しているため、申請のタイミングには注意しましょう。
補修後も年に1回は点検が必要
ブロック塀を補修しても、耐久性が回復するわけではありません。特に古くなったブロック塀は補修してもひび割れや欠けが出てくることがあるので、補修した後も定期的に点検するのがおすすめです。
ブロック塀の状態や危険性を適切に把握し、改善案を出すためには、業者に点検を依頼すると安心です。ブロック塀の補修や点検を依頼するなら、実績豊富な『おうちの御用聞き家工房』を活用してください。
家工房ならブロック塀のことだけでなく、家に関するお悩みや相談をなんでも承ります。お電話を頂ければ最短即日で伺いますので、お困り事がありましたらぜひご依頼ください。
ブロック塀が補修できない時の代替え案
ブロック塀が古すぎると補修できない場合や、補修しても崩壊の危険をまぬがれない場合もあります。加えて建築基準法に違反している場合は、ブロック塀の撤去が必要です。
ブロック塀を撤去した場合は、代替になるものを設置するのがおすすめです。以下で詳しくご紹介していきます。
フェンスに変える
フェンスは木製や金属製で、ブロック塀に比べ軽量なのが特徴です。防犯やプライバシー保護の観点から塀をなくしたくない方は、ブロック塀をフェンスに切り替えましょう。
またフェンスには、設置時に補助金の対象になりやすいメリットもあります。金属製などの軽量なフェンスも補助金の対象になることがあるので、設置の際は自治体に確認したうえで工事を依頼しましょう。
植栽する
ブロック塀の代わりに植物を植えれば、目隠しの役割を十分に果たせます。またブロック塀と比べてデザイン性が高く、圧迫感を与えにくいのが特徴です。
目隠しを意識するなら、木などの大き目の植物を選びましょう。ただし、剪定などの手入れが必要になるので、手間がかかるのデメリットです。
まとめ
古いブロック塀を放置していると、重大な事故が起こる危険があります。自宅のブロック塀を点検し、劣化症状が出ていたら早めに補修を行いましょう。
ごく小さなひび割れや欠けなら自分でも対処できますが、劣化症状がひどい場合は業者にぜひ相談してみてください。