雪止めを屋根に取り付けるメリットとは
「雪止め」とは、屋根に積もった雪の落下を防ぐ屋根部材です。雪がめったに降らない暖かい地域では必要性を感じられないですが、近年は豪雪地帯に限らず、大雪による被害が目立っています。このことから、あらかじめ屋根の上に取りつけておけば、落雪による被害を防止できます。
この項目では、雪止めを屋根に取り付けるメリットを3つ解説します。
落雪によるけがの防止
雪止めのメリットのひとつは、落雪によって家族やまわりの人が怪我をするのを防げることです。屋根に降り積もった雪が日中暖められて屋根から滑り落ちたとき、除雪作業中の人や通行人にぶつかってケガをする事故は後を絶ちません。
雪は軽いものというイメージを持っている人は多いのではないでしょうか。しかし、雪は降って数日たつと昼夜の寒暖差によって屋根の上で冷え固まり、氷塊のようになる可能性があります。
重い氷の塊が、高い屋根の上から落ちると大変危険です。大きな怪我にもなりかねません。雪止めを設置すると、落雪を防ぎ、トラブルを予防できるでしょう。
雪による雨どいの破損防止
雪止めを屋根に設置しておくと、落雪時の衝撃をやわらげ、雨どいが壊れるのを防ぐことができます。
「雨どい」とは、屋根の上に降った雨水を集め、一箇所にまとめて地面に流す排水用の建材です。軒先に横に渡して取りつけられている半筒型の軒樋と、屋根から地上に伸びる円筒型の竪樋などから構成されます。
雨どいの大半はプラスチック製のため、あまり強度が高くありません。落雪に巻き込まれて取りつけ部位が外れ、外れた雨どいが外壁や窓を傷つけることもあるため注意しましょう。
近隣トラブル防止
屋根からの落雪が隣家の塀や住宅を壊すこともあるため、雪止めは無用な近隣トラブルを防ぐのにも役立ちます。
近隣に被害が及び、損害賠償問題に発展すると根深い確執を生むことにもなりかねません。他人の物を壊したり怪我させたりしないためにも、雪止めの設置を一度検討してみると良いかもしれません。
屋根に雪止めは必要?
雪止めは、すべての住宅に必要というわけではありません。雪が降らない地域はもちろん、雪が降る地域でも、雪止めを設置しないほうが良い場合もあります。
ここでは、屋根に雪止めが必要なケースとそうでないケースを説明します。
雪止めがあった方が良い地域
基本的に雪止めを設置したほうが良いのは、雪が降る地域です。
年に数回軽く雪が降る程度でも、リスクを避けるために雪止めを設置しておくのが無難です。屋根の雪下ろしを行うほどの降雪はなくても、毎年必ず雪が積もる場合には、雪止めの設置も検討してみましょう
雪止めを付けない方が良い地域
同じ雪が降る地域でも、毎年屋根に登って雪下ろしをするほどの豪雪地帯では、雪止めを設置しないのが一般的です。
というのも、豪雪地帯では降雪量が多く、雪が滑り落ちる重みで雪止めが外れたり屋根に傷がついたりするからです。雪止めがあることでスコップが引っかかり、雪下ろしがしにくいというデメリットもあります。
屋根につける雪止めの種類
雪止めは新築時に屋根に取り付けるほか、必要性に応じて後付けすることも可能です。
ここでは、屋根に取りつける雪止めの種類を紹介します。外観や雪止め効果もさまざまなので、自宅に適したものを選びましょう。
瓦タイプ
屋根の瓦と一体化した雪止めです。瓦屋根の住宅にしか使えないものの、雪止めと瓦の両方の機能を備えていて、外観に違和感がありません。
瓦の交換をするだけで良く、設置に手間がかからないのもポイントです。洋瓦と和瓦があり、色のバリエーションも豊富で好みにあわせて選べます。
アングルタイプ
L型の長いアングル材を、屋根の横に渡して平行に設置します。金属屋根やスレート屋根にも後付けできる雪止めです。
アングルタイプは隙間なく屋根一面に雪止めを配置するため、落雪防止効果が高いのが魅力です。
金具タイプ
屋根材の隙間に金具を挿し込み、固定して設置します。L字型、扇形、羽根型と、さまざまな形状の金具があります。
金具は大きなものではなく、隙間を空けて屋根に設置するのであまり目立ちません。金具タイプはスレート屋根のほか、瓦屋根にも設置ができます。
ネットタイプ
屋根の斜面に平行してネット状の資材を取りつけ、摩擦力を高めて落雪を防ぐタイプです。ネットの色は自由に選べるため外観に違和感があまりなく、屋根の美観を重視する家庭に向いています。
ネットタイプはどんな屋根にも設置でき、落雪防止効果が高いのが特徴です。目の細かい網目状の雪止めで広範囲にガードできるので、ほかのタイプの雪止めでも落雪が起きる場合は、ぜひ設置を検討してください。
屋根に雪止めを取り付ける際の注意点
最後に、屋根に雪止めを取りつけるときの注意点を紹介します。
雪止めは落雪を防ぐのに効果的でも、万能ではありません。設置の必要性や取りつける屋根との相性をしっかり確認して、慎重に検討してください。
設置が不要な屋根のタイプがある
タイプによって取りつけられる屋根がわかれるだけでなく、雪止めの設置が不要な屋根もあります。費用が無駄になるだけでなく屋根が傷むため、設置が不要な屋根を賢く見分けることが大切です。
たとえば、アスファルトシングルの屋根には、雪止めは不要です。アスファルトシングルはガラス基材にアスファルトを使って表面に石粒を吹き付けた、シート状の屋根材です。
表面がざらざらしていて摩擦が強く、屋根自体に落雪を防ぐ効果が期待できます。またアスファルトシングルはやわらかく、屋根に密着していて、雪止めや金具を取りつけるのに向いていません。
また、傾斜が少ない屋根は落雪のリスクが少ないため、雪止めは不要と判断する場合もあります。雪止めを設置するときは、費用対効果も含めて必要性を検討しましょう。
専門の業者に依頼する
落雪対策を検討するのであれば、自宅の屋根に雪止めが必要なのかも踏まえて、専門業者に依頼するほうが無難です。高所での危険な作業になるため無理をせず、業者にお願いしましょう。
ただし、雪止めを設置したことで屋根が重くなり、住宅の耐震性が低下する可能性は否定できません。施工が原因で雨漏りがおき、建材が傷む可能性があるため、業者は慎重に選ぶことが大切です。
雪止め設置を依頼する際には、屋根の状態から客観的に必要性を判断し、住宅を破損することなく正しい位置に設置、施工ができる業者に依頼するのがおすすめです。施工実績などもチェックして、経験豊富で信頼できる業者を選びましょう。
おうちの御用聞き家工房では幅広い住宅リフォームにも対応しており、雪止めの設置もご相談ください。地域密着型でお家に関するどんな些細なことでも相談を受け付けているため、どうぞお気軽にご連絡ください。
電話一本いただければ、最短即日に伺いしてお悩みに対応しています。丁寧なヒアリングをモットーに、おうちの御用聞き家工房ではお客様の抱えるトラブルをスピーディーに改善。たとえば、「雪止めを設置したいけど、必要なのかわからない」といったご相談でもOK です。
まとめ
屋根から雪が落ちると人を怪我させるおそれもあり大変危険です。雪止めで完全に落雪を防げるわけではないものの、できるだけリスクを減らして、快適な生活環境を整えましょう。
雪止めの設置は高所で作業が必要なので、専門の業者にご依頼ください。地域で実績が高く信頼できる業者を選んで、早期に落雪の不安を減らしましょう。