大型家具を移動させる準備
実際に家具を動かす前に準備をすることで、その後の作業がスムーズになります。移動させる前に次の4つの準備をしてみましょう。
なるべく家具を軽くする
大型家具はそれ自体が重いので、外せるものを外してできるだけ軽くすることがスムーズに移動させるためのポイントです。
タンスや机の引き出しの中に物を入れたままにすれば、移動後にすぐに使えて楽に感じるかもしれません。しかし、その分重くなるので中を空にしてから移動させましょう。
引き出しや簡単に取り外しのできる付属品もあらかじめ取っておきます。面倒に感じるかもしれませんが、結局はそのまま移動させるよりも楽に動かせます。
移動経路を決める
どこに移すのかを決めて、どのような経路で目的地まで運ぶかを考えましょう。移動させる家具の縦、横、高さの寸法を測り、実際に動かす前に決めた移動経路を通せるか確認します。
家具を移動するうえで、ドアの高さや幅には十分に注意しましょう。また高さのある家具を横にして運ぶ場合、廊下や階段の角を曲がれない危険もあります。曲がることができる幅があるのかについても、あわせてチェックしておきましょう。
移動させやすい空間を作る
大きな家具を動かしているときは、自分の足元が見えません。床にモノが落ちていると危険なので、床に置いてあるものや障害物になりそうなものは先に移動させておきます。
家具や運んでいる人が壁ギリギリになる場合は、壁にかけているインテリア雑貨もとっておくと安心です。一度運びはじめたら途中で中断しなくても良いように、通路のドアは開けてから移動をはじめましょう。
家具がぶつかりそうな柱や壁には、ホームセンターなどで緩衝材を買って養生しておくと安心です。
軍手をはめる
手の保護のために、すべり止め付きの軍手をしましょう。大きな家具の移動は、ひとつ間違えるとケガにつながります。木製でもプラスチック製でも重い家具を素手で運ぶと、木のささくれやプラスチックの角で手に傷が付くおそれがあります。
また、壁に接して家具を配置する際に、手が壁と家具の間に挟まってすり傷になることも防げます。
すべり止め付きの軍手であれば、運んでいるときに手がすべって家具を倒してしまう危険にも備えられます。手のひらにゴムのすべり止めが付いている軍手を用意するとより安心です。
重い大型家具は倒れたり足の上に落としたりすると危ないので、軍手をするだけでなく少しずつ動かすなど細心の注意を払って移動させましょう。
自宅にある便利アイテムで大型家具を移動させる方法
タンスなど持ち上げて運ぶのが難しい大型家具は、床を滑らせて移動させます。このとき家具と床の間にすべりやすいモノを敷くと楽に家具を動かせます。ここではすべり材として活用できる4つの身近なアイテムを紹介します。
ダンボール
引越しや通信販売で利用したダンボールが自宅にあるという方も多いのではないでしょうか。ダンボールは大型家具の移動に便利です。自宅にない場合は、スーパーなどでもらえることもあります。
使い方は、ダンボールを広げて、その上に家具を乗せます。ダンボールの大きさは、広げたときに家具から少しはみ出すくらいがちょうど良いでしょう。
家具を大きく持ち上げると、誤って足の上に乗ってしまうこともあり危険です。家具の片側の端を少し持ち上げて、そこにダンボールを滑り込ませるように入れていきます。片側に入ったら、反対側も同じように少し持ち上げて残りのダンボールを差し込みます。家具を乗せたら、ダンボールの端を引きずって、家具を動かします。
高さのある家具を動かす際は、ダンボールを引っぱっているときに倒れないように、十分注意しながら動かしましょう。
毛布
毛布も家具の移動に利用できます。使い方はダンボールと同様で、広げた毛布を家具の下に差し込み引きずります。
重い家具を乗せて引きずるため、毛布は汚れたり傷んだりする可能性があります。家具の移動には、使わなくなった毛布を利用しましょう。
軍手
家具の移動をするときに手の保護に使っている軍手は、すべり材としても利用できます。軍手を2組用意して、1個ずつ家具の四隅に差し込んで使います。
差し込む際は、ブツブツのすべり止めがついている手のひら側を上に向けましょう。家具はすべり止めの効果でずれにくくなり、床との面はスッっと動かしやすくなります。軍手を家具の下に敷いたら、ゆっくりと家具を押して移動させます。
アルミホイル
キッチンで使うアルミホイルも、大型家具の移動に使えます。アルミホイルを適当な大きさに切り、アルミホイルのキラキラと光っている面を上にして家具の四隅に敷きます。
その後は軍手と同じように、家具をゆっくり押すとスッと楽に動かせます。カーペットの床であれば、ダンボールや毛布よりも使い勝手が良いでしょう。
市販の便利グッズで移動させる方法
身近なモノを利用するよりも少し大がかりになりますが、大型家具を動かすためのグッズもホームセンターなどで売っています。
ジョッキ型(リフター)
てこの原理を使って家具の四隅をそれぞれ持ち上げ、小型の台車を差し込んで使うグッズです。力を使わずに家具を運べます。しかし、段差のあるところには使えないので注意が必要です。
マット型
ダンボールなどと同様に、家具の下に敷いて床を滑りやすくするグッズです。小型のマットを家具の四隅に置いて使用するので、家具を設置する際に敷き、そのまま家具を利用することも可能です。
ベルト型(キャリーベルト)
家具を押して移動するのではなく、体全体を使って運ぶときに使うのがベルト型です。ベルトで家具と体を固定して、リュックのように背負ったり前から持ち上げたりして使います。ただし自分の身長より高い家具や上部が下部より重い家具は安定性が悪くなるので、十分に気をつけて使用してください。
移動させるのに気をつけるべき大型家具とは?
大型家具の中には、壊れやすかったり危険であったり、運ぶのに特に注意が必要な種類があります。あらかじめ確認しておきましょう。
ガラス製の大型家具全般
ガラスはちょっとした衝撃で割れやすく、一回割れてしまうと修理できません。割れたガラスは手や足を切りやすいですし、小さなヒビでも割れやすくなって後から危険です。またガラス製の家具は重いことが多いので運ぶのもより大変です。
扉や本体がガラスでできている棚や大型テーブルなどは、自分で移動させずに業者に頼むと安心です。
上下分割の家具
分割できる家具は、分けた方が軽くなるので運びやすくなります。しかし食器棚や書棚、婚礼ダンスなど上下に分割できる家具は、高さがあるため分解や組み立てが難しいという問題があります。
特に、移動させた後に上の部分を下の部分に乗せるには、大きく持ち上げなくてはならず相当な力を必要とします。取り外すより元の状態に戻すほうが難しいので、家具を上下に分解する際は本当に自分で元に戻せるかを判断してから手をつけましょう。
高級家具全般
高級家具は運んでいる最中に破損したり傷がついたりすると、リーズナブルな製品よりショックが大きいことでしょう。デリケートなデザインや、天然木材や皮など繊細な風合いが魅力のものも多いため、小さな傷でも避けたいものです。
高級な家具は、とても気に入って使っているものも多いのではないでしょうか。傷がついても簡単に買い換えられるものでもないので、無理をせずに業者にお願いすることをおすすめします。
ピアノ
ピアノは非常に重量のある楽器です。足にはキャスターがついているため、自分でも動かせるように感じるかもしれません。しかし、繊細な楽器でもあるので、プロでもグランドピアノは3人、小型のアップライトピアノでもふたりがかりで移動させます。
アップライトは見た目がそれほど大きくありません。そのため、一見運びやすいのですが、重心が後ろにあるため倒れやすく注意が必要です。
ここまで紹介した4つの大型家具は、あくまで一例です。大きくて重い家具、通路を通るか判断が難しい家具、大切に扱っている家具など、ご自身で動かすことに少しでも不安がある場合は、専門の業者にお願いしたほうがスムーズに移動できるでしょう。
おうちの御用聞き家工房では、家具の移動も承っています。おうちのお困りごとでしたら、電球の交換のような小さなことから、造園・リフォームといった大きなものまで何でもお任せください。
家具の移動と一緒に、掃除や不用品処分などのお手伝いもできますので、まずはお気軽にご相談ください。
まとめ
大型家具の移動は、ダンボールや軍手などを家具と床の間に敷くことで移動させやすくなります。またジャッキやベルトを使って、楽に家具を持ち上げる便利グッズも市販されています。大型家具の移動には危険もともなうため、アイテムを使っても不安な場合は業者に依頼すると安心です。