破風板の劣化は塗装で解決できる?塗装の必要性やDIYは?

多くの日本家屋には、屋根の付近に破風(はふ)といわれる部分があります。屋根を見たときに、破風の色あせや傷などの劣化が気になることもあるでしょう。そもそも、破風はなぜ存在するのでしょうか。 今回は、破風が担う役割や破風板に塗装が必要な理由、塗装のタイミングやポイント、破風板を自分で塗装する場合について解説いたします。


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破風板の役割は?劣化したら塗装が必要?

破風板とはどの部分のことをいうのか、破風板の場所や役割、塗装を必要とする理由をご紹介します。

破風板が担う役割

破風板は、日本家屋の多くで採用されている切り妻屋根と呼ばれる工法で存在する部分です。

切り妻屋根は本を開いて伏せたような形になっていて、屋根が二等辺三角形に見える面から見たときにある屋根の側面部分を破風(はふ)といいます。破風板は、破風に取り付けられる板のことです。

破風板が存在するのは、屋根を雨風から守るためです。破風板があることで壁面や屋根へ当たる風雨が分散されます。屋根が苦手とする横からの風雨を受け止めることで、屋根の耐久性を高めているのです。

破風板の素材として、木材のほか、トタンや金属、セラミックスなどが使用されます。特に古い住宅などで使われることが多いのが木材です。よくある素材ですが劣化しやすいことなどから定期的なメンテナンスを必要とします。

新しい住宅では、トタンやガルバリウム鋼板のような金属でできた破風板も増えてきました。木製以上の耐久性を確保できるのがメリットですが、熱に弱く、使用する金属によっては専用塗料でのメンテンナンスが必要です。

セラミックスなどの窯業系も、新しい住宅で使われることが増えた素材です。耐久性や耐熱性の高さが特徴ですが、防水性が低下するとひび割れの原因になるため、塗装によるメンテナンスが必要となります。

破風板に塗装が必要な理由

破風板に使われる素材が何であっても、基本は塗装が施されています。塗装されているのは劣化しやすい部分だからです。

破風板は日光や雨風の影響を受けやすいことから、屋根の耐久性にも関わる部分になります。劣化を防止するにも破風板の塗装は有効です。

また、破風板は風雨が当たりやすい場所であるため、吸水性が落ちると、膨張や収縮により変形し、雨漏りの原因になることがあります。吸水性を保ち、雨漏りを防止する意味でも塗装は効果的です。

さらに、破風板が劣化してくると見た目も悪くなります。見た目を維持するためにも塗装には意味があるといえます。

破風板の塗装を業者に依頼したときの料金相場

破風板の塗装のメンテナンスは住宅の耐久性を維持するためにも重要です。

破風板は住宅の高い場所にあることから、業者に塗装を依頼するケースも多いでしょう。業者に依頼した場合、どのくらいの費用がかかるかも事前に確認しておくと良いです。

料金は、破風板だけを塗装するのか、破風板以外も含めて塗装するのかで変わってきます。

外壁と一緒に破風板を塗装する場合は、1㎡あたりで料金を請求されることが多いです。1㎡あたりの単価は、800〜1,500円程度が相場とされています。

破風板だけを塗装する場合は、㎡単価ではなく、25,000円からなど、料金が一律に設定されることが多いです。外壁と同時に依頼する場合と比べると、料金は割り増しされます。これは、破風板だけの施工では養生などの手間がかかることが理由です。

破風板を塗装するタイミング

破風板の塗装が必要になる周期は破風板の材質で異なります。塗装の周期が短いのが木材で作られた破風板です。

木材は水分を吸収しやすいことから、膨張と縮小が繰り返され、質の良い塗料を使っていても短期間のうちに徐々にひびが入ったり、剥がれたりしてきます。木材の塗装は5年程度が目安になるでしょう。ただし、保護膜が形成されないタイプの塗料で塗装する場合はさらに周期が早まります。

金属製の破風板は、木材ほど劣化のスピードは速くないものの、サビやすいため、定期的に塗装で保護することが大切です。塗装の周期は5〜6年ほどといわれており、サビ止めを塗った上から塗装します。

塗装の周期でいえば窯業系が一番長いです。窯業系の塗装の周期は10年程度といわれており、外壁も同じくらいの周期になります。外壁と一緒のタイミングで塗装するのも良いでしょう。

ひび割れや塗装剥がれなどがひどい場合は、一般的な周期にかかわらず塗装が必要になることもあります。そのため、上記はあくまでも目安程度にして、塗装のタイミングを見逃さないためにも破風板の劣化状況を確認しておきましょう。

さらに、塗装剥がれなどの劣化が進行していると、塗装では対応できず、破風板自体の交換となるケースもあります。交換にはコストが掛かるため、破損が起こる前に定期的に塗装を施しメンテナンスすることが重要です。

破風板を塗装するときに色を選ぶポイント

破風板を塗装する場合、色はどのように決めると良いのでしょうか。破風板の色に決まりはありませんが、統一感を出すために外壁の色と合わせることが多いです。また、外壁ではなく、屋根の色に合わせることもあります。

白などの薄い色にすると明るくてキレイですが、汚れが気になってしまうこともあるでしょう。せっかく塗装を施してもすぐに塗り直しが必要になるかもしれません。汚れを目立たなくしたいなら、黒などの暗めの色がおすすめです。

さらに、破風板にカラフルな色を取り入れることもあります。破風板の部分は屋根のすぐ下のほんの一部分ではありますが、破風板の色を変えるだけでも家の印象はがらりと変わるものです。あえてアクセントになる色を取り入れてみるのも良いです。

なお、破風板に使用する塗料は材質によって異なります。木材は木材用のものを、金属はサビ止めか下塗りをして塗料を、素材によっては金属も専用の塗料が必要です。窯業系は色付けの塗料を使用します。

破風板を自分で塗装するのは困難

破風板は屋根の下のごく一部分であることから、自分でも塗装ができるのではないかとDIYを考えている人もいるかもしれません。塗装は自分でもできますが、難しい面があることも理解しておきましょう。

まず、破風板の塗装は高所での作業になります。安全に塗装するためにも足場が必要です。足場を組むには、高額な費用や手間がかかるため簡単ではないでしょう。

また、いざ塗装をしても下地処理が甘いと、せっかく塗った塗装が短期間で剥がれてしまうことがあります。下地処理は、研磨により前の塗膜を除去する作業です。

下地処理をしっかりしないと、浮いた塗装の上から塗ることになるのでうまくなじまないうえ、破風板の耐久性にも影響します。

さらに問題なのは、塗装で解決できる問題なのかどうかです。素人には判断が難しいことで、塗装だけでは解決できない状態の破風板もあります。

塗装だけで対処できないときは、板金巻きなどの追加の作業が必要です。手間や作業の難しさなどを考え、業者への依頼も検討してみてください。

まとめ

破風板は、劣化してくると塗装が剥がれるだけでなく、雨漏りなどの原因になることもあります。

自分で塗装することも可能ですが、高所での作業になるため危険をともないます。また、塗装だけで修復できる破損なのかなど判断が難しいことから、業者に依頼するのが安全でおすすめです。

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