【費用相場】外壁リフォームはいくら必要?補修・塗装・新装工事ごとの相場とは!

築年数の経った家は、さまざまな部分に不具合が出てきます。家の劣化は屋内だけではなく屋外にも起こり、外壁も定期的なメンテナンスが必要になります。 外壁リフォームを考えている方の多くは、できる限り安く済ませたいと考えているのではないでしょうか。そこで今回は、外壁リフォームにかかる費用相場を、施工内容別に紹介します。費用が上がるポイントについても解説しているため、ぜひ参考にしてみてください。


この記事は約9分で読み終わります。

外壁リフォームの費用相場とは

外壁リフォームの費用相場は幅広く、全体的に見ると20~300万円ほどとなります。価格帯が幅広くなる原因のひとつは、外壁リフォームと一口に言っても、工事方法が3種類あることです。各方法で価格帯が大きく異なるため、外壁リフォーム全体的な相場は上記のように幅広くなります。

外壁リフォームを目的別にわけると、以下のとおりです。

・補修工事
・塗装工事
・新装工事

塗装や新装の前に補修工事が必要となる場合もあります。外壁を確認してみて保守が必要になりそうな症状やサインがあったときは、どの種類の工事が必要なのか判断することから始めます。

1.補修工事

補修工事は、さまざまな補修があります。外壁にヒビ割れが起こっている場合もあれば、外壁材の目地を埋めるために使用するコーキング剤が劣化している場合もあり、原因別の対処が必要です。

そのため費用相場は原因ごと、工法ごとに異なります。たとえばコーキングの補修が必要となる原因は主に経年劣化ですが、工法は「打ち替え」や「打ち増し」と2種類に分かれます。

打ち替えは既存のコーキングを剥がして新しく塗り替える工法で、打ち増しは既存のものを剥がさず、上から必要な部分にのみ塗る工法です。

打ち替えは古くなったコーキングを剥がす作業が加わるため、打ち増しよりも費用相場が若干高くなります。200mの施工をしたと仮定すると、打ち替えは作業費も含めて「約700~1,200円/m」が相場ですが、一方の打ち増しは作業が簡易的になる分、「約500~1,000円/m」です。

多くの方が安価なほうを検討したくなるでしょう。しかし打ち増しははがれやすくメンテナンスが必要となる場合もあるため、費用面以外のメリット・デメリットも考慮したうえで慎重に決めることが重要です。

また、コーキング以外の補修が必要となるケースもあります。

2.塗装工事

塗装工事は古くなった建物の外観を塗り直して美観を回復させたり、防水機能などを与えて建物を保護したりするために行う工事です。外壁は長年の雨風で汚れるだけではなく、築年数が経てば剥がれや劣化の症状が出てきます。

相場は80~150万円で、どのような塗料を使用するか、どの程度の総面積となるかで費用が左右されます。塗料はそれぞれ期待できる機能が異なるため、工事を依頼するときは担当者とよく相談したうえで選びましょう。

3.新装工事

新装工事は塗料を塗るだけではなく、外壁そのものを新しくする工事をさします。大きくわけるとカバー工事と張り替え工事の2種類があり、特徴はそれぞれ以下のとおりです。

・カバー工事:既存の外壁の上から新しい外壁材を張る工法
・張り替え工事:既存の外壁を撤去して新しい外壁材を張る工法

相場は150~300万円ほどで、張り替え工事は既存の外壁を剥がす作業も加わるため、カバー工事よりも費用が高くなる傾向です。外壁のカバー工事や張り替え工事に使用するボードは窯業系や金属系など複数の種類があり、それぞれ機能が異なります。

ボードの種類ごとに耐久性も異なるため、一時的な費用だけで見るのではなく、機能や耐久性も含めて工法を検討することが重要です。

目次へ

外壁リフォームの費用が上がる2つの要素

外壁リフォームの費用が上がる要素は、主に「素材」と「外壁の劣化状況」です。それぞれ詳しく解説していきます。

素材をチェック

まずは外壁リフォームに使用する素材を見てみましょう。外壁工事には目地を埋めるコーキング材や塗装、外壁材などが使用されています。

安価なものを重点的に使用すればその分安くなり、高価で高機能のものを使用すれば、総額はもちろん高くなります。

コーキング材

コーキング材はシーリング材とも呼びます。大まかにわけると「アクリル系」「ウレタン系」「シリコン系」の3種類があり、それぞれ費用相場や耐久性が異なるため、特徴も理解したうえで選ぶことが重要です。

コーキング材の種類ごとの費用相場と特徴は、以下のとおりです。

種類 費用相場 特徴
アクリル 約500円/m 耐用年数5年程度・肉やせ、黒ずみが起こりやすい
ウレタン 約600/m 耐用年数5~10年程度・紫外線で劣化しやすい
シリコン 約900/m 耐用年数10年程度・総額は高いがコスパが良い

費用面を見るとアクリル系のコーキング材がもっとも安く済みます。しかし肉やせ、黒ずみなどが起こりやすく、耐用年数も短いのが特徴です。肉やせとは、経年劣化などにより、コーキング材の厚みが薄くなることで、施工した部分と外壁との間に隙間が生じる現象です。

ウレタン系の耐用年数に大きな幅があるのは、紫外線で劣化しやすいという特徴をもっているためです。紫外線が多く当たる場所に使用しているかどうかの違いで耐用年数は大きく変わります。

シリコン系は単価を見ると高価に見えます。しかしもっとも耐用年数が長く、耐候性、柔軟性、耐熱性などにも優れていることから、総合的なコストパフォーマンスが高いコーキング材です。

塗装

外壁に塗る塗料にも、複数の種類があります。実は塗料そのものにも機能があり、どれを選ぶかで外壁の印象だけではなく耐久性にも影響が出ます。

塗装で使用される塗料の中でもっともポピュラーな3種類、「ウレタン」「シリコン」「フッ素」の費用相場を見ると、以下のとおりです。

種類 費用相場 特徴
ウレタン 約1,700〜2,500円/m 耐用年数5~10年程度・さまざまな形状・建材に使える
シリコン 約2,300〜3,500円/m 耐用年数7~15年程度・結露ができにくい
フッ素 約3,500〜4,800円/m 耐用年数12~20年程度・耐熱性や耐寒性に優れる

ウレタンは柔らかいため複雑なデザインの外壁にも塗装しやすいうえ、多くの建材と相性の良い塗料です。木材のほか、モルタルや鉄、アルミ、コンクリートの外壁にも利用できます。

シリコンは耐久性、耐水性、費用のどの面から見てもバランスが良く、塗料選びで迷ったときにおすすめです。透湿性も良く、寒暖差が激しい時期に結露が発生しにくいメリットもあります。

フッ素は耐熱性と耐寒性に優れているうえ、酸性雨や紫外線にも強いのが特徴です。幅広い気候に合い、耐久性にも優れていますが、単価が高いため大きな建物に使用するとそれなりの金額となります。

外壁材

外壁材も多くの種類があり、どれを選ぶかによって建物の印象が大きく変わります。機能性はもちろん、それぞれ質感も異なるため、サンプルを見せてもらいながら決めると良いでしょう。

複数ある外壁材の中でもポピュラーなものが、以下にあげるサイディング材とタイル材です。

種類 費用相場 特徴
サイディング材 約3,000~9,000円/m 耐用年数7~20年程度・複数の種類がある
タイル材 約7,000~9,000円/m 耐用年数10~15年程度・耐久性に優れる

サイディング材は窯業系、金属系、樹脂系、木質系にこまかくわけられ、それぞれ質感も価格も、耐用年数も大きく異なります。もっとも安価なのは窯業系で、人気も高く機能性やデザイン性にも優れていますが、耐用年数は7~8年程度です。耐用年数重視なら価格は高くなりますが、樹脂系が15~20年と2倍以上に長くなります。

タイルは耐久性が高く、メンテナンス性にも優れています。一方で、目地を埋めるコーキング材の影響によっては劣化が早まるケースもあります。コーキング材が劣化して隙間ができたり、目地の溝が深くなったりすると湿気が溜まりやすくなるため、タイル本体よりも目地部分の定期的なメンテナンスが必要です。

外壁の劣化状況をチェック

外壁のリフォームが必要かどうか判断するためには、定期的に劣化状況をチェックすることが大切です。

定期的にチェックすべきポイントは、以下のとおりです。

・ひび割れ、肉やせ、剥がれ具合
・変色具合
・藻やコケの具合

劣化状況によっては費用が高額となってしまいます。工期にも影響するため、状態が悪化する前にこまめなチェックでメンテナンスを検討しましょう。

目次へ

外壁リフォームの費用をぐっと抑える方法

外壁リフォームの費用を抑える方法は、素材選びのほかにも、ちょっとした対処や工夫をすることがあげられます。

最後に、外壁リフォームの費用を抑えるポイントを3つ紹介します。

日々のメンテナンスをする

外壁素材や工法、環境によっては、提示されている耐用年数よりも早く異常が起こることがあります。定期的に外壁の点検を行い、痛んでいるところはないかチェックしましょう。

軽度の補修作業であれば、費用を大幅に抑えられます。こまめに補修作業をして痛みの悪化を防げば、費用を抑えるだけではなく、耐用年数を伸ばすこともできます。

相見積りをする

塗料や材料だけではなく、リフォームには手間賃などが発生します。業者ごとに費用は大きく異なるため、費用を抑えるなら相見積りが重要です。

また、業者ごとに取り扱っている素材も異なります。より希望に合う素材を見つけるためにも、2~3社から見積りを取りましょう。一時的な安さだけではなく、工事完了後の耐久性やメンテナンス性も含めて総合的に判断してください。

劣化状況を正確に把握する

定期的な点検で劣化している部分が見つかったときは、まず劣化状況を正確に把握することが重要です。劣化の進行度によっては、早急なリフォームが必ずしも必要とは限りません。

個人で判断することが難しい場合は、業者に点検を依頼してみましょう。おうちの御用聞き家工房」なら、お電話一本いただければ最短即日で駆け付けます。

リフォームが必要な箇所を見るだけではなく、確認したその日のうちに工事のご相談やご予約に進むこともできます。知識や経験が豊富な住宅のプロが見積りにうかがうため、疑問や不安もその場で解消していただけるのが強みです。

「外壁リフォームのついでに、室内で直してほしいところがある」「網戸を張り替えて欲しい」など、そのほかのリフォームやメンテナンスもご相談いただけます。ぜひ一度お問い合わせください。

目次へ

まとめ

外壁リフォームは、どの工法を選び、どの素材を使用するかで大きく変わるものです。中には選び方次第で耐久性も大きな差が出る場合があるため、価格面だけではなく総合的に判断しなくてはなりません。

「どれを選べば良いか分からない」「そもそもリフォームが必要か分からない」という方は、一度ぜひおうちの御用聞き家工房へご相談ください。住宅のプロが隅々まで外壁を点検したうえで、劣化状況や補修の必要な箇所を提示します。

補修が必要と判断されたときには、リフォームもご相談いただけます。まずはぜひ点検からご相談ください。