緑青を落とすのに効果的な洗浄成分
緑青とは、銅や真鍮などの金属に付着する塩基性炭酸銅を主成分とする物質で、別名「青サビ」とも呼ばれています。屋外に展示された銅像が本来の黄褐色から青色に変色するのは、この緑青が原因です。
鉄が酸化すると表面に「赤サビ」が付くように、家庭の水道の蛇口、ドアノブ、アクセサリー、革製品の金属ボタンなどに生じるのが緑青です。色は毒々しいものの、緑青は人体にとって有害な物質ではありません。むしろ緑青には、金属の表面をコーティングし、腐食から守る働きがあります。
緑青は、できてから時間が経つほど落としにくくなる頑固な汚れです。とはいえ、酸性の性質をもつ洗浄成分や研磨成分を上手に使えば、ご家庭でも簡単に除去できます。
緑青の除去におすすめの洗浄成分をみていきましょう。
重曹
緑青の除去には、重曹に水を少量加えて作る「重曹ペースト」を使うのが効果的です。炭酸水素ナトリウムを主成分とする重曹は、環境に優しい洗浄成分として知られています。
重曹の粒子には研磨作用があり、ペースト状にすると緑青のほか、油汚れの除去やカビ落としにも活用できます。重曹ペーストはクレンザーよりも柔らかく、こすっても金属に傷がつきにくいため、大切なアクセサリーにも使えて便利です。
酢やクエン酸
家庭の台所にある「酢」やクエン酸も、緑青を除去するのにおすすめです。酢やクエン酸のような酸性の洗浄成分は、サビを金属から切り離す働きが期待できます。
粉末状のクエン酸は、身近なホームセンターやドラッグストアで購入できます。粉末を水に溶かしてクエン酸スプレーを作っておくと、水場にできる緑青やカルキ汚れの掃除に使えて便利です。
酢に塩を混ぜてペースト状にすれば、研磨剤代わりにもなります。酢の代わりにレモン汁を使うと掃除後の香りが良く、気分がすっきりします。
ただし、酸性の洗浄成分を使うと、金属が変質する可能性があります。腐食に強いステンレスに使うなど、掃除する場所を選んでください。
クレンザーや市販のサビ取り剤、金属研磨剤
クレンザーや市販のサビ取り剤、金属研磨剤は、研磨作用で緑青を落とすのに役立ちます。頑固な緑青落としには、2000番程度の耐水サンドペーパーを使うのがおすすめです。ただし、地の金属に傷が付きやすいので、こすりすぎに注意しましょう。
【洗浄成分・場所別】緑青の落とし方
緑青は有害な物質ではないものの、付着していると見た目が悪く、ほかの場所に色が移ってしまいます。放っておくと範囲が広がり、落としにくくなるため、緑青は早めの対処が肝心です。
緑青はさまざまな場所に生じるため、部位や物、程度に適した落とし方を選ぶ必要があります。
・重曹ペースト:水道の蛇口、アクセサリー、メガネ、硬貨、銅鍋
・酢+塩:服のファスナー、ボタン、電池
・市販の金属用研磨剤:重曹や酢で落ちない頑固なこびりつき
それぞれの落とし方を詳しくみていきましょう。
重曹ペーストを使った落とし方
重曹ペーストは油汚れやカビ落としにも効果があるため、キッチンや風呂場などの水回りの緑青落としにおすすめです。
【準備品】
・重曹
・水
・容器
・歯ブラシ、綿棒
・拭き取り用のクロス
【重曹ペーストを使う緑青の落とし方】
1.容器に重曹と水を2:1の割合で入れて混ぜ、重曹ペーストを作る
2.歯ブラシや綿棒に重曹ペーストを付けて、緑青が付着した部分を磨く
3.緑青が落ちたら水で洗い流すか、濡らした布で拭き取る
4.拭き取り用のクロスでしっかり水気を取り除く
範囲が狭いなら綿棒で、広い場所は歯ブラシを使うと、効率良く緑青を落とせます。緑青の再発を防ぐために、仕上げとして乾拭きで水分をしっかり取り除いておくことがポイントです。
酢+塩を使った落とし方
酢だけでも十分なものの、塩を混ぜると緑青を金属から切り離す酸の力が高まります。塩の粒子で研磨効果がでるため、緑青をしっかり落としたいときにもおすすめです。
【準備品】
・酢
・塩
・容器
・歯ブラシ、綿棒
・拭き取り用クロス
【酢+塩を使う緑青の落とし方】
1.容器に酢と塩を1:1で入れて良く混ぜる
2.歯ブラシや綿棒にペーストを付けて、緑青が付着した部分を磨く
3.緑青が落ちたら水で洗い流すか、濡らした布で拭き取る
4.拭き取り用のクロスでしっかり水気を取り除く
酢のニオイが気になるときは、中性洗剤を使って洗い流しましょう。服についたボタンに緑青がついた場合は、そのまま洗濯すればニオイが落ちます。宝石や異素材は酸で変質しやすいため、アクセサリーについた緑青には向いていない落とし方です。
市販の金属用研磨剤を使った落とし方
重曹や酢では落ちない頑固な緑青には、市販の金属用研磨剤を使いましょう。しっかり処理できるため、緑青の再発防止にも有効です。
研磨剤ごとに使用方法は異なるので、パッケージや説明書に沿って作業してください。
【準備品】
・金属用研磨剤
・歯ブラシ、綿棒
・拭き取り用クロス
【市販の金属用研磨剤を使う緑青の落とし方】
1.歯ブラシや綿棒に研磨剤を付けて、緑青が付着した部分を磨く
2.緑青が落ちたら水で洗い流すか、濡らした布で拭き取る
3.拭き取り用のクロスでしっかり水気を取り除く
金属によっては傷ができやすいので、様子を見ながら磨いてください。
緑青の落とし方に悩んだらハウスクリーニングを検討する
緑青を落とすのが大変なら、ハウスクリーニングが便利です。依頼料はかかっても自分で道具を用意する必要がなく、作業にかかる負担を減らせます。
「おうちの御用聞き家工房」では、緑青の除去をはじめとするハウスクリーニングに対応しています。広範囲についた緑青も、時間が経ってこびりついたものもお任せください。おうちの御用聞き家工房なら、緑青がついた古い蛇口を交換するリフォーム相談にも対応可能です。家に関するお悩みは、どうぞお気軽にご相談ください。
緑青の発生を予防する方法を知っておこう
緑青は、鉄製品に付着する「赤サビ」より簡単に落とせます。とはいえ、専用の洗浄成分が必要で手間がかかるため、緑青は予防が第一です。緑青ができる原因を理解して、金属製品の日頃の使い方を見直しましょう。
汚れたら水洗いしてしっかり乾燥させる
緑青は、空気中の水分や湿気で金属が酸化して生じます。汗も酸化する要因のひとつなので、アクセサリーや眼鏡は使用後に水洗いをして汚れを落とし、しっかり乾燥させてから保管しましょう。汚れと水気を取り除くと、緑青ができるのを防げます。
アクセサリーはケースに入れて保管する
アクセサリーを身につけたらそのまま放置せず、専用のアクセサリーケースに入れて保管するのがおすすめです。出しっぱなしにしておくと、空気中の水分に反応して酸化が進んでしまいます。
シリカゲルや乾燥剤を入れておくとケース内を除湿できるので、大切なアクセサリーの保管に活用しましょう。
水場や蛇口はこまめに掃除をする
常に水にさらされる蛇口の予防は難しいため、こまめな掃除で緑青を早いうちに取り除くことが大切です。できたばかりの緑青なら比較的落としやすいので、お手入れの手間を減らせます。
風呂場、洗面所、キッチンなどの水回りの蛇口は、月1回を目安に磨きましょう。家庭にある重曹や酢を使うと、手軽に日々のお手入れができます。
まとめ
金属に付着する緑青は有害な物質ではないものの、付けたままだと見た目が悪くなってしまいます。重曹、酢、クエン酸などの身近な洗浄成分や市販の研磨剤を使う落とし方で、効率良く取り除くことが大切です。緑青は住宅の水回りにできやすく、いつの間にか進行します。
緑青の落とし方にお困りなら「おうちの御用聞き家工房」へのご相談も検討してみてください。