台風接近!想定されるお庭の被害
北大西洋のハリケーン発生数は増加傾向を見せる一方で、日本周辺で発生する台風は大きな増加も減少も見られていません。ただし多くのメディアで取り上げられているように、地球温暖化による台風の強さが増す可能性が指摘されています。
そのため、今後はますます台風接近にきちんと備える必要があると言えます。台風接近にともなって想定されるお庭の被害は、以下のとおりです。
・プランターや鉢植えなどの倒壊
・ガーデン家具が強風で破損・飛ばされる
・強風で倒木・門が外れる・家庭菜園への被害
プランターや鉢植えなどの倒壊
プランターや鉢植えなどは重い土が入っているため倒壊しにくいと思われがちですが、台風レベルの暴風雨となると容易に吹き飛ばされたり倒されたりすることがあります。割れた破片が飛ぶこともあれば、倒れた鉢植えが更に転がって二次被害につながることもあるため、注意が必要です。
ガーデン家具が強風で破損・飛ばされる
屋外用のテーブルやチェア、サンシェイドなども破損したり吹き飛ばされたりしやすくなります。ガーデニング用のアイテムとともに対策を行いましょう。安い物なら吹き飛ばされて失くしても問題ないと考えるかもしれませんが、万が一吹き飛ばされた破片やアイテムが近隣の家に被害をもたらした場合、損害賠償を請求されることがあります。
強風で倒木・門が外れる
倒木や家庭菜園への被害、門が外れるリスクも、近隣の家に被害が及ぶ可能性が考えられます。庭木のように根が浅い木は暴風雨によって枝が折れたり、倒木して根元がむき出しになったりすることも少なくありません。
家庭菜園への被害
排水溝に落ち葉などのごみが溜まることで排水の流れが悪くなり、水が溢れるおそれがあります。小さい庭の場合は冠水する可能性もあり、大切な菜園が水浸しになるケースも珍しくありません。庭の冠水状態が続くと根腐れなどを引き起こす原因となるため、早めの対処が必要です。
台風から庭を守る!4つの対策
台風の被害から大切なお庭を守るために、自宅のある地域が暴風域に入る場合は、早めの対策を行いましょう。台風に備えるときは、以下の4つの対策を意識することをおすすめします。
プランター・鉢植えの対策
プランターや鉢植えの中には、植えている植物が低く比較的運びやすいものもあります。まずは運べそうなものを家の中やシャッターのあるガレージの中など、強風に煽られない場所へ移しましょう。軽いものほど対策をしても飛びやすいため、事前に屋内へ避難させておくほうが安心です。
大きくて運べないものや屋内に入らないものは、建物の陰に移動させて少しでも風よけできる状態にします。柱などに括り付けて、動かないように固定しておくと更に安心できます。
括り付ける場所がないときは、あらかじめ建物の陰に倒しておくことで、風で倒されて転がる心配がありません。
ガーデン家具・門への対策
門は鍵をしっかりとかけ、風で扉が開閉されないようにします。強度に不安がある門は門柱に括り付けたり、合わせ部分を縛って固定したりしましょう。
伸縮門扉(アコーディオンゲート)は、広げたままにしておくと変形や転倒のおそれがあり、大変危険です。伸縮門扉を閉じたあとにロープを使って柱に縛っておきましょう。
跳ね上げ門扉を開けている状態にしていると強風によりゲートが折れてしまうケースがあります。しっかりと閉まっている状態でロックをかけておきましょう。
木への対策
木は枝が多いものほど風を受けやすく、折れた枝が近隣の家に迷惑をかけるおそれがあります。あらかじめ剪定しておくことで、木の高さを低くしたり木の面積自体を小さくしたりできるため、枝が折れたり木そのものが倒れたりすることを避けられるでしょう。
また、株立ち(一つの株から複数の茎が生えているように見せる樹型)の木は枝や茎をロープで縛り、ひとまとめにしておくと倒壊のリスクが軽減できます。植えたばかりで背が低く折れやすいものは、支柱を活用すると効果的です。
家庭菜園への対策
台風で各地の農作物が被害にあう話は、毎年のように報じられています。家庭菜園も例外ではなく、規模や栽培方法に合わせた以下のような台風対策が必要です。
・防風ネットや防虫ネットを活用する
・野菜の背に合わせた対策をする
・不安な場所の対策はプロに依頼する
収穫できるものは、台風前にすべて収穫しておきましょう。野菜の多くは適切な保存方法を心がけることで、長く新鮮な状態を保ってくれます。
プランター栽培のものは可能な限り家の中に避難させ、移動できないものは防風ネットをつけてください。
背の低い野菜は防虫ネットなどを全体にかぶせ、周囲をピンでしっかりと固定することもおすすめです。背の高い野菜は支柱を植えて括り付けることで、折れたり倒れたりしにくくなります。
おうちの御用聞き「家工房」なら、重い植木鉢の移動や庭木の剪定もお任せいただけます。自分たちでは手の届かない場所の作業がある方はもちろん、効果的な対策ができているか不安という方も、一度ご依頼してみてはいかがでしょうか。
排水溝の対策
排水溝の詰まりを防ぐには、排水溝に溜まったゴミの掃除が必要です。定期的に排水溝をチェックし、ゴミが溜まっていたら掃除をしておきましょう。
台風が過ぎ去ったあとのメンテナンス
事前にきちんと対策をしておくことで、台風による被害は最小限に抑えることができます。しかし、まったくの被害が生じないわけではありません。
台風の被害を長時間放置していると、汚れのこびりつきや故障、植物の枯れなどにつながるため、早めにメンテナンスを行うことも重要です。
台風が過ぎ去ったあとにできるメンテナンスは、主に以下の2つがあげられます。
水で洗い流す
台風の暴風雨は海からやってくるため、海水を含んでいる可能性があります。塩分を含んだ海水がお庭の植物や設備にかかると、塩害によって植物が枯れたり設備が錆びたりします。
塩害を防ぐためには、早急に水洗いで塩分を流すことが重要です。水洗いをするときは、特に以下のポイントを意識して洗い流しましょう。
・ステンレス製のガーデン家具や設備
・雨どい・雨水マス
植物は一度塩害を受けると、枯れた葉は元に戻りません。新しい葉が生えるまで待つこととなり、場合によってはお庭の印象を大きく変えます。植物を水洗いするときは、茎や幹、根元だけではなく葉もしっかりと洗いましょう。
ガーデン家具も塩害にあいやすい部分です。ステンレス製のものは塩分に触れると錆びやすく、一度錆びが生じると専用のお手入れをしなくてはなりません。まずは水洗いで塩分をしっかりと落とし、錆びの発生を防ぐことが重要です。
万が一錆びが生じた場合は、ホームセンターなどで購入できる専用の錆び取りシートを活用しましょう。錆び取りシートを使用した後も、しっかりと水洗いしてシートの成分を残さないよう注意してください。
また、建物の雨どいや雨水マスなど庭に面している部分も同様に水洗いすることで、庭の塩害を更に予防できます。
植物に殺菌剤を撒く
水洗いをしたあとは、お庭の植物に殺菌剤を撒きます。一見無事なように見えても、台風によって植物の表面は細かい傷ができており、放置すると細菌が侵入する可能性があるため危険です。
植物が細菌に感染すると外観が損なわれるだけではなく、最悪の場合は枯れたり処分したりしなければなりません。感染を防ぐために、お庭の水洗いとセットで殺菌剤による感染防止も必ず行いましょう。
水洗いによって植物が弱るリスクを軽減するために、傷付いたり折れたりした枝の剪定や根の活性剤の使用もおすすめです。
庭の台風被害は火災保険で補償される?
自然災害のうち、台風や雪による被害には火災保険が適用されます。それでは、台風で被害を受けた庭の草木は、火災保険で補償を受けられるのでしょうか。
火災保険は基本的に適用される
火災保険は、建物と家財の2つに分けて適用が決まります。庭にある庭木・門・塀・垣根・物置などは、家具などのように自由に動かすことができないため、建物に分類されます。これにより、台風で被害を受けた庭は火災保険が適用されます。
ただし、台風による被害ではなく、経年劣化による破損と判断されると、火災保険は適用できません。ご自身で判断することなく補償されるかどうかは保険会社に確認しましょう。
被害状況の写真を撮っておく
火災保険請求時に写真が必要になります。庭の片付けをする前に、被害状況が分かる写真を必ず撮っておきましょう。
以下の写真を撮影しておきましょう。
・損害全体がわかる写真
・損害箇所が写っている写真
なお、庭木が火災保険の補償対象に含まれるかは、保険会社によって大きく異なります。補償条件として、「損害発生日から7日以内に枯死した場合」などの規定を設けている保険会社もあります。一部の保険会社では、庭木の被害に対する補償を特約として付帯しているところもあります。
ご自身が加入している保険で補償が受けられるか含め不明な点があれば保険会社に問い合わせましょう。
まとめ
大事なお庭は、あらかじめ飛ばされやすいものや倒れやすいものを保護しておくことで、被害を最小限に抑えることができます。背の高さや植物・家具の大きさに合わせて、それぞれ適切な防止策を行いましょう。
また、台風一過後も水洗いや薬剤の活用など、適切なメンテナンスを行うと、植物や家具の傷みを防ぐことにつながります。
台風対策や後片付け、メンテナンスなど自力では困難な作業がある場合は、おうちの御用聞き「家工房」にお任せください。軽作業も心を込めて丁寧に行います。