床暖房リフォームの方法は2つ
床暖房は床をあたためるための構造を設置する必要があるため、一見大がかりな施工のように思えますが、後付けすることも可能です。後付けで床暖房リフォームするときの工法は、「直貼り」と「張り替え」の2種類があげられます。
「直貼り」で床暖房を設置
直貼りは、既存の床を剥がさずに行う工法です。現在の床はそのままに、上からかぶせるように床暖房を設置します。
既存の床の解体撤去作業が不要な分、直貼りのほうが施工期間や費用を抑えられるメリットがあります。一方で、床が高くなってしまう点に注意しなくてはなりません。
床の高さが変わればドアが開かなくなることもあるため、施工できるかどうかは、設置場所の状況次第です。設置の仕方によっては室内に段差ができてしまい、高齢者や小さな子どもは転倒するおそれがあります。
直貼りで床暖房を設置するのであれば、段差を考慮して場所を選びましょう。
「張り替え」で床暖房を設置
張り替えは、床ごと新しくする方法です。先に既存の床を剥がしてから床暖房を設置したうえで、新たにフローリングなど床を張り直します。
張り替えは床を剥がしたり再仕上げしたりする分、施工期間や費用がかかるのが特徴です。ただし床暖房を設置した後も床の高さは施工前と変わらないため、段差ができず、見た目もキレイに仕上がるメリットがあります。
床を再仕上げすることから、どこにでも設置できるように思えますが、工事の可否は床下の構造に左右されます。床下に新しく配管するのが難しい場合、設置できる床暖房のタイプが制限されたり、施工自体ができなかったりすることもあります。
直貼りと張り替えのどちらも、上記のようにメリットや制限があるため、設置する部屋の状況や予算、施工期間を考慮して決めましょう。
床暖房リフォームにかかる費用と工事期間
床暖房を後付けする場合、リフォーム費用は施工内容や床暖房の種類、規模、依頼する業者といった複数の要素で金額が決まります。工事期間も直貼りか張り替えかで大きく変わるため、事前に目安となる費用や日数を知っておくと有効な判断材料となるでしょう。
そこで、ここでは床暖房を後付けリフォームする場合の費用相場と、工事期間の目安を紹介します。
【種類別】床暖房リフォームの相場
床暖房リフォームの費用相場は、電気式床暖房か温水床暖房かの違いと、施工方法で大きく左右されます。大まかにまとめると、それぞれの費用相場は以下のとおりです。
床暖房の種類 | 直貼りの場合 | 張り替えの場合 |
電気式床暖房 | 約60万円 | 約60〜70万円 |
温水床暖房 | 約70万円 | 約70〜80万円 |
あくまで目安のため、実際は工事範囲や依頼先業者によって異なることがあります。上の表は10畳の部屋に設置する場合の金額なので、1畳あたり直貼りで約5~8万円、張り替えで8~11万円程度 の金額を目安に考えると良いでしょう。
張り替えの場合、床の木材のグレードも価格が変動するポイントのひとつです。また、温水床暖房を設置するときも、熱源機のタイプによっては100万円近いリフォーム料金となることがあります。
費用面を考えるときは、工事内容だけではなく購入する建材や設備も考慮して総額いくら程度となるかイメージすると失敗しません。
【種類別】床暖房リフォームの工事期間の目安
床暖房リフォームにかかる工事期間は、工法や規模、建材の取り寄せの有無など、複数の要素によって左右されます。あくまで目安ですが、工法別の大まかな工事期間は以下のとおりです。
・直貼り:1日~2日前後
・張替え:3日~5日前後
また、冬場前などシーズン前は施工依頼が殺到しやすいため、工事の開始まで日数を要する可能性もあります。本格的な寒さとなる前に床暖房を設置したい方は、早めに見積もり依頼と工事スケジュールのすり合わせを済ませておきましょう。
床暖房リフォームをする際に注意すべきポイントとは
電気式床暖房を設置する場合、住宅全体の電気容量が足りるか事前にチェックしておく必要があります。電気容量が足りないときは、床暖房設置に加えて電気容量を増やすための工事も行いましょう。
また、エアコンやストーブなどほかの暖房器具と床暖房が重なると、電気代が余分にかかってしまいます。効率的に部屋をあたためるには、先に設置した暖房器具との兼ね合いも考えて、床暖房を設置する場所を決めることが重要です。
そのほかにも注意すべきポイントとして、次の2点があげられます。
マンションの場合は事前に管理規約の確認が必須
リフォームによる床暖房の後付けそのものは、戸建てもマンションも技術的に見ると可能です。ただし戸建てとマンションでは、リフォームできる範囲が大きく異なることに注意しましょう。
戸建ては賃貸でない限り、どこをリフォームしようと所有者の自由ですが、マンションの場合は、リフォーム可能な範囲はあくまで分譲された部分のみに限定されます。
たとえばバルコニーや掃き出し窓、廊下に面している窓や玄関ドアなどは、共用部と判断されるため、自宅のものであってもリフォームできないケースが大半です。
室内も管理規約によってこまかくリフォームの条件が定められていることから、まずは床暖房リフォーム自体が可能かどうか確認する必要があります。
マンションで床暖房リフォームに対してあげられる条件や規約は、以下の例があげられます。
・床暖房リフォーム自体が不可
・床暖房リフォームは可能だが電気式のみ許可
・床暖房リフォーム全般が可能
遮音性の高い床を設置しているなどの理由で、床暖房リフォームを不可とするマンションもあるため、注意しましょう。床暖房リフォーム可能な場合も、床下に新しく配管を通す必要のある温水床暖房は不可など、こまかく規定されていることがあります。
このように、マンションの管理規約は単純にリフォームの可否だけが決められているとは限りません。事前に希望する床暖房の種類や工法をある程度決めたうえで、マンションの管理組合に問い合わせてみましょう。
お家自体の断熱性が低くないかも確認しましょう
せっかく床暖房であたたまっても、お家自体の断熱性が低ければ暖かい空気が外に逃げてしまうため、効率的とはいえません。
床暖房のメリットを最大限に得るためにも、お家自体の断熱性も考慮してみてはいかがでしょうか。とくに築年数が古いお家は旧来の基準で施工されているため、建物全体の断熱性が低いことが多いです。
お家全体の断熱性もアップさせると、より快適に過ごせます。以下の部分は、リフォームで後から高い断熱性をもたせることが可能です。
・天井、小屋裏
・窓やドアなどの開口部
・壁
解体撤去など大掛かりな工事を行わなくても、既存の窓枠にかぶせるカバー工法や内窓の設置など、短時間で行える手軽なリフォームもあります。お家の暖房は予算や作業環境を考慮して、床暖房と組み合わせて効率的に活用するのがおすすめです。
「おうちの御用聞き家工房」でも、床暖房の後付けリフォームをはじめ、お家に関するさまざまなトラブルに対応しています。「どのような床暖房にしようか迷っている」「うちのリビングは床暖房を設置したら効果的か」など、どんな些細な相談でも結構です。
電話1本で最短即日に伺うことができ、専門知識やスキルの豊富なスタッフが丁寧に対応します。
まとめ
床暖房リフォームを行うと、冷えやすい足元を効率的にあたためることができます。断熱性の高い部屋であれば、より過ごしやすい環境になるでしょう。
床暖房リフォームで悩んでいる方は、ぜひ「おうちの御用聞き家工房」にご相談ください。経験豊富なスタッフが現地をしっかりと調査したうえで、ご要望に合った提案をします。「まだリフォームするか決めてないけど、とりあえず見てほしい」というご相談からでも受け付け可能です。