【ベランダ】ひび割れの主な3つの原因
ベランダのひび割れは、床の経年劣化や建物の揺れ、コンクリートの乾燥収縮が主な原因です。まずは主な原因3つを解説します。
ベランダの床の経年劣化
ベランダは外にあるため、常に紫外線や雨風にさらされています。そのため、数年経つとどうしても劣化してしまいます。ベランダの床には防水層がありますが、その表面に施されているトップコートの表層は紫外線や雨風の影響を最も受けやすく、徐々に劣化していくことでひび割れなどが現れてくるのです。
また、ベランダは人が歩けるよう平坦に作られており、放っておくと水はけが悪くなります。水に浸る時間も長く、より劣化しやすい環境になっているといえるでしょう。
建物の揺れ
地震や強風による建物の揺れが原因で、ひび割れが起こる可能性も考えられます。揺れにより建物全体に歪みが生まれ、その歪みにベランダが耐えられなくなったときに、ひび割れが起こってしまう場合があるのです。
ベランダに多く採用されている「FRP防水」は、防水性能は高いものの柔軟性には劣り、建物の揺れに弱い性質を持っています。特に地震などでひび割れが起こる際は、経年劣化とは異なり最初から広く深いダメージを受けてしまう可能性があるので注意が必要です。ベランダの防水の種類は、FRP防水のほかに「ウレタン防水」「シート防水」などがあります。
コンクリートの乾燥収縮
コンクリートの水分が少なくなることで起こる「乾燥収縮」という現象も、ベランダのひび割れを起こす原因のひとつです。ベランダにコンクリートを打つ際は、水分を多めに含ませたうえで工事をするケースがあります。コンクリートが固まってもなお水分が残っている状態だと、乾燥が進んで水分が蒸発してしまい、コンクリートが収縮してしまうのです。
乾燥収縮は、コンクリートを打ち込んだ後、およそ2〜3ヶ月経ったころに発生しやすいとされています。ただし、水分量が多いと年単位で収縮が続く場合もあるので気をつけましょう。
ベランダのひび割れが及ぼす影響
ベランダのひび割れが起こると、さらに劣化が進む原因になったり雨漏りを引き起こしたりする可能性があります。そのため、ひび割れはできるだけ防がなければいけません。ベランダのひび割れを放置するとどのようなリスクがあるのか、詳しく解説します。
急速に劣化が進んでしまう
ベランダのひび割れは、紫外線や雨風の影響を受けたトップコートが劣化することで起こるのは前述のとおりです。これを放置することで、トップコートの下にある防水層が露出し、防水層までもが紫外線や雨風の影響を受けるようになります。
防水層はベランダの構造の最後の砦といっても過言ではありません。防水層が劣化してしまうと、ベランダ全体が急激に劣化してしまいます。
雨漏りの原因になる
防水層が劣化してしまうと、建物の内部にまで悪影響を及ぼし雨漏りの原因にもなりかねません。雨漏りが進行すると、防水工事のほか、軒の張り替えや部分的な交換が必要になるケースもあります。一度雨漏りが発生すると、内部を伝って室内の天井から漏れ出す場合もあるので注意が必要です。
さらに、防水層の劣化はさびやカビ、腐朽菌などを発生させることもあり、その被害は雨漏りだけに限りません。修理の費用もかさみ、床が抜けてしまったり天井が落下したりなど、ケガの原因にもなってしまいます。
ベランダのひび割れが起こったときの対処法
ベランダのひび割れに対処するには、トップコートの塗装や防水工事、下地の塗り直しなどを施すのが一般的です。ここでは、ベランダのひび割れが起こったときの対処法を3つご紹介します。
トップコート塗装を行う
築10年を経過しておらず、表面のみのひび割れであればトップコート塗装を行うのがおすすめです。ベランダの寿命は10〜15年程度といわれていますが、定期的にトップコート塗装をしなければ劣化が早まってしまいます。
トップコート塗装の一般的な施工手順は以下のとおりです。
1. 高圧洗浄で汚れを落とす
2. 既存の塗装を剥がすために研磨を行う
3. アセトンで拭き、表面の油分を落とす
4. 下地と塗料を繋ぐプライマーを下塗りする
5. 上塗りでトップコート塗装を行う
トップコートは防水の種類によって変わってきます。そのため、ご自宅の防水を調べてから行うようにしましょう。価格的にはウレタン防水が比較的安価、FRP防水が高価ですが、そこまで大きく変わらず、どのトップコートでも1万円以下におさまります。
トップコート塗装は対処法の中では価格的にも安いので、ひび割れが起こる前に早いうちからメンテナンスを行いましょう。
防水工事を行う
築10年が過ぎ、深層の防水層まで劣化が進んでいるようなら、防水工事を行う必要があります。防水工事の大まかな手順は以下のとおりです。
1. 高圧洗浄で汚れを落とす
2. 目地を撤去し、ひび割れ部分のカット処理を行う
3. 下地と塗料を繋ぐプライマーを塗布し、シーリングを行う
4. 塗料を2~3回に分けて塗布し、防水層を形成する
5. トップコート塗装を行う
防水工事の代表的な工法は「通気緩衝工法」と「密着工法」の2つ。大まかな施工手順は同じですが、通気緩衝工法の場合は塗装前に通気シートを貼って通気性を良くし、脱気筒を設置して内部の空気を逃がす工程が加わります。
下地を塗り直す
劣化が進行しており雨漏りがひどい場合は、下地から塗り直すことも検討しましょう。下地が木の場合は木下地の張り替えを、コンクリートの場合は塗り直しやモルタル補修を行います。
下地の塗り直しは大規模な工事で費用もかさむため、早めにひび割れを発見してメンテナンスすることが何よりも大切です。5〜10年に一度トップコート塗装を行い、防水工事や下地の塗り直しを施す必要のない状態を保ちましょう。
まとめ
ベランダのひび割れは、床の経年劣化や建物の揺れ、コンクリートの乾燥収縮が主な原因です。放っておくと雨漏りやさらなる劣化を引き起こす可能性もあるため、できるだけ早いうちに発見・対処しましょう。対処法としては、トップコート塗装や防水工事、下地の塗り直しの3段階がありますが、定期的にメンテナンスをしておけば出費を抑えられるかもしれません。
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