浴室乾燥機は後付けできる?ケース別に解説
浴室のリフォームというと、多くの方が浴槽や天井、床なども含めたユニットバス(システムバス)まるごとを交換する方法を想像するでしょう。しかし浴室乾燥機は一部分の工事のみで、既存の浴室に後付けで設置することが出来ます。
ただしここで注意したいのが、全ての浴室で取付が可能では無いということです。状況や構造によっては後付け設置が出来ないケースもあります。
浴室乾燥機を後付けできるケース
浴室乾燥機を後付けできる浴室は、以下の条件を満たすタイプです。
・浴室の天井に換気扇・点検口がある
・浴室の天井がフラットな形状をしている
・換気扇の位置に40cm四方程度のスペースがある
浴室乾燥機を設置するためには、動作のための電気配線に加えて換気ダクトが必要です。天井や壁に換気扇または点検口があれば、工事をスムーズに進められるでしょう。
また、フラットな天井と十分なスペースも設置に欠かせません。表面に凹凸のある天井へ無理に浴室乾燥機を設置しても、隙間ができてしまい十分な効果は期待できないでしょう。
浴室乾燥機を後付けできないケース
浴室乾燥機の後付けができないのは、フラットな天井と十分なスペースが確保できないときです。
また、一見すると表面が滑らかに見える天井でも、よく見ると段差がある、カーブがかっているなどの場合、浴室乾燥機の設置は難しくなります。
換気扇や点検口があり、天井が凹凸もカーブもないフラットな状態であっても、40cm四方程度のスペースが確保できなければ後付けはできません。換気扇の近くに照明があるなど、容易に移動できない設備があれば、浴室乾燥機の設置以外の工事も必要になります。
浴室乾燥機を後付けする方法
浴室乾燥機を後付けするときは、天井か壁のどちらかに設置することになります。そのため、換気扇が天井ではなく壁にある場合でも工事を諦める必要はありません。状況に応じた設置方法が見つかることもあるため、まずは施工業者に現地調査を依頼してはいかがでしょうか。
天井や壁に浴室乾燥機を設置するときの施工方法は主に3種類に分けられ、施工方法によって設置できる浴室乾燥機のバリエーションやメーカーが異なります。見た目や必要な機能を考慮に入れて設置方法を相談しましょう。
壁に取り付ける
1つ目の施工方法は、壁への取付です。換気口などを利用するタイプで、壁がタイル状など在来工法の浴室にも設置できるメリットがあります。もちろん、換気口が壁にあれば、天井がフラットではない浴室にも適用できる工法です。
天井に取り付ける場合は、浴室乾燥機の重さに耐えられるよう天井の補強工事が必要になることもありますが、壁に取り付ける場合は、基本的に大掛かりな補強工事は不要です。工事内容がシンプルな分、さまざまな浴室に設置できます。
ただし、十分なスペースが必要な点は変わりません。設置したい場所(換気口のある位置)に大きな窓がある場合は、事前に確認することをおすすめします。
天井に埋め込む
2つ目の施工方法は、天井への埋め込みです。いわゆるビルトインタイプと呼ばれる工法で、天井裏に機器を設置できる十分なスペースがあることが前提とされています。
機器のほとんどを天井裏に収めるため、浴室内を圧迫することがありません。天井に十分なスペースがある場合は、見た目も美しく仕上がるためビルトインタイプがおすすめです。
また、埋め込むタイプの浴室乾燥機は各メーカーが多くのバリエーションを発売している点も魅力といえます。機能や形状など、豊富な種類の中から目的や予算に応じて選べます。
ただし天井の状態によっては、設置工事の他に天井の補強工事が必要となる場合もあります。
天井に取り付ける
3つ目の施工方法は、天井表面への取付です。既存の換気扇を外して設置したり、換気扇の上からかぶせるように取り付けたりします。
シンプルな施工内容のため費用を抑えやすく、省スペースで設置できるため、既存の設備をできる限り取り外したくない場合におすすめです。埋め込まない分、天井には凹凸ができてしまうため、浴室の広さによっては圧迫感が生まれる点に注意が必要です。
また、近年は機器を埋め込むビルトインタイプが主流のため、取り付けるタイプは選べる機器の種類が少ないというデメリットもあります。
浴室乾燥機を後付けする際の費用
浴室乾燥機を後付けする場合の費用は、以下の要素によって左右されます。
・設置する浴室乾燥機の種類
・施工方法
・設置する場所
・業者ごとの工賃
浴室乾燥機は、機能やグレードによって価格はさまざまです。たとえば近年は多くの浴室乾燥機に温風が採用され、暖房機能がついていますが、ミストなど他の機能がついているタイプもあります。
シンプルな機能かつスタンダードなクラスで考えた場合の費用は、約10万円です。ただし取り付ける浴室乾燥機の機能によっては、高額になります。
施工内容も、費用を大きく左右する要素です。前述のとおり天井に設置する場合、天井の補強工事が追加されるように、単純な設置だけでは終わらない可能性も考えられます。
設置工事以外の手間がかかれば、その分工賃が加算されます。配管を通す、新しく電気配線を行う必要のある浴室乾燥機を選べば、追加費用が必要です。
【比較】浴室乾燥機は電気とガスのどちらがお得?
浴室乾燥機は、電気式とガス式の2種類があります。同じ機能でも、それぞれどちらを選ぶかで、見るべきランニングコストやメリット・デメリットは異なります。
電気式の浴室乾燥機
電気式は、ヒーターで温めた風を使って乾燥させるタイプです。ガスを使用しないため、ランニングコストを考えるときは電気代に注目しましょう。
電気式のメリットとデメリットは、以下のとおりです。
メリット | デメリット |
電気式の方が安い傾向にある | ガス式よりも乾くのに時間がかかる |
電気式の浴室乾燥機の特徴は、ガス式と比べて電気代を安く抑えられることです。1時間の稼働で比べると、電気代の方が安くなるケースが多いです。
ただし、衣類を浴室乾燥機で乾かそうとした場合、電気式は稼働時間が長くなる傾向があります。稼働時間が長くなれば、もちろん電気代が高くなります。雨の日だけ利用するなど、使い方を工夫すればある程度コストを抑えることはできます。
ガス式の浴室乾燥機
ガス式は、ヒーターではなく温水で温めた風を使用するタイプです。稼働のための電気代に加えて、温めるためのガス代が生じます。
ガス式の浴室乾燥機のメリットやデメリットは、以下のとおりです。
メリット | デメリット |
電気式の方が安い傾向にある | ガス式よりも乾くのに時間がかかる |
ガス式は電気式に比べると温風が出るまでのタイムラグが少ないため、短い時間で洗濯物を乾燥させることができます。また、電気式に比べると暖房性能が高い点も大きなメリットです。
ただしパワーがある分、ガス代が高くつきやすい点に注意しましょう。また、電気式は本体のヒーターなどを温める仕組みですが、ガス式はお湯を沸かして使用する仕組みとなっており、本体とは別に熱源機の設置が必要です。
また電気式よりも工事の手間がかかるため、設置費用も高額になります。
浴室乾燥機を選ぶときは、電気式とガス式それぞれのメリットとデメリットを理解したうえで、どのような使い方をするのかも視野に入れて決めましょう。
浴室乾燥機を設置する際の注意点
浴室乾燥機は本体価格だけで見れば、安いものなら3万円前後で購入できます。壁に取り付けるタイプなど、作業内容が簡単なものはDIYできるのではないか、と考える方も多いでしょう。確かに作業は簡単なように思えますが、浴室乾燥機の設置は誰でもDIYできるわけではありません。
浴室乾燥機は、「電気工事士」の資格を持ったプロに設置してもらいましょう。浴室乾燥機の設置は、単純に機器を取り付けてコンセントに電源プラグを挿すだけではありません。専用回線を経由してブレーカー(分電盤)につなげるなど、複雑な電気配線作業が必要です。
知識や経験のない人が行うと、故障や漏電などの事故が発生するおそれがあります。安心して長く使用できる浴室乾燥機を設置するために、電気工事士の国家資格を有するプロへの依頼がおすすめです。
「おうちの御用聞き家工房」なら、浴室乾燥機の後付けリフォームも対応しています。経験豊富なプロが現地調査で浴室の状況を確認して、お客様の要望に寄り添った最適な提案を行います。
浴室乾燥機に限らず、家に関するトラブルであれば、どんな些細なことでもご相談いただけますので、ぜひ一度お問い合わせください。「浴室乾燥機を後付けしようか迷っている」と、取付自体を検討している方からのご相談も大歓迎です。
電話1本で、最短当日に伺うことができます。ぜひお気軽にお電話ください。
まとめ
浴室乾燥機を後付けで設置するときは、天井や壁の状態、換気扇の位置、スペースなど、設置に必要な条件を満たしているかどうか確認しておきましょう。天井に設置が難しい場合は、状況によっては壁に取り付けるタイプを選ぶこともできます。
「うちの浴室は設置できるのか分からない」「一度、うちの浴室を見てほしい」という方は、おうちの御用聞き家工房にご相談ください。浴室乾燥機の選び方など、どんな小さな質問にも丁寧にお答えします。